不良少年とキリスト (新潮文庫)

  • 新潮社 (2019年5月29日発売)
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  • 本 ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024042

作品紹介・あらすじ

1948年 6 月13日、太宰治が情死する。逸早く知らせを受けた安吾は、その死に何を見たか。太宰論から文明論に到る圧巻の「不良少年とキリスト」。もうひとりの文学的盟友、織田作之助の喪われた才能を惜しむ「大阪の反逆」。戦後の日本に衝撃を与えた「堕落論」で時代の寵児となった著者絶頂期の、色褪せることのない評論 9 編。二つの「無頼派座談会」と文庫初となる掌篇小説「復員」を特別収録。

感想・レビュー・書評

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  •  近代文学でこんなに笑って泣きそうになったのは初めてです。時にいじり時にかばい…坂口さんは太宰さんを本当に大切に想ってたんですね。
     生きることは戦う事…。友人を幾人か自死で亡くした坂口さんの信念だからこそ響くものがあります。

  • 人間は生きることが、全部である。

  • 死ぬ、とか、自殺、とか、から始まる部分の見開きをとても好きでいて、ここを何度か読み返すことがあるけれど、涙目になってしまう時は少し弱っているし、この頁を凡庸に読める時は健康だなと思う、ただ、どのときも、すき

  • なんか読んでて泣けてきちゃったな

  • いわゆる「文豪」というのがあらゆる方向にセンシティブな人が多かった時代、坂口安吾という人はかなり完全な人だったのではないでしょうか。
    本書の中の評論系は時代が時代なので共感できるものもそうでないものもありましたが、「恋愛論」「不良少年とキリスト」はすごく良かったです。つらつらと述べながらその中で胸に刺さる言葉を書き出すのが上手いですね。読んでいて楽しい。個人的には内容よりもそういう文章の運びにグッと来ました。何回か読み返すかも。

  • 坂口安吾めちゃくちゃ良い、、!
    「自殺とあっては、翌朝、目がさめないから、ダメである。」
    はっとさせられる部分もあり、笑える部分もあり。
    坂口さんはウィットに富んだ人だなー。

  • 不良少年とキリストより好きなところ抜粋
    ・彼らの文学は本来孤独の文学で、現世的、ファン的なものとツナガルところはない筈であるのに、つまり、彼らは、舞台の上のM・Cになりきる強靭さがけていて、その弱さを現世的におぎなうようになったのだろうと私は思う。

    ・「人間失格」「グッドバイ」「十三」なんて、いやらしい、ゲツ。他人がそれをやれば、太宰は必ず、そう言う筈ではないか。
    太宰が死にそこなって、生きかえったら、いずれはフツカヨイ的に赤面道上、大混乱、苦悶のアゲク、「人間失格」「グッドバイ」自殺、イヤらしい、ゲツ、そういうものを書いたにきまっている。

    ・自分を忘れたい、ウソつけ。忘れたきゃ、年中、酒をのんで、酔い通せ。これをデカダンと称す。
    屁理窟を云ってはならぬ。

    ・親がなくとも、子が育つ。ウソです。
    親があっても、子が育つんだ。親なんて、バカな奴が、人間づらして、親づらして、腹がふくれて、にわかに慌て>、親らしくなりやがった出来損いが、動物とも人間ともつかない変テコリンな隣れみをかけて、陰にこもって子供を育てやがる。親がなきゃ、子供は、もっと、立派に育つよ。

    ・芥川も、太宰も、不良少年の自殺であった。
    不良少年の中でも、特別、弱虫、泣き虫小僧であったのである。腕力じゃ、勝てない。理窟でも、勝てない。そこで、何か、ひきあいを出して、その権威によって、自己主張をする。芥川も、太宰も、キリストをひきあいに出した。弱虫の泣き虫小僧の不良少年の手である。

    ・文学者、もっと、ひどいのは、哲学者、笑わせるな。哲学。なにが、哲学だい。なんでもありゃしないじゃないか。

    ・ドストエフスキーとなると、不良少年でも、ガキ大将の腕ツ節があった。奴ぐらいの腕ツ節になると、キリストだの何だのヒキアイに出さぬ。自分がキリストになる。キリストをこしらえやがる。まったく、とうとう、こしらえやがった。←笑

  • 2024/12/05-12/10

  • ひとは恋をしてたら生きるモンなんです。ほんとにそう。

  • 914-S
    文庫

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著者プロフィール

1906年生まれ、1955年没。太平洋戦前から戦後に活躍した小説家。代表作に『堕落論』『白痴』『桜の森の満開の下』等。

「2024年 『青鬼の褌を洗う女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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