正しく生きるとはどういうことか (新潮文庫)

  • 新潮社 (2007年5月29日発売)
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035239

感想・レビュー・書評

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  • オイラの命やカラダは自分のものだと思っていたけどそうじゃないらしい。池田氏は所有権を
    ①自分の労働によって手に入れた無生物
    ②自分の所有物に自分の労働や財を注ぎ込んだ物
    ③自分の労働と交換した物
    ④他人との自由な取引によって得た物
    と定義する。だから自分の所有物でない臓器を他人に与えてはいけないと。そもそも自分の命は自分にとっては至上のものであるけれど、他人からするとゴミ以下の価値しかないだろうと。後者は理解できたが、臓器移植に関してはちょっとわからなかった。自分の所有物でないカラダに美容整形したりタトゥーしたりは当たり前になっている。これもダメ?
    でも、オイラとしてはズレてるかもしれないが一つの根拠をもらった気がした。オイラは「自殺」が嫌いだ。「自殺する人」が嫌いなんじゃなくて行為そのもの。いろんな理由やそうせざるを得ない事情があるのだろう。池田氏の自分の命やカラダは自分の所有物じゃないという考え方はこの部分において賛成だ。だから生きることから自ら降りる行為は嫌だし悲しい。ずっと小さな子どものようにいろんなことに興味や関心をもって毎日いろんな発見をしていたいなと思う。空の青さや木々の緑を見て、「今日も幸せだな」って。死んじゃうその日まではそうありたい。

  • 規範には人生目標を決めたり生活を律したりすることと、他人との関係を調整することがある。
    大学は全部民営化すればよい。
    大学に入学して何をするかは、学生の好みの問題である。
    人は目的や目標を立てて、それを達成することができたとき、大きな満足感を感じる。
    学問は生涯をかけるに値するもの。学問や科学を商売にしようと思うなら市場価値を持たなければならない。

  • 知性と教養を感じる。
    善く生きることと正しく生きることは異なる。
    個人の欲ではなく、社会の中で、どのように生きいていくのか、という視点を大切にしたい。

  • 39252

  • 難しかった。
    専門用語、池田さんの解釈がわかりにくかった。

  • 相変わらずの池田節で、それについては満足。前半と後半で多少くどい気もしたけど、それだけ力を入れて説きたい内容ってことか。

  • 池田さんや養老さんが死から考えるのは、多くの虫たちを自らの欲望によって殺してきたという深い自覚からなのだろうと思った。

    あたりまえだけど、素直に生きるって欲望に忠実なんだよな…

    それって業(カルマ)?
    でも、まっ いいか。

    Mahalo

  • 物事の本質が分かっている人は、結構過激なことを言う人が多いが
    池田先生もそうだ。

    表現の上っ面だけしか読み取ることのできないオバカさんは
    この本を嫌うかもしれない。

    しかし、過激なことを言う人は、相手に気づきを与えたくて
    あえて過激な発言をすることが多いと思う。

    この本をじっくり読んで、自分というものを確立すれば
    何があっても、すぐにカッとなったりしないで冷静沈着でいられる
    ようになると思う。

    養老先生とかスマナサーラさんとかの本を嫌いでない人は
    この本もお気に入りになることは間違いありません。

  • 大学時代に読んでた本
    「規範はフィクションであるという事を承知して、なおかつなるべく規範を守ろうと努力し、くるしくなったら規範を変更することをいとわず、いざというときは、規範を破ってエクスタシーを感じよう。」
    この一文の内容が心に浮かんできたので大学時代のメモをあさって、タイトルを探し出して、再読。

    社会にでてから読むと、その時ひっかかった言葉とは違う言葉がひっかかっておもしろい。
    この人の考え方すきだなぁ。


    あと「欠如感が大きければ大きいほど、それが埋まったときの幸福の程度も大きいのである。」この考え方も共感。

    なので目標たてて、規範を造り、善く生きようと思います。

  • 著者の意見が強く極端なのと、文章に括弧が多いのとで、
    読み始めて暫くは、あんまり好きじゃないかも。。。と思ったけれど、
    読むうちに、彼の虜になってしまった。

    「道徳」キライな彼の言いたい重要なことは、コレ。
    「人々が自分の欲望を解放する自由(これを恣意性の権利と呼ぼう)は、
    他人の恣意性の権利を不可避に侵害しない限り、保護されねばならない。
    但し、恣意性の権利は能動的なものに限られる。」


    人は、自分以外を愛したとき、自分のことも愛してほしいと思うだろう。
    自分が愛した相手が自分のことも愛してくれれば、それは多分すごくすごく
    ハッピッピーなことなんだろうけど、それは当たり前なんかじゃない。


    もし、それが叶わなかった場合には、相手を憎んだり、
    「何で私のこと好きになってくれないのよっ(><)」となってしまうだろうけど
    それでは「善く生きれない」ということらしい。
    それは、自分が他人を愛する権利はあるけど、人を愛することで、その人から
    愛される権利はないから。


    理屈っぽい本なので意見が分かれると思うが、
    彼のその極端な考えにも納得できる部分があって、私は結構好き。
    こういう考え方もあるのか、という驚きがこの本1冊の中に
    ぎっしり詰まっていて、おもしろかった。


    著者は教員免許を持っているのだけど、
    「ボランティアをしないと教員免許を取れない」って法律ができたことが
    腹立たしく、こんな本を書いたという。

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著者プロフィール

池田 清彦(いけだ・きよひこ):1947年東京生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。早稲田大学、山梨大学名誉教授。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野で100冊以上の著書を持ち(『構造主義科学論の冒険』 講談社学術文庫ほか)、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」等、各メディアでも活躍。

「2024年 『老後は上機嫌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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