マイマイ新子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.52
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本棚登録 : 211
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024226

作品紹介・あらすじ

新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて…。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 唱和30年の、田舎に住む9歳のお転婆娘・新子の日常と成長を描いた作品。

    雰囲気としては「となりのトトロ」でしょうか。はっきり言って地味な作品です。なかなかこうした小説を楽しめるという人は、特に若い人には少ないのではないでしょうか。

    ただ、子どもを描いた作品にありがちな、「甘ったるさ」はありません。新子が感じている世界はひたすらに無邪気できらきらしているのだけれど、世界の「残酷さ」といったらいいのでしょうか、容赦のなさも同時に描かれており、その対比に私は悲しさを感じます。
    他者にやさしく、両目をいっぱいに広げて世界を見る新子が、いずれこうした世界の中で生きていかなくてはならないのかと思うと感傷的になってしまうのですが、それは私自身がそうした世界に立ち向かう勇気が足りていないからなのでしょうか。

  • 映画では描かれていなかった新子ちゃんの日常。夏休みにぴったり。

  • 高樹のぶ子さんの文章に惹かれて読んだ。
    遅まきながら大ファンに
    世代が同じだから共感することが多すぎうれしすぎ
    そして
    アニメ映画になったことも全く知らなかった
    「この世界の片隅に」の前作!?
    ひえー
    レンタルしなくっちゃ

    ≪ マイマイは 世界の不思議 確かめる ≫

  •  ずっとむかし「ラジオ深夜便」読書コーナーで取り上げられたときから気になってた本( ´ ▽ ` )ノ

    「ちびまる子ちゃん」や「おもひでぽろぽろ」みたいななつかしものだけど、本書のほうがずっと好き( ´ ▽ ` )ノ
     アニメ化された「マイマイ新子と千年の魔法」も数年前に見た( ´ ▽ ` )ノ
     そっちもよかった( ´ ▽ ` )ノ

     時代的背景もあり、戦争や死が常に隣り合わせな子ども時代が描かれているけど、主人公のキャラクターもあって変に重苦しくなることはない( ´ ▽ ` )ノ
     必要以上感傷に浸りすぎず、カラッとしてる( ´ ▽ ` )ノ
     ふつうの子どもなんて、そんなもんだよね( ´ ▽ ` )ノ

     自分の生まれる前の話ながら、(秘密基地・爆弾菓子・餅まき等々……)すべてが懐かしく愛おしい( ´ ▽ ` )ノ
     新子ちゃんがとにかくかわいい( ´ ▽ ` )ノ
     マイマイ、今でいうアホ毛ってやつだね( ´ ▽ ` )ノ

     体言止め多用の文章、小学生の作文のようなぶった切った感じの叙述、ベタつかない心情描写( ´ ▽ ` )ノ
     こりゃかなり読者を選ぶな、と思ってブクログレビューを見てみたら 案の定(>_<)
    「赤毛のアン」ってより少女版「トム・ソーヤー」のつもりで読んだほうがいいような( ´ ▽ ` )ノ


     監督の次作「この世界の片隅に」が大ヒットしたらから、「マイマイ新子と千年の魔法」も地上波放送するのかな?と思ったんだけど、けっきょく全国ネットではやんなかったな……(>_<)
     あれ、末期ジブリなんか目じゃない傑作だから、ぜひ多くの人(とくに少年少女)に見てほしいんだけどなあ……(´ェ`)ン-…

     本書じたいも、もっと売れてほしい……(´ェ`)ン-…
    「アメトーーク読書芸人」で光浦靖子あたりが取り上げてくれればなあ( ´ ▽ ` )ノ

    2019/01/06

     

  • 著者の子どもの頃のノスタルジアを新子ちゃんに託して綴った小説。髙樹のぶ子さんというとどこかとり澄ましたような格調高い作品を書く人というイメージがあるんだけど、そういう人も野山に遊び、ハンバーグに目を輝かせ、両親・祖父母・きょうだい・近所の友だちに囲まれて育ったんだろうなと。どことなく懐かしい日本の風景が、子どもならではの虚実ない交ぜの幻想的なシーンと相まって描かれる。
    新子にとっての両親・祖父母を「お父さん」「お母さん」と書かずに、名前で書いているところに髙樹さんの芯のようなものを感じる。好ましい。

  • 新子が今の時代では見たことも無いようなタイプの子供でびっくり。
    元気いっぱいで、好奇心にあふれてて、お馬鹿なくらい真っ直ぐで、新鮮過ぎて羨ましくなってくる。
    自然に囲まれているのも良いなぁ。
    戦後間もない時なので、戦争というものも身近に見えるのにすごく豊かな物語。

  • 2017/2/3

  • 9歳の主人公・新子をとりまく日常。ただそれだけを淡々と描いた作品。
     
    だけど、その無垢な目を通した世の中の、なんと瑞々しく、時に切なく、そして哀しいことか。子供にしか分からない世界、大人たちが忘れてしまった世界、読み手に郷愁や感傷を抱かせ、胸がちくりと痛む、印象深い作品です。
     
    昭和30年という時代設定が、また絶妙。戦後の世相の激変が、戦争を知らない新子の目によって鮮やかに、あるいは残酷に描き出されています。
     
    自らの幼少期と経験がかぶるわけでも無いのに、何かが呼び起こされる不可思議な一作。コレを大人になってから書ける作者も、ある意味凄いです。

  • 戦争の匂いが消えない日本でのはなしですが、人々のたくましさがたくましく描かれた明るい作品です。それにしても、マイマイがきになります。

  • 印象的な場面や言葉が山ほどある。

  • 日本の「赤毛のアン」云々さえ書かなかったら、もっとあっさり読了出来たのだが、その一言が余計なばかりに、あれこれと比較されてしまうはめになっている。
    ジブリなどが人気の出ないアニメ映画に作り上げそうな感じだね。

  • 昭和30年で9歳。偶然にもうちの亡くなった父と同じ歳の新子ちゃん。
    同時に、私の娘も今9歳。

    うちの父も、こんな風景を見ながら子ども時代を過ごしたんだろうか。どんな子どもだったんだろうと、そんな感傷を抱きながら、また、うちの娘もお友達とこんな会話してるんだろうかとか思いながら読んだ。

    私とは全然育っている時代・環境が違って、でも子どもたちの関係性とか空気感というのは意外と普遍的だったりするのかもしれない、なぜか懐かしい気持ちになる作品。

    私が特に好きだったのは、友達がケンカしてお互いのお父さんを罵った時、新子は父親に言われた「自分の目で見たほうがいい」という言葉を信じて、友達の父親が本当に噂通りの人なのか確かめに行く話だ。
    結果的に大人に嘘をつくことになり、親にこっぴどく怒られる新子だけど、理由をうまく説明できなくて家出することになる。
    この辺りの新子の気持ちが切なくて、でも親である身として私が新子の母でもついこんな風に叱ってしまうかもと反省させられたり。

    最後、誰もが通る「近しい人の死」を9歳なりの感性で受け止める新子に涙が出た。

  • 田舎でのびのび暮らす少女の生活をいきいきと描き出した本なのだろうけど、なぜだろう、いまいち好きになれずに終わってしまった。

  • 山口の片田舎を舞台にオテンバな主人公、新子が思い感じて考えたり悩んだり…
    和製「赤毛のアン」をめざして書いたとのことですがまったくそのとおりな作品。
    麦畑や川のせせらぎなど自然の描写が美しいこともモンゴメリの作品に通じます。
    おとなの誰もが子供のころ感じたことのある日常が描かれています。
    もちろん今のこども達にも新子の暮らしを感じてもらいたい作品です。

  • 作者の高樹さんはあとがきでこの物語を書くにあたって、日本版"赤毛のアン"を目指したと語っています。なるほど主人公の新子は9歳、つむじが二つあり、その片方が額の真上にありピンと立つ厄介なクセがあり家族から"マイマイ"と呼ばれていることやおてんばで空想好きな性格など"アン"と似通っています。
    そしておじいちゃんの小太郎との秘密のやり取りはアンとマシュウを連想させました。
    時代は昭和30年。山口県の自然が豊かな土地柄。今ではお目にかかれない品物や暮らしが蘇ります。私たちの年代にとってはああそう言えば‥と遠い記憶を辿る回想物語のようです。
    考えてみれば、子供時代には誰でも心に暖めている物語があります。その意味ではみんなマイマイ新子の世界の住人です。でも、残念なことに大抵の方は忘れてしまっています。

  • 7/21/11図書館

  • 2011/10/28

  • 時は昭和30年、9歳の新子は、きもちがざわざわすると、額の真上のつむじ(まいまい)が立ち上がる。おてんばで空想好きな新子は毎日がきらめいていて…。
    「となりのトトロ」を思い出しました。
    その年代を生きていたわけではないけれど、なぜだか懐かしく感じます。

  • 防府、山口などを舞台とした作品です。

  • 「すごくはまって一気に読んだ!」という本ではないけれど、一つ一つのお話が心に響くやさしいものでした。
    そして、子どもの頃の言葉にはあらわせない疑問や切なさがたくさんつまっています。
    寝る前に、2〜3話読むペースで読み終えました。
    昭和30年、私は生まれていないどころか、その年代の日常生活を容易に想像できる程の年齢でもありませんが、それでも新子ちゃんと新子ちゃんをとりまく世界が大好きになりました。
    時代は違くとも共感する部分も、「そういえば似た様なことあったな」と思う事もありました。
    昭和30年代はまさに古き良き日本の姿なんでしょうね。
    人間は便利になればなるほどもっと上、
    さらに上を目指してしまうのを改めて感じてしまいます。

  • 2011年1月20日購入。
    2016年6月7日読了。

  • 昭和30年くらいのお話。
    新子という女の子が主人公。

    新子は何度も「素直じゃない」って怒られていたけれど、とても自分に素直な子だと感じた。

    顕微鏡でいろいろなものを見るのってすごく楽しい。
    私も今度実家に帰ったときには、顕微鏡を出してみようと思った。

    顕微鏡、緑のハンモック、千年の川・・・。
    たくさんの素敵なものに囲まれいて、ちょっとうらやましかった。

  • 英語でヒューヒュー笑えたぁ
    赤毛のアン というより ちびまる子ちゃんとか ムーミンを見ている感覚で 読みました

  • 子供の頃の、素直な感性を思い出させる物語です。一つずつ新しい感情を覚えていく新子ちゃんの、説明のつかないフクザツな思いに、揺さぶられました。
    病院の待合室で読んで没頭していて、うっかり看護婦さんに探しに来られました。呼ばれているのに気づかない程、没頭していたみたい・・(笑)。
    読んでる間、新子ちゃんにシンクロしてしまってました。

  • 誕生日に顕微鏡をくれるお父さんって素敵だなと思った。

  • 大人たちがまだ戦争を引きずっていた時代。冷蔵庫や洗濯機、テレビなんかが普及する前の時代。誰もが貧しかったけれど、貧しさを恥としなかった時代。人と人との関わりが濃密だった時代。昭和30年の田舎町が物語の舞台です。
    主人公の新子は9歳。マイマイというのはつむじのこと。新子のつむじは額にあって、嬉しかったり、悲しかったり、怒りがこみ上げてきたり、心がざわざわするときは、面白いことにそのつむじの毛がムズムズするのです。
    大人にとって些細なことが、子供にとっては大事件。新子は日々のちょっとした出来事や、家族や友人、そのほか自分を取り巻く人々との関わりの中で、少しずつ、少しずつ成長していきます。
    いま新子ちゃんがご健在ならば、60歳を越えています。素直で、正義感が強くて、お転婆だった女の子は、いったいどんな大人になっているのでしょう?
    それにしても、子供の頃の一日は、とても、とても長かったなぁ。

  • ほのぼのした話、一話、一話で完結!
    なにか感動することとかもとくにはないけれど・・・
    ちょっと中途半端な気もしないでもない。

  • おでこにつむじのある(マイマイ)9歳の新子が自然が豊かに残る昭和30年代に経験した日常の出来事がいきいきと描かれています。仲良しのおじいちゃんと自然探検に行ったり、友達とカタキウチに行ったり・・・まだ自分が生まれていない30年代が舞台ですが、まるで見たことのあるような懐かしく微笑ましい情景がそこにはありました。作者は日本版赤毛のアンを書きたかったとあとがきで言っています。私は読んでいてトトロの風景が浮かんできました。後半にはればなるほど、奥が深く、読ませるお話になります。子供たちにも読んで欲しいすてきなお話でした。

  • 日本版赤毛のアン。映画よりやっぱり原作が好きだったな。
    れんげ畑を走り回っていたあの頃を懐かしく思い出しました。

  • 瑞々しく爽やかでいきいきとして、でも少しノスタルジー。「カタキウチ」にいく話がよかったな。金原さんの解説がまたすばらしい。アニメにしたくなる気持ち分かる気がします。DVDになったら観てみようと思います。

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著者プロフィール

高樹のぶ子(たかぎ のぶこ)
1946年山口県防府市生まれ。東京女子大学短期大学部教育学科卒業後、出版社勤務を経て、1980年「その細き道」を「文學界」に発表。1984年「光抱く友よ」で芥川賞、1994年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、1995年『水脈』で女流文学賞、1999年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞を受賞。2009年紫綬褒章、2018年文化勲章をそれぞれ受章。他の著書に『マイマイ新子』『甘苦上海』『飛水』『マルセル』『香夜』『少女霊異記』など多数。

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