- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101029627
作品紹介・あらすじ
20XX年平壌でクーデターが勃発、北朝鮮軍部はムスダンリからミサイル発射を企んでいた。米国は自国保護のためピンポイント爆撃へと動き出す。だがその標的近くで日本人拉致被害者6名が生存していることが発覚。日本政府は邦人奪還のため自衛隊特殊部隊の投入を決断するが……。海上自衛隊特別警備隊の創設者が、政府の動きや作戦行動を完全シミュレーション。驚愕のドキュメントノベル。
感想・レビュー・書評
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北朝鮮の拉致された日本人を自衛隊が救出に行く。海上自衛隊特別警備隊の創設者という作者が書くストーリーはリアルな感じがして当然と言えば当然か、全く実際を知らない自分にはそれを評価することはできないが。
純粋に小説として面白かったかと言えば、それほどでもない感じなのはリアルに過ぎるからだろう。自衛隊特殊部隊の任務遂行、国のトップで最高責任者の総理とその周りの頼りない政治家、こんな話を面白がるようでは行けないと自省すら起こるし、他の誰にも勧めない、もう一度読むことはない。自国を思う自分に少し自己嫌悪にすらなる小説はあまり嬉しくはないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自衛隊特殊部隊の創設に関わったという著者が放つドキュメントノベル。
さすが臨場感に溢れ、迫力満点。
北朝鮮でクーデターが起き、日本人拉致被害者が生存しているという情報を得、海自の特別警備隊が奪還に向かう。
政治家や制服組の懸念にもかかわらず、警備隊らは奪還を強行する。
事前情報とは異なる状況に、多大な犠牲を払うことになるが、その一連の出来事の背景にはアメリカのある陰謀があったとは。
複層的に外交政治を絡ませ、単なる奪還劇に終わらせず、読み応えがある。
「日本人は、一旦愛国心に火が付くと右も左もなくなる」という、ある人物の言葉は心に留めておかねば。
また、「自衛官は、捕虜にならない。なれないんだよ。日本の軍隊はないと憲法で宣言しているよな。だから軍人は存在しない。軍人じゃない人間は捕虜になれない。ジュネーブ条約だの何だので規定してある捕虜の権利は一切認められない。それが自衛官だ」は、元自衛官の著者の体験から出た言葉だろう。自衛隊の特殊な立場を感じられずにいられない。 -
実話ではないが、作者は自衛隊出身なので、かなりリアルに日本の自衛隊や海上保安庁について書かれていたのではないかと思う。
ハラハラドキドキもしたが、軍隊ではないことが前提の自衛隊はいろいろな矛盾をはらんでいて物事を複雑にしているということがわかった。 -
日本て『現場は超一流』『政治はニ流以下』です。
いつも日本を守ってくれている自衛隊に感謝です。
現実には本書のような『行動』が出来るのかは知識がありませんが、いまの日本て「外交」がサッパリなのでますます自衛隊への負担が増すばかりだと思いました。
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全てではないが海上自衛隊特警隊の小隊長・藤井3佐に仮託した著者の思いは理解できる。魚釣島での事案をプロローグに、特殊部隊の運用が説明される。政府の思惑、自衛隊高級幹部や幕僚長の能力、現場で身体を張る自衛官の思いが複雑に絡み合う構成だ。しかし、伏線が張られ(問題提起され)ても、それを回収しないモヤモヤ感が残った。巻末のかわぐちかいじ氏と著者の対談も、なんだかかわぐち作品の宣伝のように感じてしまった。
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国のためならば、命を捨てても任務を果たそうとすることができる人がこの日本にはいる、そういう人たちが報われるための、行かせる側の覚悟が欲しいという、氏の「国のために死ねるか」から通底する思いが、本書でも綴られているのだと思う。
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何だかありそうな話で色々と考えさせられる作品でした。自衛隊の方々には常日ごろから頭が下がる思いです。
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元自衛隊特殊部隊の著者が書いたドキュメントノベル。弱腰の政治家を活写しながら、戦闘シーンも適確でとても楽しめた。
著者プロフィール
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