夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.12
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本棚登録 : 15727
感想 : 1100
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101027418

感想・レビュー・書評

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  • うーん凄い短編集に出逢った!
    カメルーンの青い魚 夜空に泳ぐチョコレートグラミー 波間に浮かぶイエロー 溺れるスイミー 海になる の5編、どれを取っても遜色のない出来映えに唸ってしまう。

    先日読んだ 52ヘルツのクジラたち も素晴らしかったけど、個人的にはこちらに軍配を上げる。
    みんな何れも構成にしろ巧みな仕掛けにしろ極上です。

    それぞれの作品の素晴らしさは巻末の解説で全て言い尽くされているので、未読の皆さんは是非とも解説を先に読まないようにお願いします♪

    久しぶりの満点を付けました。

  • 読みやすいけど、なかなかヘビィな内容…

    普通じゃないっていうと大変失礼な言い方になりますが、それぞれヘビィな問題抱えてる方々のお話で。

    三話目まではすごく好きだったけど、四話と五話は、わたしにとっては、ちょっと暗すぎて、うーむ…と考えさせられる…

    最後の最後に、あ、良かったって、ほんのちょっぴりホッとしました。

  • 「女による女のためのR18文学賞」大賞受賞作にハズレなし!この文学賞出身作家とは相性がよく、なるべく追いかけるようにしているのだが、今回も評判通り素晴らしい作品であった。
    しんどい思いを抱えながらも、地方で足を踏ん張り生きていく人々を描いた連作短編集。地方の息苦しさ、煩わしさ。出ていきたいけど出ていけないジレンマ。そんな閉塞感を描いた作品はこれまでもあったけど、そこであがく人々の生き様の描写が鮮烈。各作品は魚がモチーフとなり、最終章の「海」に繋がる…その構成の巧さに舌を巻く。
    何よりも、大胆で度肝を抜く展開!読んでいて、思わず声が出そうになるほどの起承「転」結。その「転」からの「結」への持っていき方がとにかく切ないのだけど、町田さんの哀しみの昇華のさせ方がすごく好きだな。
    短編集だと、特にこれがお気に入りと言いたくなる作品がいつもあるのだが、今回は甲乙つけがたい…一番を選べないくらい5作品どれも好きなのである!正直、全体を覆う空気は重めなのだけれど、それでもページを捲るのを止められないくらい引き込まれる。
    生きることに悩み、迷う自分を肯定してくれるような…強くてしなやかでやさしい物語だ。

  •  ある小さな街で悩みながらも一歩前に踏み出していく人々を描いた連作短編集。

     一つ一つの物語自体読みごたえもあり、さらにそれぞれの物語に登場する人物がどこかでつながっていて、とても深い味わいのある作品でした。

     生きづらさを感じながらも、人とのつながりをもとに一歩を踏み出す決意をする人物たちに、強く共感を覚えました。

     どんなに苦しいことがあっても、それを乗り越えることができるのは、人とのつながりであり、出会いであるということを改めて感じました。

     そして、またこの物語のような本と出会えることも大切だと思いました。

     自分自身これまで本に救われたことがたくさんあったことを再認識しているところです。

  • めっちゃ良かった(´;ω;`)
    いろいろ生き方があるんだなぁ・・・

  • 『52ヘルツのクジラたち』で初めて読んだ町田そのこさん

    本書と今回読んだ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』も、すごく話題になっていて賞も取っているとのことで気になって読んでみました。

    独特な文体と世界観にとても引き込まれて、文学界で話題になるとはこのことなのかと素人ながらに感じました。

    ただ、本書の短編5篇に出てくる主人公たちの生きづらさと温かさに胸を打たれつつも、自分にはしっくりこないことが多く、共感しきれなかった…

    前作の『52ヘルツのクジラたち』もあまり馴染めなかった。

    良い悪いではなく、合う合わないの話なのだろうと思う。

  • 「女による女のためのR18文学賞」を受賞した「カメルーンの青い魚」を含む5編の連作短篇集

    5作ともに共通していることは
    小さな水槽の中で泳ぐ魚がもがき苦しみながらも「ここ」から抜け出し大きな海へと泳ぎ出そうとする。そんなお話でした。水槽とは 小さな町であったり 家族であったり 教室であったり。

    本作のタイトルともなっている
    「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」
    シングルマザーの母に育てられている啓太は中学2年生。同級生の近松晴子は ある理由から祖母に育てられている。冒頭の1文『夏休みに入るちょっと前、近松晴子が孵化した』がとても素敵。 教室でも影の薄かった晴子がイジメに立ち向かう様子を、魚の孵化する様を見守っているかのような啓太。また啓太も今いる水槽から飛び出すことに迷い悩んでいる。2人が夜の展望台でおにぎりを食べながら語り合うシーンがグッときた。

    5作目の「海になる」はとても好き
    何度かの流産をくり返し 赤ちゃんを望めないからだになってしまった桜子。その頃から夫の暴力が始まり心身共にボロボロになってしまう。『今日は私の誕生日で、とてもいい天気の日曜日だから、死ぬにはぴったりの日だなと思った』という冒頭から始まる物語。前半はとても辛い描写が続くけれど、ラストは どこまでも青い海が目の前に現れたようで、あたたかく晴れやかな気持ちになった。あの時のあの子がここで繋がってくるなんて 幸せな驚きも(*ˊ˘ˋ*)♡

    どんなに辛い時でも「この人がどこかで生きていてくれるから、自分も生きていける」と思える人がいる。
    そんな人に出会えるって奇跡だなぁ。



    今日エイプリルフールだから
    なんか嘘つこうと思ったのに
    忘れて 普通のレビューになってしまった
    ( ᐛ )ヘヘッ

    • ゆーき本さん
      だ、騙されてないし〜
      (;˙³˙)〜♪
      だ、騙されてないし〜
      (;˙³˙)〜♪
      2023/04/02
    • 土瓶さん
      (⌒▽⌒)カワイイ
      (⌒▽⌒)カワイイ
      2023/04/02
    • ゆーき本さん
      ( ˙³˙)トゥットゥル〜♪ ←調子に乗る笑
      ( ˙³˙)トゥットゥル〜♪ ←調子に乗る笑
      2023/04/02
  • 五つの短篇連作です。
    題名がどれもオシャレかつ粒玉のおはなしで、町田さんの人気が分かる気がしました。

    登場する女性たち(おんこもいる)の感情表現が何とも言えない不思議な感覚で伝わってきました。

    他の作品も読みたいと思うおじさんでした。

  • 町田そのこさんを少しずつ読み進めてますが
    どの作品も面白いです


    すぐに世界に入り込めます


    この作品は短編集
    連作短編ってことですが
    「溺れるスイミー」のつながりがわからなかった…


    誰か教えてください笑


    にしてもやっぱり長編が好きです。




    • じゃむさん
      宇崎くんがケンカした人がりゅうちゃんで、ケンカ中に止めに入った彼女のさっちゃんの前歯を殴ってしまったっていうつながりやと思います!
      宇崎くんがケンカした人がりゅうちゃんで、ケンカ中に止めに入った彼女のさっちゃんの前歯を殴ってしまったっていうつながりやと思います!
      2021/12/19
    • どんぐりさん
      コメントありがとうございます!!

      なるほど!!ここがつながりだったんですね!!
      知れてとても嬉しいです(^^)

      教えて下さりありがとうご...
      コメントありがとうございます!!

      なるほど!!ここがつながりだったんですね!!
      知れてとても嬉しいです(^^)

      教えて下さりありがとうございます(^^)
      2021/12/19
  • 町田そのこさんの作品を手に取るのは初めてです。
    『52ヘルツのクジラたち』が本屋大賞に選ばれたと聞き、読んでみたいなと思っていました。

    北関東の田舎町を舞台に、主人公の異なる5つの短編が含まれており、少しずつお話がリンクしています。

    それぞれの悩みや生きづらさを抱えた登場人物たちが、新しい出会いを通してちょっぴり前向きになっていく様子が素敵でした。

    「波間に浮かぶイエロー」を読んで山に登りたくなったし、「海になる」を読んで海に行きたくなっちゃいました。
    なかなか遠出ができないこのご時世ですが、、、なんだか自然とふれあいたいなぁ。
    ゆったりした空気感が漂う優しい小説でした。

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著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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