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本 ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784101030715
作品紹介・あらすじ
それでも、人生は生きるに値する。彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられる。大学を卒業後、絵本の編集者となり、皇后美智子様の講演録『橋をかける』を出版。だが、華々しい成功の陰には、幾多の悲しみがあった。夫の突然死、息子の難病と障害、そして移住した岩手での震災……。どんな困難に遭っても、運命から逃げずに歩み続ける、強くしなやかな自伝エッセイ。
感想・レビュー・書評
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彫刻家を父に持ちクリスチャンとして本や芸術に寄り添う著者。
特にドイツの子供達が絵本を必要としている、その活動の意図もさることながら、かつては敵国だったくにからの協力拒否に対し『二度と戦争のない世界の為にドイツの子供達に絵本が必要なのだ』と伝え賛同してもらう。
言葉や働きかけ、目的は一緒でも受け側の気持ちが動く話し方は著者でなければなし得なかったのではと思う。
とてもステキな話だ。
美智子皇后との出会いも著者に大きな励みを与えたのだろう。
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児童書というキーワードで探してたどり着いた本。末盛さんの家族に起こった様々な困難な出来事に、末盛さんが、希望を失わずに立ち向かっていく人生を描いたエッセイ
私が特に印象に残った箇所は、子どもが、困難に出会った時にどんな気持ちでそれを乗り越えたのかというところだった。
1つ目
様々な困難の1つの、
息子たちがまだ6歳と8?9歳という時に夫の末盛氏が突然死で亡くなってしまうという事件。6歳の次男は、「僕のパパなのに」と言って泣き、長男はゲンコツを握りしめてそのゲンコツで涙を拭っていたとのこと。次男は、テレビのディレクターをしていた父親の最後の仕事で出来上がった番組を見ようと集まった人の前で「絶対に見ない」とトイレに隠れたという。そして、兄弟2人で、「ママは僕たちが寝た後、パパと電話で話をしているんだよな、絶対そうだよな」と話し合っていたとのこと。また、数ヶ月後に、長男がポツリと「あの朝、パパが気持ちが悪いと言った時に、病院に運んでいれば、助かったかもしれない」と。
などなど、子供達の言葉が本当に切ない。
けれど、千枝子さんは、その後も、「新しい人生を美しく幸福なものにするために、」その時々に自分に与えられた使命を果たして、前向きに生きていく。
2つ目
岩手の津波被害にあった地区に絵本の読み聞かせに行った際、絵本を読みはじめても俯いたまま顔を上げられなかった2歳くらいの女の子の話。お母さんが震災後、何日間か、離れ離れになってしまって会えていなかったと。
子どもには、それはそれは辛い日々だっただろう。
3つ目
盛岡少年刑務所に立っている「高村光太郎」の石碑の言葉。「心はいつでも新しく」
何があったとしても、心は自分のもの。新しくしとけばいいってことなのだと思う。 -
おにクル
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ふむ
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268672
著者プロフィール
末盛千枝子の作品





