- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101027418
作品紹介・あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
感想・レビュー・書評
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「女による女のためのR18文学賞」大賞受賞作にハズレなし!この文学賞出身作家とは相性がよく、なるべく追いかけるようにしているのだが、今回も評判通り素晴らしい作品であった。
しんどい思いを抱えながらも、地方で足を踏ん張り生きていく人々を描いた連作短編集。地方の息苦しさ、煩わしさ。出ていきたいけど出ていけないジレンマ。そんな閉塞感を描いた作品はこれまでもあったけど、そこであがく人々の生き様の描写が鮮烈。各作品は魚がモチーフとなり、最終章の「海」に繋がる…その構成の巧さに舌を巻く。
何よりも、大胆で度肝を抜く展開!読んでいて、思わず声が出そうになるほどの起承「転」結。その「転」からの「結」への持っていき方がとにかく切ないのだけど、町田さんの哀しみの昇華のさせ方がすごく好きだな。
短編集だと、特にこれがお気に入りと言いたくなる作品がいつもあるのだが、今回は甲乙つけがたい…一番を選べないくらい5作品どれも好きなのである!正直、全体を覆う空気は重めなのだけれど、それでもページを捲るのを止められないくらい引き込まれる。
生きることに悩み、迷う自分を肯定してくれるような…強くてしなやかでやさしい物語だ。
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5つの話からなる短編集。
5つの作品は登場人物が少しずつ重なっていて、色々な角度から物語を楽しめる。
どの話も、それぞれ登場人物たちが抱える問題は大きなテーマを背負っていて、時々目を瞑りたくなるようなものだけれど、作者の描く人物はそれに立ち向かう強さと周りに助けを求められる優しさに満ちている。
ここで生きていく人と、ここではないどこかで生きていく人。自分の生きやすい場所で、自分の居場所で、生きていけばいいんだと思う。
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辻村深月さんや三浦しをんさんが絶賛したとされた本書。
『かがみの孤城(辻村氏)』を読み終えてから、まだ日も浅かったため、これは何かの縁と思い、手に取りました。
本書は町田氏のデビュー作で短編集なのですが、一つ一つのお話に深み(味わい)があるだけではなく、それらの繋がり(重なり)方が巧みで、読了後はあっぱれという気持ちになりました!
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これがデビュー作‼︎と驚愕する作品。良い意味で、デビュー作ならではの荒々しさがなく、洗練されていました。文章がとても綺麗で、構成も素晴らしい!それぞれの短編からつながりを見つけると、あぁここで繋がっていたのか、と少し幸せな気持ちになる。
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うーわー。
とても良かった。水みたいなさらさらとキラキラした文章に隠れてるので忘れがちだけど、内容はそこそこヘビーだ。
それでも筆力のせいか、重さを感じさず読みやすい。なんだかとても綺麗な世界を見たような気にさせれる。
またどの作品もタイトルがいい。
「カメルーンの青い魚」は、こーゆー展開?でハッとさせられる。一番好きだと思った「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」は前作の啓太が主役。
タイトルがやっぱりいい。
「晴子が孵化した」なんて文章出てこないよー。
「波間に浮かぶイエロー」もとても良かった。環はなんなんだと思ったけど、ひたすら傷ついて子供のようで不防備で傲慢で、鼻持ちならないけどたしかに嫌いになれない。芙美さんもまたいい。
他の作品も読みたいな -
全ての物語がやりきれない悲しさとか、現実を生きている人の話で、その物語ひとつひとつがどこかで繋がっている面白さがあります。
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人生恵まれてるなあと感謝できるようになった。素敵な一冊。いろんな話が絡み合って繋がっていく。短編なので読みやすい。
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町田そのこさんの作品は初めて読みました。
読後は言葉では表せない気持ちになりました。とにかく文章の構成が巧みでその完成度の高さに脱帽しました。出だしの一文がまず衝撃的でそこから読む手が止まらなくなるくらい物語に引き込まれました。
重い内容の話だけれど必ず希望が見えてくるのが救いです。
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悲しみが基調の短編小説。悲しみの中で希望が見える感じがエッセイぽくてよかった。冒頭の走り出しが魅力的で、スラスラ読めてしまいました。
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評価も高い本だったのと短編集ということもあり、電車の移動時間に読もうと思い購入。
一つ一つの話に吸い込まれていき、なにかはわからない言葉にするのは難しいことを感じられる一冊。
何度でも読みたい。
著者プロフィール
町田そのこの作品






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