色ざんげ (新潮文庫 う 1-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101027012

感想・レビュー・書評

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  • まあ、ふつうなら読まない本だ。いま「源氏物語」を原文で読む勉強会に参加しているが、そこで先生が宇野千代はおもしろいとすすめてくれた。改行がなく小さな文字がぎっしりつまっており、だれも読みたがらないだろうとのことだった。他に借りたい人もいなさそうだったので、「じゃあ」ということで借りて読み始めた。最初から、たいして退屈もせずに読み進めた。はじめは借り物の本だしと思って家の中だけで読んでいた。けれど、嵐の中、女のいる別荘に向かうあたりからおもしろすぎて、通勤途中の電車の中でも読んだ。つまらない本だと、すぐ居眠りをしてしまうのだが、本書は往復1時間半、完全にその中に引き込まれていた。電車を降りてからもしばらくはホームで続きを読んだ。まあ、それくらいおもしろかったというわけです。最後は心中。けれど・・・。東郷青児がモデルのほぼ実話とのこと。事実は小説より奇なりということ。ところで、嵐の中、別荘に向かう件、先生はマンガのようだとおっしゃっていたが、私は思いっきり感情移入して読んだ。理性ではわかっている。でも、どうしようもないことってあるんですよね。源氏が藤壺に会いたくて会いたくて仕方なかったという気持ちも、同じようによく分かるような気がする。

  • 洋画家の東郷青児をモデルに書いている。宇野千代は一時期彼の愛人であったそうだ。ある女性と自殺を図るが二人とも助かり、妻とは別れ宇野千代とも別れて自殺を図った女性と結局結婚する。東郷は奔放な人生を送っていた。

    おはんに比べると現代的で読みやすかった。

  • 初・宇野千代

    丸谷才一氏のエッセイで紹介されていたので読んでみました、思っていたほど読みにくくはなかった。どろどろした男と女の修羅場や駆け引きを想像していたから。
    抑え気味で、内なる情熱の炎を背後に感じさせるようで、こちらはテンポよく読め読後も悪くなかった。違う作品も読んでみよう。

  • 明治~大正の香りがする。一時期この時代の小説にはまっていた事を思い出した。例えば細雪のような。言葉が美しくて心地が良い。

  • 岩国などを舞台とした作品です。

  •  宇野千代さんの恋人のひとりがモデルの小説です。
     手紙から始まって、友人へと流れていく恋。

  • う-1-1 【→旧版】

  • 2008年10月9日(木)、読了。

  • 宇野千代さん著。昭和初期の画家が恋に狂いながらも、人生を繋ぎとめようとする。遊びきれてない方は晩婚がいいのに…なんて概念はこの時代になかったのでしょうか?

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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