- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101030517
作品紹介・あらすじ
煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈禱師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。
感想・レビュー・書評
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著者、宇能鴻一郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
---引用開始
宇能 鴻一郎(うの こういちろう、1934年7月25日 -)は、北海道札幌市出身の小説家、官能小説家、推理作家。本名鵜野 廣澄(うの ひろずみ)。下の名前を音読みした「ウノコウチョウ」をもじったペンネームであり、同人誌時代には「宇野興長」の筆名も用いていた。嵯峨島 昭(さがしま あきら)名義で推理小説も執筆している。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈禱師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。
---引用終了
宇能鴻一郎さんというと、官能小説専門の作家というイメージしかないのですが、官能小説を書く以前は、純文学作家だったようですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の中の拒否反応が凄いけど、それだけで切り捨てられない魅力というか魔力あり。
しかし最終的に思ったのは、著者は大柄な女性がタイプなのかな?という事と、女性の足フェチなのかな?という事。
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★4.5「花魁小桜の足」
終わり方がいい!
★4.0「姫君を喰う話」「鯨神」
★3.5「西洋祈りの女」「ズロース挽歌」「リソペディオンの呪い」 -
淫美で奇怪で強力な短編集。読み終わった後もじわじわと感情を揺さぶられた。
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「姫君を喰う話 宇野皇鴻一郎傑作短編集 宇野鴻一郎 新潮文庫 2021年」卒読。題名の短編だけ読んだ。食と性欲についておぞましく書いてある話。膣と肛門に親指と人差し指を入れて内臓の厚みについて書いてあるところが妙に鮮明に脳裏に焼きついた。篠田節子の解説で少し落ち着いた。
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食と性に焦点を置かれた話が多い印象。
官能的と強調されているせいか、普通のこともなんだか少し官能的に見えてくる。
脚に焦点が置いている表現が多いのも印象的。語彙力の高さは舌を巻くものがあるが、本を読む瞬間のない人間が読んだら退屈そうな内容にも感じられた。
歴史小説を読んでいるような感覚にもなるし、男向けの作品のようにも感じられる。
面白いとは思うが、あくまで読書好きならば、という言葉が付随しそう。
解説→気になる話を読むの順番が個人的にはおすすめ。 -
しょーもないことを、流麗な文体で丁寧に描いた作品集。題材は谷崎潤一郎に似ているが、なぜか谷崎ほど官能的な感じはない(私にとっては、ということかもしれない)。
鯨神は、なかなか読み応えがあった。 -
筆力は重厚で迫力がある。特に表題作や『ズロース挽歌』など男の性倒錯・変態性を描いた話は本人もノリノリの為凄まじい出来栄えだった。
ただ、そういった作品とその他で露骨なバラつきがあり、得手不得手を感じた。 -
初めて宇能鴻一郎をちゃんと読みました。川上宗薫と並ぶ官能小説の大家として名前は知ってましたが、たかがエロ小説家となめきってました。でもたぶん、凄い作家です。知りませんでした。国文学や土俗習俗の知識、ストーリー構成の無駄の無さ、絶妙な文章表現と漂う無常感。何だよもっと早く言ってくれよ、めっちゃ文学じゃん。
収録6作品全て秀作ながら、特に表題作「姫君を喰う話」と「花魁小桜の足」「西洋祈りの女」は良かったです。
ただ、2021年5月付のあとがきのようなエッセイのような雑文は寄る年波を感じさせられて蛇足(この本読んだ後だと蛇足が変な言葉に見えてくる)。
著者プロフィール
宇能鴻一郎の作品





