マイマイ新子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024226

作品紹介・あらすじ

新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて…。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 印象的な場面や言葉が山ほどある。

  • 日本の「赤毛のアン」云々さえ書かなかったら、もっとあっさり読了出来たのだが、その一言が余計なばかりに、あれこれと比較されてしまうはめになっている。
    ジブリなどが人気の出ないアニメ映画に作り上げそうな感じだね。

  • 唱和30年の、田舎に住む9歳のお転婆娘・新子の日常と成長を描いた作品。

    雰囲気としては「となりのトトロ」でしょうか。はっきり言って地味な作品です。なかなかこうした小説を楽しめるという人は、特に若い人には少ないのではないでしょうか。

    ただ、子どもを描いた作品にありがちな、「甘ったるさ」はありません。新子が感じている世界はひたすらに無邪気できらきらしているのだけれど、世界の「残酷さ」といったらいいのでしょうか、容赦のなさも同時に描かれており、その対比に私は悲しさを感じます。
    他者にやさしく、両目をいっぱいに広げて世界を見る新子が、いずれこうした世界の中で生きていかなくてはならないのかと思うと感傷的になってしまうのですが、それは私自身がそうした世界に立ち向かう勇気が足りていないからなのでしょうか。

  • 映画では描かれていなかった新子ちゃんの日常。夏休みにぴったり。

  • 「当たり前」を知らなかった頃を思い出し、羨ましさを感じました。

  • 昭和三十年の周防にて暮らす九歳の少女・新子の瑞々しい短編集。
    祖父の小太郎とはとある秘密を共有し、クラスメイトのシゲルや喜伊子、妹の光子といった子供達と賑やかに過ごしているが、戦後間もない情勢や大人達の苦々しい境遇が見え隠れする。

  • 高樹のぶ子さんの文章に惹かれて読んだ。
    遅まきながら大ファンに
    世代が同じだから共感することが多すぎうれしすぎ
    そして
    アニメ映画になったことも全く知らなかった
    「この世界の片隅に」の前作!?
    ひえー
    レンタルしなくっちゃ

    ≪ マイマイは 世界の不思議 確かめる ≫

  •  ずっとむかし「ラジオ深夜便」読書コーナーで取り上げられたときから気になってた本( ´ ▽ ` )ノ

    「ちびまる子ちゃん」や「おもひでぽろぽろ」みたいななつかしものだけど、本書のほうがずっと好き( ´ ▽ ` )ノ
     アニメ化された「マイマイ新子と千年の魔法」も数年前に見た( ´ ▽ ` )ノ
     そっちもよかった( ´ ▽ ` )ノ

     時代的背景もあり、戦争や死が常に隣り合わせな子ども時代が描かれているけど、主人公のキャラクターもあって変に重苦しくなることはない( ´ ▽ ` )ノ
     必要以上感傷に浸りすぎず、カラッとしてる( ´ ▽ ` )ノ
     ふつうの子どもなんて、そんなもんだよね( ´ ▽ ` )ノ

     自分の生まれる前の話ながら、(秘密基地・爆弾菓子・餅まき等々……)すべてが懐かしく愛おしい( ´ ▽ ` )ノ
     新子ちゃんがとにかくかわいい( ´ ▽ ` )ノ
     マイマイ、今でいうアホ毛ってやつだね( ´ ▽ ` )ノ

     体言止め多用の文章、小学生の作文のようなぶった切った感じの叙述、ベタつかない心情描写( ´ ▽ ` )ノ
     こりゃかなり読者を選ぶな、と思ってブクログレビューを見てみたら 案の定(>_<)
    「赤毛のアン」ってより少女版「トム・ソーヤー」のつもりで読んだほうがいいような( ´ ▽ ` )ノ


     監督の次作「この世界の片隅に」が大ヒットしたらから、「マイマイ新子と千年の魔法」も地上波放送するのかな?と思ったんだけど、けっきょく全国ネットではやんなかったな……(>_<)
     あれ、末期ジブリなんか目じゃない傑作だから、ぜひ多くの人(とくに少年少女)に見てほしいんだけどなあ……(´ェ`)ン-…

     本書じたいも、もっと売れてほしい……(´ェ`)ン-…
    「アメトーーク読書芸人」で光浦靖子あたりが取り上げてくれればなあ( ´ ▽ ` )ノ

    2019/01/06

     

  • 著者の子どもの頃のノスタルジアを新子ちゃんに託して綴った小説。髙樹のぶ子さんというとどこかとり澄ましたような格調高い作品を書く人というイメージがあるんだけど、そういう人も野山に遊び、ハンバーグに目を輝かせ、両親・祖父母・きょうだい・近所の友だちに囲まれて育ったんだろうなと。どことなく懐かしい日本の風景が、子どもならではの虚実ない交ぜの幻想的なシーンと相まって描かれる。
    新子にとっての両親・祖父母を「お父さん」「お母さん」と書かずに、名前で書いているところに髙樹さんの芯のようなものを感じる。好ましい。

  • 新子が今の時代では見たことも無いようなタイプの子供でびっくり。
    元気いっぱいで、好奇心にあふれてて、お馬鹿なくらい真っ直ぐで、新鮮過ぎて羨ましくなってくる。
    自然に囲まれているのも良いなぁ。
    戦後間もない時なので、戦争というものも身近に見えるのにすごく豊かな物語。

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著者プロフィール

小説家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高樹のぶ子の作品

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