不連続殺人事件 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024035

感想・レビュー・書評

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  • ただただ読みにくかった…。文体が肌に合わなかったという感じ。登場人物のイメージが被る人が多くて誰が誰やら?

  • 本格ミステリとして楽しめるだけでなく、ことばのテンポがとても良い。
    一方、巻末に収録されている「アンゴウ」は別の作者かと思うほどしんみりしてまたいい。

  • 目次
    ・不連続殺人事件
    ・アンゴウ

    ずっと読みたかった坂口安吾のこの本。
    ところが本の厚さよりも登場人物表に載る人物名の名前の多さにうんざりし、それが揃いも揃っていけ好かない人たちばかりなのにさらにうんざり。
    もう、夫婦や元夫婦が不倫やら何やらで、戦後の倫理観ってどうなってるの?って感じ。

    けれど、一つ一つの事件で誰が犯行可能で誰が不可能なのかを考えて読むにつれ、誰が犯人なのか、動機は何かがわからなくなってくる。

    犯人捜しの再会者発表の中で安吾が書いている。
    『犯人の間違った答案の多くは、消却法を用いられているが(中略)ところが、消却法による限り、必ず犯人は当たらない。いわば探偵小説のトリックとは、消却法を相手にして、それによる限り必ず失敗するように作られたものである。』

    なるほど、そう考えたことはなかったな。

    何度かさしはさまれる安吾からの挑戦状の最後通牒を読んだ後まで、犯人に気づけませんでした。
    最後の事件が起こった後、動機から逆算して犯人に辿り着きましたが、これでは遅すぎる。

    ちなみに尾崎士郎は「坂口安吾の小説はいつも「私」が悪者に決まっているから、「私」が犯人である」と推理。
    太宰治は「最後の海にたった一度、何食わぬ顔で顔を出すやつが犯人」と。
    どちらも「作者の挑戦状を受けるだけの素質がない」と安吾に一刀両断されている。

    文壇も巻き込みながら楽しんでいたようで、いい時代だったんだなあなんて関係ないことまで思ってしまった。
    だけど正解者の住所までバッチリ記載されているのもまた、時代なのね。

    事件のトリック自体はそれほど難しいものではないけれど、というか、それが安吾の狙いなのだけど、事件の真相は納得のいくものだった。

    そして「アンゴウ」。
    安吾だからアンゴウなの?なんてふざけたことを思いながら読んだけど、最後は胸にぐっと来た。

    主人公がたった一枚の紙を妻の不倫の証拠と断定するのは、それなりの理由があるにしても短絡的だなと思った。
    最後にアンゴウの意味を知ると、戦争が遺した傷のむごさ、戦争がまだ身近だったころの時代感覚などを考えさせられる。
    いい作品だった。

  • なんでもそうだけど、トリックわかってしまうとあっけない。
    面白かったけど人が死に過ぎで探偵何やってんだ感

  • 醜悪千万と言いながらちょっとうつくしいじゃないかよ

  • ー 私は思うに、巨勢博士の推理と全く同じように一々の細部にピタリと推理された方が四人もあったということは、私がむしろ誇ってよいことではないかと思う。つまり、ピタリと当るように出来ているのだ。探偵小説の従来の公式などは問題じゃない。探偵小説は合理的でなければならぬ。

    人間性を不当に不合理に歪めて、有りうべからざる行動を実在させそれを、合理的に解けと云ったって無理である。私は日本のみならず、全世界の探偵小説の99パーセント、否、99.99パーセントぐらいが不合理なものだと思っている。 ー

    あの坂口安吾の探偵小説。しかも、探偵小説のための探偵小説。当然、読者への挑戦状付き。

    探偵小説のための探偵小説なので、人間描写はさておき、プロットがしっかりしていて面白い。
    もちろん、王道の仕上がり。
    やっぱり、最後は関係者を集めて推理しないと探偵小説じゃないよな〜。大満足。

  • 坂口安吾が推理小説を書いていたことなどつゆ知らず。「乱歩も清張も驚いた」という帯につられて購入。トリックを使ったミステリーではなく、何がなぜ起きているのかが全然分からないまま物語が進んでいく。登場人物の発言や行動の中にヒントがあり、そこから事件を解決していくというスタイルは独創的で面白かった。時代的なものもあるから仕方がないとは思うが、女性や障害者への差別表現が多々有り、この時代に生きていなくて本当に良かったとも思った。

  • 突飛な展開もあっと驚くトリックもないのに、こんなに読ませるってさすが……

  • 「不連続殺人事件」は昭和二十二年~二十三年に雑誌連載された作品。
    登場人物が多く、関係が入り組んでいて、前半は読みにくかった。登場人物の人間関係はおどろおどろしいが、謎解きゲームの感覚で淡々と読み進められた。所々に挿入されている「読者への挑戦状」という著者のメッセージも、遊び心満載で面白い趣向だと思う。読んでいて、種明かしされるまで犯人は分からなかったし不自然なオチじゃなかった。そういう意味で良くできたミステリーなんだろうな。ただ、特に感動する話じゃなかったな。
    巻末に収録されている短篇「アンゴウ」の方が感動的かも。

  • 正統派ミステリを久々に味わった気がする。安吾さん初読みでした。読みやすい。

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著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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