マイマイ新子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.52
  • (8)
  • (34)
  • (27)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 211
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024226

作品紹介・あらすじ

新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて…。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 唱和30年の、田舎に住む9歳のお転婆娘・新子の日常と成長を描いた作品。

    雰囲気としては「となりのトトロ」でしょうか。はっきり言って地味な作品です。なかなかこうした小説を楽しめるという人は、特に若い人には少ないのではないでしょうか。

    ただ、子どもを描いた作品にありがちな、「甘ったるさ」はありません。新子が感じている世界はひたすらに無邪気できらきらしているのだけれど、世界の「残酷さ」といったらいいのでしょうか、容赦のなさも同時に描かれており、その対比に私は悲しさを感じます。
    他者にやさしく、両目をいっぱいに広げて世界を見る新子が、いずれこうした世界の中で生きていかなくてはならないのかと思うと感傷的になってしまうのですが、それは私自身がそうした世界に立ち向かう勇気が足りていないからなのでしょうか。

  • 映画では描かれていなかった新子ちゃんの日常。夏休みにぴったり。

  • 高樹のぶ子さんの文章に惹かれて読んだ。
    遅まきながら大ファンに
    世代が同じだから共感することが多すぎうれしすぎ
    そして
    アニメ映画になったことも全く知らなかった
    「この世界の片隅に」の前作!?
    ひえー
    レンタルしなくっちゃ

    ≪ マイマイは 世界の不思議 確かめる ≫

  •  ずっとむかし「ラジオ深夜便」読書コーナーで取り上げられたときから気になってた本( ´ ▽ ` )ノ

    「ちびまる子ちゃん」や「おもひでぽろぽろ」みたいななつかしものだけど、本書のほうがずっと好き( ´ ▽ ` )ノ
     アニメ化された「マイマイ新子と千年の魔法」も数年前に見た( ´ ▽ ` )ノ
     そっちもよかった( ´ ▽ ` )ノ

     時代的背景もあり、戦争や死が常に隣り合わせな子ども時代が描かれているけど、主人公のキャラクターもあって変に重苦しくなることはない( ´ ▽ ` )ノ
     必要以上感傷に浸りすぎず、カラッとしてる( ´ ▽ ` )ノ
     ふつうの子どもなんて、そんなもんだよね( ´ ▽ ` )ノ

     自分の生まれる前の話ながら、(秘密基地・爆弾菓子・餅まき等々……)すべてが懐かしく愛おしい( ´ ▽ ` )ノ
     新子ちゃんがとにかくかわいい( ´ ▽ ` )ノ
     マイマイ、今でいうアホ毛ってやつだね( ´ ▽ ` )ノ

     体言止め多用の文章、小学生の作文のようなぶった切った感じの叙述、ベタつかない心情描写( ´ ▽ ` )ノ
     こりゃかなり読者を選ぶな、と思ってブクログレビューを見てみたら 案の定(>_<)
    「赤毛のアン」ってより少女版「トム・ソーヤー」のつもりで読んだほうがいいような( ´ ▽ ` )ノ


     監督の次作「この世界の片隅に」が大ヒットしたらから、「マイマイ新子と千年の魔法」も地上波放送するのかな?と思ったんだけど、けっきょく全国ネットではやんなかったな……(>_<)
     あれ、末期ジブリなんか目じゃない傑作だから、ぜひ多くの人(とくに少年少女)に見てほしいんだけどなあ……(´ェ`)ン-…

     本書じたいも、もっと売れてほしい……(´ェ`)ン-…
    「アメトーーク読書芸人」で光浦靖子あたりが取り上げてくれればなあ( ´ ▽ ` )ノ

    2019/01/06

     

  • 著者の子どもの頃のノスタルジアを新子ちゃんに託して綴った小説。髙樹のぶ子さんというとどこかとり澄ましたような格調高い作品を書く人というイメージがあるんだけど、そういう人も野山に遊び、ハンバーグに目を輝かせ、両親・祖父母・きょうだい・近所の友だちに囲まれて育ったんだろうなと。どことなく懐かしい日本の風景が、子どもならではの虚実ない交ぜの幻想的なシーンと相まって描かれる。
    新子にとっての両親・祖父母を「お父さん」「お母さん」と書かずに、名前で書いているところに髙樹さんの芯のようなものを感じる。好ましい。

  • 新子が今の時代では見たことも無いようなタイプの子供でびっくり。
    元気いっぱいで、好奇心にあふれてて、お馬鹿なくらい真っ直ぐで、新鮮過ぎて羨ましくなってくる。
    自然に囲まれているのも良いなぁ。
    戦後間もない時なので、戦争というものも身近に見えるのにすごく豊かな物語。

  • 2017/2/3

  • 9歳の主人公・新子をとりまく日常。ただそれだけを淡々と描いた作品。
     
    だけど、その無垢な目を通した世の中の、なんと瑞々しく、時に切なく、そして哀しいことか。子供にしか分からない世界、大人たちが忘れてしまった世界、読み手に郷愁や感傷を抱かせ、胸がちくりと痛む、印象深い作品です。
     
    昭和30年という時代設定が、また絶妙。戦後の世相の激変が、戦争を知らない新子の目によって鮮やかに、あるいは残酷に描き出されています。
     
    自らの幼少期と経験がかぶるわけでも無いのに、何かが呼び起こされる不可思議な一作。コレを大人になってから書ける作者も、ある意味凄いです。

  • 戦争の匂いが消えない日本でのはなしですが、人々のたくましさがたくましく描かれた明るい作品です。それにしても、マイマイがきになります。

  • 印象的な場面や言葉が山ほどある。

全37件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

高樹のぶ子(たかぎ のぶこ)
1946年山口県防府市生まれ。東京女子大学短期大学部教育学科卒業後、出版社勤務を経て、1980年「その細き道」を「文學界」に発表。1984年「光抱く友よ」で芥川賞、1994年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、1995年『水脈』で女流文学賞、1999年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞を受賞。2009年紫綬褒章、2018年文化勲章をそれぞれ受章。他の著書に『マイマイ新子』『甘苦上海』『飛水』『マルセル』『香夜』『少女霊異記』など多数。

マイマイ新子 (新潮文庫)のその他の作品

マイマイ新子 単行本 マイマイ新子 高樹のぶ子

高樹のぶ子の作品

マイマイ新子 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする