真珠夫人 下巻 新潮文庫 き 1-4

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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101028040

感想・レビュー・書評

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  • 純文学とするか、小説とするか迷った一冊。
    読み始めは、シドニー・シェルダンを思わせる単純な復讐劇かと思ったが、瑠璃子という、美しさと気品、そして心に使命を掲げた新しい女性の誕生を賛美する話だった。

    たまたま放送していた東海放送の昼ドラ版の真珠夫人を途中まで見ているが、荘田がもっとマゾ的で、荘田の出発が唐沢家の別荘番から戦時中の満州での女郎家経営からの成り上がり、さらにはそこの女郎あがりの妾が美奈子の母というもっと複雑な設定になっている。
    そして、恋人の直也は海外に放浪せず、瑠璃子の結構なそばにいる。。。
    そして、ドラマの瑠璃子の方が弱い。

    原作の瑠璃子の方が、強くあろうと葛藤する様子も味わえ、書籍の方が含蓄深いヒロインとなっている。

    ゲスの芸能人がどうなろうと知ったことじゃないが、週刊文春の元となる会社は、小説やジャーナリズムを考察したきっちりした人物が創業したもので、擁護すべき出版社の一つである!
    神戸の残虐な事件の犯人も、欠陥のある法律のため、名前を変える事が許されているが、時々その所在を暴き出してくれたりもする。さらに、大手マスコミが日本人でない職員を多く雇い、C国などと仲悪くなっても、本当は日本人が好きなんですというC人が放送されたり、芸能人が被害者のセクハラなどどうでもいいニュースばかりを流すよう操作されているのを感じるので、リアルな情報を流す意味で、週刊誌を保護する必要性を最近感じている。

    菊池寛氏が存命だったら、今の批判とを日本のジャーナリズムに一石を投じて、是正してくれるだろうか。

  • 081001(m 081023)
    100204(m 不明)

  • 美奈子さん出てきた辺りから、面白かったわ・・・

  •  下巻は上巻の続きから結末までが書かれてます(←当たり前)。下巻の見所は文学談義のシーンですね。菊池寛が信一郎に自分の文学観を語らせているところはとても興味深いです。

  • 20070121

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著者プロフィール

1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

「2023年 『芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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