さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101034072

作品紹介・あらすじ

都を落ちのびて瀬戸内海を転戦する平家一門の衰亡を、戦陣にあって心身ともに成長して行くなま若い公達の日記形式で描出した「さざなみ軍記」。土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。他にSFタイムスリップ小説の先駆とも言うべき「二つの話」を収める著者会心の歴史名作集。

感想・レビュー・書評

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  • ジョン万次郎漂流記、のみ読了。一度は、まとまってジョン万次郎のことを読んでみたいと思ってたので。漁に出て漂流、アメリカの捕鯨船に救われ、船員としての仕事、英語を覚え、アメリカ本土で教育を受ける機会に恵まれ、苦心惨憺し、日本へ帰還。幕末の動乱の中で、英語とアメリカ事情に明るいものとして登用され活躍した、と。帰ってきてから、明治を生きたあたりは、さらりと描かれていたので、その辺を詳しく書いたものも読みたい、と思った。

  • これは純粋に「ジョン万次郎ってスゲェ!」と思った。
    国語の教科書に載せればいいのにな。

  •  この小説は、「さざなみ軍記」「ジョン万次郎漂流記」「二つの話」の三作品が収録されています。
     「さざなみ軍記」は、平安時代末期から鎌倉時代初期と言いますが、前夜までを平家の某と言う主人公からこの時代を語っています。
     「ジョン万次郎漂流記」は、日本史でも少し習っている当時の漁民の一人が漂流して帰国した話です。
     「二つの話」は、新井白石の時代の話です。

  • 確か『黒い雨』でも感じたが、この作家の特徴は見た目はシンプル、意図が濃密に詰まっているところか。
    表題作二作ともに、パーツは淡淡としているのだが、退屈させることなく、かつ、主張をさりげなく刷り込んでくる。書かれた時代背景を考えれば、この作家の反骨心と才に一目を置かずにはいられない。

  • ジョン万次郎だけ読んだ。
    ストーリーを通り一遍だけなぞってる。
    これで直木賞がよく取れたもんだ。

  • 良い本は、新旧関係無い。

  • 「ジョン万次郎漂流記」.そっけないくらいの淡々とした文章で,偶然と時代の流れによって大きく変わってしまった一人の男の人生が語られる.帰国後,幕末から維新にかけての大活躍は,一見したところ,成功した人生にも見えるのだけれど,私には彼の身の丈にあった生き方ではなかったように思えてならなかった.

    「さざなみ軍記」.西国に落ちていく,平家の若侍の手記の形をとった小説.読んでいて,気持ちが塞いだ.こちらは星2つ.

  • 土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。

    「黒い雨」もそうだったが、井伏鱒二の小説はノンフィクション風で、気が付くと引き込まれて読んでいる。ジョン万次郎とともに漂流し、ハワイに漂着した者が他に4人もいたこと、日本に帰国したのは万次郎を含め3人だったこと、万次郎が明治31年(享年72歳)まで生きたことなど、この本を読むまで知らなかったことが多かった。

  • どちらも、淡々と書かれている。面白かった。

    作者の感情は隠されていて、でもどこかしら意欲的な感じを受ける。

  • 平家ものだというので、読んでみました。

    教科書の山椒魚以来の井伏鱒二です。



    さざなみ軍記・・・ネタばれになります。


    某平家の公達の日記形式です。
    だいたい都落ちから一の谷後まで。

    主人公の公達の名前は明かされませんが、
    父が新中納言で十六歳、武蔵守ということで、平知章です。


    小隊を預かり、若年ながら、軍を率いて成長する様子が、描かれています。
    六波羅を懐かしんだり、逃げたいと思う気持ちも見え隠れしつつ。

    精一杯背伸びしていたんだと思います。



    が、言葉選びが難解で、読みにくい。
    時代がかってるんですが、それが、
    平安を現代語訳した雰囲気を出しているのか、昭和風なのかよくわかりませんが、どっちにしろ、難解。
    感情移入はし辛い。


    ついでに、新中納言だの、三位中将だの、能登守だの、平家の皆さんの呼称はみんな
    官位なので、誰が誰が知ってないとわからない不親切設定。
    官位呼びはまぁ、当然なのですが、系図とか、最初についててほしかった。
    ちょっと、誰が誰かわかるように学ぼうと思いました。


    最後にオチ。
    なんか!え?ここで?ってところで、うやむやに終わります。
    一の谷で打たれる史実を踏まえて、次の日の戦で死ぬってところでぶつ切れるならわかるんですが、
    史実に反して、生き延びてるんですよ。この知章は。
    なのに、中途半端に怪我して、代筆させてすやすや眠ってるって。
    そこで終わり!?
    消化不良だわ。この、生き延びちゃった後どうするよ。

    むしろ、くっついてるジョン万次郎の方が面白かったです。個人的に。

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著者プロフィール

本名・満寿二。一八九八年(明治三十一)、広島県に生まれる。早稲田大学、日本美術学校を中退。一九二九年(昭和四)「山椒魚」「屋根の上のサワン」で文壇に認められる。三八年(昭和十三)、「ジョン万次郎漂流記」により直木賞を受賞。「鯉」「さざなみ軍記」「多甚古村」「丹下氏邸」「本日休診」(読売文学賞)「遙拝隊長」「集金旅行」「漂民宇三郎」(芸術院賞)「武州鉢形城」「黒い雨」(野間文芸賞)などの小説の他、詩集や随筆・紀行も数多い。六六年(昭和四十一)、文化勲章受章。九三年(平成五)没。

「2018年 『太宰治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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