- 本 ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101034812
作品紹介・あらすじ
私があなたを、檻から助け出す。どんなことをしてでも、必ず――。幼い私を守った銃弾が、あなたからお母さんを奪った。あの日から、あなたの声が聞こえる。「ここからだして、かえりたい」。人生のすべてを懸け、血のにじむ努力を重ね、ついにあなたのそばに辿り着いた雨子は、その唯一つの願いを叶えられるのか。真っ直ぐな想いに言葉にできない熱い涙がこみ上げる。少女(あたし)と子熊(あなた)の、愛の物語。
感想・レビュー・書評
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「誰かを本気で救いたいなら、大切なものを捨てなきゃいけないよ。」
自分のせいで子グマ(あなた)のお母さんが殺されてしまった罪悪感から本気で人生を懸けてあなたを救おうとするお話。
そんなことまでしちゃうの!?ってぐらい普通の人間からしたらあり得ないことまでやってのける主人公にびっくりしますが、〝普通〟っていう誰が考えたかわからない基準で生きる大人たちが嫌いな雨子にとっては、自分のやってることが正しいと思ってるんだなあって思うと冷静に読めました
本当にやることがぶっ飛んでますが、最後までサラッと読める作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み終わった時、なぜか絶望という言葉が浮かんだ。誰にとって正しくて、誰にとって正しくないのか。
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動物園にいる動物たちは、幸せなのか?檻の中に閉じ込めておくことは可愛そうと思うのは人間の単なるエゴではないのか…読みながら動物園の存在意義を思わず考えてしまった。本作の「あなた」は本当に檻から出たいのか疑問に感じながら読み進めていったが、結果的に山に帰ったということは、このあなたは外に出たかった。主人公の雨子とあなたが会話するシーンは、ずっと雨子の思い込みなのではと思いながら読んだ。
あなたを連れ出して、仙台から北海道に移動するシーンはハラハラした。特に警察官に話しかけられるシーン…結果的にトナカイの角が救ってくれることになるなんて。 -
執念なのか呪いなのか。
少女を突き動かす後悔の十四年。
愛情の書き方がとてもよかった。
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動物と関わる、個性豊かな人たち。
大好きな本
著者プロフィール
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