牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035024

感想・レビュー・書評

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  • 現代あまり広く読まれない作家だけど、読めば読むほど面白い。
    「春の鳥」好きだ。

  • 国木田独歩は決して上手い作家ではない。
    息の詰まるような結末が待っているわけでもなく、目の覚めるような名文に出くわすこともない。「えっ、これで終わり?」なんて中途半端な終わり方をする短編だって結構ある。繰り返しになるが、構造的にも装飾的にも、国木田独歩は決して文章の上手い作家ではない。

    それでもひとつひとつの短編を読み終えたあとのよく分からないうら寂しさは、ちょっと他の作家にはないものだと思う。なんだか不思議な感覚。

    こういうのって狙って出来るものではなくて、天然とでも言えばいいのか、作家自身の人間性が反映されたものなんだろうなあ。文章の巧拙を超えた部分で。

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  • 何処かに必ず独歩が出てくるので、臨場感があり、また自然に対しても人に対しても、愛情も愛嬌も満ち溢れている著者に大変癒されました。
    中には寂しい話もあり、読み終わりに近づくにつれて、だんだんこの本とのお別れが惜しくなるので、買うことをお勧めしたいです。
    また、色々な知識がたくさん詰まっていて、大変勉強にもなりました。
    読んでいて温かい気持ちになり、また学べる文豪だと思います。
    文豪慣れしてない方にも、この本はお勧め。
    どうしても堅苦しくなりがちな文豪ですが、本人が出てくることによりエッセイ的な感覚で手に取りやすいかとも思います。
    国木田独歩は二冊しか出ていないのが、残念で、また寂しくもあります。

  • グッとくるのと来ないのとあった。考えさせられるものとよくわからないまま終わるのとあった。高等教育、IT革命、グローバル社会の到来と50年前から大きく時代は進んでも、生きにくい世の中なのはいつでも同じなんだなぁ。

  • 独歩の作品は、時代もあるだろうが、死が身近にあるのだなあ、と思った。以前読んだ時にあまり感じなかった『牛肉と馬鈴薯』は後半とても良い。『岡本の手帳』とあわせて一つのお話になる。『酒中日記』『竹の木戸』は、生活に追われる余り、生き延びることを忘れる現代と何が違うのかと思って切なかった。『渚』は、『独歩病床録』(未収録)を読んでいると未完で、もっと沢山書きたかった話の欠片なのだと知れて勿体無く思った。

  • 6月23日『獨歩忌』この一冊

  • 小説としての構成や技巧が自然主義的リアリズムの手前で、登場人物間の会話の珍妙な感じが不思議な味わい。

    自然主義的、さらには白樺派的な感性などに繋がる部分があり、その後の近代文学全盛期を準備しつつ、でも、透谷なんかともつながる部分もあるな…といった感じで、過去の遺産ともしっかり繋がっている。こう考えると、近代文学でやはり重要なポジションの作家だなと改めて実感。

    悲惨な展開を含んだ小説は、意外と柳浪なんかも思い出させますね。これはちょっとした発見でした。

  • 「現実とは辛いものに他ならないのか」

    同好の士が集まる酒の席で語られた岡本の切なる願いとは―表題作「牛肉と馬鈴薯」、馬島で教員を務める大河今蔵が酒の力を借りて綴る衝撃の過去「酒中日記」ほか「死」「巡査」「富岡先生」「少年の悲哀」「空知川の岸辺」「運命論者」「春の鳥」「岡本の手帳」「号外」「疲労」「窮死」「渚」「竹の木戸」「二老人」収録。

    タイトルからはあまり想像できなかったのだが、この短編集ではよく人が死ぬ。例えば表題作「酒中日記」では兵隊に入れあげた母に始終金を無心される今蔵。満足な金額がとれないことを知ると母はついに彼が預かっていた他人の金にまで手をつける。母を問い詰めながらも、結局そのことは胸におさめ、母に取られた金を工面するために、今蔵自身も落し物の集金かばんに入っていた金を使いこんでしまう。夫の罪を知った妻は思い余って幼い子供とともに…。

    「竹の木戸」も他人の家の庭先に間借りする貧しい職人夫婦。生活の苦しさから大家である家から密かに炭を盗み出した妻だったが、稼ぎの少ないことを問い詰めた結果夫が一俵の炭を盗んで持ってきたことに気づいたとき、自ら梁に紐をかけ…。死の代価が、百円の現金であり一俵の炭であり。そんなことのためにとも思う。しかも自死である。

    独歩は後年日本における自然主義文学の旗手であったという。自然主義文学がどういうものかよく知らなかったのだが、19世紀フランスのエミール・ゾラが提唱したもので「自然の事実を観察し、「真実」を描くために、あらゆる美化を否定する」文学だそうだ。そうとは知らず読んだゾラの「居酒屋」の感想をひっくりかえしてみたら、「一人の女の半生を夢物語ではなく描ききった」とあった。思えばこれも相当に悲惨な話だった。

    結核という病を得て死と背中合わせであった独歩の見つめた真実もやはり夢物語ではない。あらゆる美化を否定し、直視する現実とはこんな風に辛いものでしかなかったのだろうか。

  • 「酒中日記」読みました。

    酒を呑んで書くと、少々手がふるえて困る、然し酒を呑まないで書くと心がふるえるかも知れない。「ああ気の弱い男!」何処に自分が変っている、やはりこれが自分の本音だろう。

    …震えている手が、呑めばピタリと止まる、てのがありがちだと思うんですが。依存症ではないんだろうなこの人。

    • redstartistさん
      依存症じゃないのに呑まないではいられないってところに悲惨さを感じますよね。運命論者もそうですけど
      依存症じゃないのに呑まないではいられないってところに悲惨さを感じますよね。運命論者もそうですけど
      2012/10/08
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