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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784101024813
作品紹介・あらすじ
その伝統、本当に昔からあった? お正月の定番「初詣」も「重箱おせち」も、実は私鉄や百貨店のキャンペーンから生まれた新しい文化。喪服は黒、土下座が謝罪のポーズになったのも実はごく最近。行事・風習・食生活……日常のいたるところに潜む、一見それらしい“昔からのしきたり”や“和の心”の裏側には、面白エピソードが盛りだくさん。楽しく学べるベストセラーに大幅増補して文庫化。
感想・レビュー・書評
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揚げ足をとるような言い方があまりピンとこないけど、「古き良き伝統」と称されるものの怪しさについて考えるきっかけとして良い本。
「伝統なので」と言われたら、自分で調べてみよう。
・室町時代は日本人の美意識の原型ができた時期、鎌倉時代は質実剛健の元祖、平安時代は和風の元祖
・正月の恵方詣りは約650年、初詣で約130年の歴史(鉄道会社と新聞社がはじめた)
・正月のおせちを重箱に詰めるようになったのが定着したのは、戦後、デパートの販売戦略
・六曜は明治政府時代は禁止。福沢諭吉もけちょんけちょんにけなしていた
・七五三は関東ローカルな風習。一般的になったのは日本最初のデパート・三越ができて以降
・そもそも日本には「結婚式」は存在せず、披露宴のみ。仏前、神前ともにキリスト教式を参考に作られたと思われる
・庶民が「姓」を名乗るようになって約140年。夫婦別姓になって約140年、夫婦同姓に変更されて約120年(家単位で国民を管理したい)
・「専業主婦」「良妻賢母」の思想は明治以降に外国から来た新しい考え方。産業革命により、「夫は外で働き、中流の階級の妻は家で家事・子育てだけをする」概念が登場
・土下座そのものは古くあり、最大限の恭順や畏敬の際に用いられる特別な座り方だった
・喪服は「白」だった時代が長いが、「黒」が定着したのは西洋の影響
・告別式は葬式の一部ではないが、伝統ある宗教儀式の一部かのようになっている
・いま元号を使っているのは、世界で日本だけ
・京都の平安神宮は「平安遷都千百年紀年祭」で明治時代に創建された
・アロハシャツは日本人のハワイ移民が始まってから作られた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伝統だと思っていたものは、そうでもないものが多い。
人が伝統だと思うには意外と月日はかからない。
思わず人に話したくなるような雑学が盛りだくさんです。
雑学と言いつつも歴史を知り、日本文化を幅広く知れる楽しい本でした。
行事ごとが多いこれからの季節には、なんだったかなと読み直したくなりそうです。
仕事のために読み始めた本だったけれど、仕事そっちのけで楽しく全部読みました。笑 -
「伝統」というものに違和感を感じて、色々と調べてまとめている
トリビア的な面白さもさることながら、人間の性質も伺えて興味深い。
伝統形成パターン
朝廷行事に起源を求める
商売と結びつく
古くから存在するものを使う
メディアと結びつく -
古き良き伝統の物事だと思っていることが、実は100年に満たない程度の歴史だったり、あるいは、やはり1000年以上の歴史を持つものだったり。
そんなことがサラリと理解できる一冊です。
著者によって、ひとつひとつの対象が丁寧に取材されているからこそ、サラリと読めるのでしょうね。
「医食同源」が、来年(2022年)にようやく50年を迎える程度の歴史であることには驚きました。(p.265)
この本で登場する伝統と称されるものの長さが一目でわかる巻末の「伝統の長さ棒グラフ」が面白いですね。
付箋は15枚付きました。 -
商品や店名に旧国名をつけると
なんとなく昔からあったみたいに思う
というのは確かにその通りだわ。
日本の花といえば桜なイメージも
ソメイヨシノが広まった江戸時代以降
というのもそうなんだろうなぁ。
ただ、そもそも昔の人もきっと
桜は好きだったと思う。
好きだから「もっと増やしたい」と
広まったんだろうしね。
そんな感じでいろいろ楽しく読みました。
何でも角度を変えて知るのは大事だな。 -
まあ雑学として楽しく読みました。
マトリョーシカが箱根発祥というのが一番印象に残りました。 -
結構、1920年時点でも核家族は多かったことが論じられている。
本書には書かれていないが、これは長子以外の子供は家の外部に出され、世帯を形成したからだろう。
原資料から数字を出すのは大変な作業なので、著者には敬意を表したい。 -
伝統だと思われていたものが思いの外ビジネス目的で作られたことを説明している。読み物としては面白い。補足情報も多く時間がある人向け。結果だけ知りたい人は文末の太字で十分
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明治期に出来、戦後の百貨店によって大衆化された日本の伝統。
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古いと思ったら新しかったり、日本古来のと思ったら海外由来だったり。いろいろあって面白い。
著者プロフィール
藤井青銅の作品





