黒い雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.62
  • (186)
  • (218)
  • (421)
  • (36)
  • (8)
本棚登録 : 2545
レビュー : 255
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101034065

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • タイトル*黒い雨
    著者*井伏鱒二
    出版社*新潮社

    一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島--罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、一被爆者と”黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被曝という世紀の体験を日常性の中に文学として定着させた記念碑的名作。
    (あらすじより)

  • 読むのがつらかった。人間の尊厳がこうも蹂躙されていいのか…。途中の、『いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい。』という言葉が印象に残った。

  • 2018.03.16

  • 文学としても原爆小説としても読んでおきたい、読むべき作品だ。

  • 戦争の悲惨さを訴えた作品は多い。
    その数ある作品の中で、一番印象的だったものが「黒い雨」
    中学生の時に初めて読み、その後映画化されて再び物語を
    聞くことに。
    原爆の恐ろしさと凄惨さは、唯一の被爆国である日本にしかわからないこと。
    この作品を通じて、忘れてはいけない日本の歴史を後世に伝えていくことができると思う。

  • 原爆投下された地に生きる人々は本当に辛かったろうと思う。
    同じ女性としてたくさんの苦労があったと思う。
    ナイチンゲールと呼ばれていた一般女性を尊敬する。
    来年は広島を訪ねたいと思う。

  • 今更ながら戦争は悲しい終末にしかならない、何人がこの本を読んできたのだろうか、積み重ねてきた人数が平和につながると思う

  • 丁寧で克明な描写で“日常性のうちに原爆の雨を降らせた(p397)”原爆小説です。原爆により死傷した人たちの状況など、残虐で痛くて目をおおいたくなる描写も多く、読むのがつらかったです。

    物語中で牛罐を食べる場面があるのですが、牛肉の描写を読んでいると私まで唾液が出てきそうでした。罐詰の牛肉を食べているその一瞬だけは、恐ろしい被爆体験の中でも幸せを感じるようでした。

    原爆体験が冷静に淡々と綴られていますが、実際の状況を頭の中で想像すると、恐ろしくなります。戦争の悲惨さを感じ、平和を望む気持ちが強くなりました。

  • 私には少し難しい本だった。

    広島に原爆が落とされてから終戦までをリアルに描いている。これほどのリアリティーのある戦争小説は読んだことがなかった。
    原爆がもたらした過酷な現実、原爆直後の広島の様子、当時の食生活等が丁寧に描かれている。

    あまりのリアルさに目を背けたくなる場面もいくつかあった。

    読書感想文には最適。この時代、色々考えさせられる一冊。

  • 戦争と核使用の是非を考えるうえで、読むに値する一冊。
    広島に原爆が落とされた日前後に、主人公の閑間重松とその妻シズ子、姪で養女の矢須子が見たり、聞いたりしたことが、日記の清書をする行為の中で、淡々と描かれている。私は神戸市民であり、阪神淡路大震災の時にビルが無惨なまでに崩れ落ちている姿を見てショックを受けた経験や、不自由な生活を強いられた経験を持っているので、被爆後のまちの様子を描写した箇所をより生々しく感じ取ることができたように思う。
    原爆投下という大惨事に遭遇した広島の人々が、兎にも角にも日々精一杯生き抜いていく姿が描写されており、人間の持つ生命力の強さを感じさせてくれる。原爆投下直後は、落とされたものがどういう性質のものか知らされていなかったため、近親者の安全確認などのために動き回ったことでより被害を深刻化させ、それがこの物語の登場人物にも暗い影を落とす。
    当時の広島に住む人の生活や暮らしぶりが描かれている箇所は、興味深い内容だ。特に、当時の食糧事情、食事内容が描かれている箇所は興味を引いた。また、岩竹医師の闘病に関する手記も印象深い。「必ず、生きる」という気持ちが大事なのだ。

全255件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

本名・満寿二。一八九八年(明治三十一)、広島県に生まれる。早稲田大学、日本美術学校を中退。一九二九年(昭和四)「山椒魚」「屋根の上のサワン」で文壇に認められる。三八年(昭和十三)、「ジョン万次郎漂流記」により直木賞を受賞。「鯉」「さざなみ軍記」「多甚古村」「丹下氏邸」「本日休診」(読売文学賞)「遙拝隊長」「集金旅行」「漂民宇三郎」(芸術院賞)「武州鉢形城」「黒い雨」(野間文芸賞)などの小説の他、詩集や随筆・紀行も数多い。六六年(昭和四十一)、文化勲章受章。九三年(平成五)没。

「2018年 『太宰治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒い雨 (新潮文庫)のその他の作品

黒い雨(新潮文庫) Kindle版 黒い雨(新潮文庫) 井伏鱒二
黒い雨 単行本 黒い雨 井伏鱒二
黒い雨 単行本 黒い雨 井伏鱒二

井伏鱒二の作品

ツイートする