鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース (新潮文庫)

  • 新潮社 (2021年2月27日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784101033167

作品紹介・あらすじ

その朝、最高の幸せと最悪の不幸が少女を見舞った。枕元にあったのは、期待もしていなかった初めてのクリスマスプレゼント。だが信じがたい事件も起きていた。別の部屋で母が殺されていたのだ。家にはすべて内鍵が掛けられ、外から入れるとしたらサンタくらいだった。周辺で頻発していた怪現象と二重三重の謎。京都を舞台に、若き御手洗潔が解き明かす意外な真相と人間ドラマ。心温まる名編。

感想・レビュー・書評

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  • 今作は、なかなか早めにトリックが読めた充実感!

    で、読み進めるとトリックが解けたことなど飛んてしまうくらいにラストの感動。伏線やその前の諸々があったとはいえたった2、3ページの展開であれだけ読者の心を鷲掴み。人間のきれいな愛情を見た気がする。

  • 「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」と同じく、薄幸な子供+クリスマス。
    「御手洗潔と進々堂珈琲」と同じ、京都時代の御手洗+サトル少年のタッグ(というかひとまず語り手に据えただけで、一緒に活躍したりはしない)。
    冒頭で幻想的な謎の提示、それをロジックで解決、という本格ミステリの作法に則ってはいるし、途中に時代が遡り視点人物もスイッチし歴史(都市論)を語るという、コナン・ドイル由来と思われる島田荘司的構成もしっかりしているし、まあいつもの御大なのだが。
    うーん……短編を引き延ばしたという成立過程そのまんまで、短編が引き延ばされた感じしかしない。
    また、確かに子供や弱者への優しさに、ぐっとくる箇所もあるけど、じゃあロジックよりも泣けるほうがいいんか、と感じてしまう。
    そりゃ「暗闇坂の人喰いの木」「眩暈」「摩天楼の怪人」レベルの骨太を期待すなと言われればその通りだけどさ。
    今後も読むけど。好きだから。
    ※オリンピックが終わった年のクリスマスに読んだのは偶然。

  • 私はとてもいい作品だと思いました。

    市井で暮らす弱き人々への優しい眼差しが
    感じられる作品で、
    「奇想、天を動かす」を彷彿とさせるものがありました。

  • トリックはもちろんだが、人間模様が刺さる作品。

  • 冒頭が謎すぎて、どんな畳み方をするのかと思ったが、なるほど。結局幻覚オチかーとやや残念。そこに至るまでの理論は大変面白かった。京都の立地が大体わかってるのもあって、想像しやすい。そしてとても切なくていい話。

  • 再読

  • 京都、鳥居といった純和風な舞台で、サンタクロースというアンマッチな題材を持ってきたのが意外とよかった。

    再会のシーンは涙が出ちゃった。
    推理物というより、ヒューマンドラマとして楽しめた。

  • 初島田荘司。
    ミステリうんぬんというより、人生ドラマ。状況はイメージしにくかったが、ドラマチックで面白い。

  • 島田荘司のトリックの世界はやっぱり癖になる。

  • その朝、最高の幸せと最悪の不幸が少女を見舞った。枕元にあったのは、期待もしていなかった初めてのクリスマスプレゼント。だが信じがたい事件も起きていた。別の部屋で母が殺されていたのだ。家にはすべて内鍵が掛けられ、外から入れるとしたらサンタくらいだった。周辺で頻発していた怪現象と二重三重の謎。京都を舞台に、若き御手洗潔が解く意外な真相と人間ドラマ。心温まるミステリー。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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