- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101024233
感想・レビュー・書評
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アジアを題材とした10の短編集。
表題でもある『トモスイ』は、色彩や海上の静寂までも脳裏に浮かぶ圧倒的完成度。『唐辛子姉妹』も目を惹く面白さ。
ただ、その他は詩的・感覚的すぎて解読が難しい。また全編通し、アジアのエロスという触れ込みにも疑問で、情感は正直全く感じれなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
アジアの10カ国それぞれをテーマとした短編集。
表題作は他と比べてアジア特有の湿気や熱感が無いな…と思っていたが、タイの「第3の性」を元にしていると今更気付きああ成程と納得。
高樹先生の文章は香りや湿度が強い。体臭や花の香りに噎せそうになる。喪った人を追ううちに香りはますます強くなり、現実と幻想の境目が消えていく…。
「どしゃ降り麻玲」「唐辛子姉妹」「投」「モンゴリアン飛行」が個人的に好み。 -
アジア10か国の文学者を訪ね、日本にその人物や作品を紹介すると同時に、髙樹さんもそれぞれにインスパイアされて小説を書くというSIA(Soaked in Asia=アジアに浸る)プロジェクトから生まれた短編集。
「アジアに浸る」とは湿潤なアジアに似合う表現だと思う。それぞれの作品もどことなく湿潤で夢を見ているようなちょっと現実と一線を画したような、たゆたうような浮遊感をまとっている。 -
十の短編。「トモスイ」と「天の穴」が印象に残った。他も含めアジアの湿潤な匂いが感覚に訴えてくる。2016.5.21
著者プロフィール
高樹のぶ子の作品





