- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101035253
感想・レビュー・書評
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人口増加に伴って生じる環境問題に対して、科学的に正しい理解をせずに単純批判をする世間の風潮に警鐘を鳴らした本。
「人新世の資本論」を読んでいて、環境問題の考え方について気になったので読んでみました。長い地球の歴史では絶えず気候は変動しており、CO2排出による僅かな気温の変化がどのくらい影響を与えるのかは懐疑的だという意見には共感出来ました。環境問題について考えることはもちろん大事ですが、その問題が俯瞰的かつ本質的にどういう意味があるかを考える必要があることを学びました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「排出権を金銭で取引」なんて、全くもっておかしい。普天間も、雇用も、尖閣もなにも進展しないのになんで日本が率先してCO2削減なのか。私も理解に苦しむ。
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【本の内容】
「温暖化防止」の名のもとに、いまなお空前の盛り上がりを見せる環境ブーム。
実際に自然界で起こっていることに目もむけず、科学的な見地も理解せず、ただ声高に異を唱える現状は、本当に正しいのだろうか。
世界中を巻き込む一大ムーブメントに隠された、陰謀やウソや偽善を暴き、私たちの愁活に本質的に関わる真の環境問題を考える。
話題の生物学者が提唱する、画期的な一冊。
[ 目次 ]
1 環境問題の錯覚(何が「環境」の「問題」なのか;身の回りの環境問題―ゴミとリサイクルをめぐる誤謬;ほんとうの環境問題―エネルギーと食料;環境問題は「人間の問題」である―人口問題のジレンマ;地球温暖化の何が問題か)
2 ニセモノの環境問題(「地球温暖化脅威論」こそ脅威;北海道洞爺湖サミットでわかったこと;日本にエネルギー戦略はあるか;生物多様性の保全という「正義」;人口―ほんとうにほんとうの環境問題)
[ POP ]
ペットボトルのリサイクルはゴミ減量に本当に役立つのか。
温暖化防止は多額の国家予算をかけて取り組むべき問題か。
生物学者が専門的知識と柔軟な思考で本質をあばく。
人間が生きられる世界を存続させるために私たちが今やるべきこととは。
イメージで危機感をあおるメディアや利権絡みの政治に左右される問題を、自分自身で考え直すための1冊。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
温暖化はCO2排出のせいではない。京都議定書で日本が背負った馬鹿げた負担。世間の情報に惑わされて常識を勘違いしている。目からウロコの環境問題の教科書。2014.8.1
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著者の過激で歯に衣着せぬ物言いは、ちょっと言い過ぎなところはあるにしても、何れも正論。
面白かったのは、ゴミを散らかし放題のカラスが、実は海辺に棄てられたゴミを漁って夕方に郊外の森に帰って糞をするから、海辺の栄養物を森に返して循環の役割を果たしている、という指摘。ほんとかな、と思いつつも、そんな見方もできるんだな、と感心。
また、「在来のザリガニは北海道を中心とする清流に生息し、アメリカザリガニとは競合しない。もし在来のザリガニが減少したとすれば、それはアメリカザリガニのせいではなく清流が汚染されたなどの別の原因によるものだ」と言うのはしらなかった。外来種を敵視して躍起になって駆除するのは確かにやり過ぎだな。
CO2排出が地球温暖化の主要因と言うのは嘘八百で、本当の環境問題は、人工過剰に起因する食糧・エネルギー問題である、と言うのは正鵠を射ている。
難しいことではあるけれども、マスコミや流行に乗った一部の学者等の言説に安易に踊らされないように気を付けなければ! -
CO2削減に拘泥し過ぎている現状への警鐘、間違った生物多様性への理解の是正、あたりを中心に論が進められる。相変わらずの本作者節で、ファンとしては安心の内容。国やマスコミがこぞって危機感を煽ってやっていることが、実は更なる危機を招く結果になるって観点、しっかり持っているようにしたいす。
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煽情的な文章で、そこはあんまり好きじゃない。多くの人に見えていないことに光を当てようとしていることは間違いないし、それ自体は意味のあることではある。人間も「自然」のうちであると思えば、その人間の営為によって地球の環境が変わっていってもそのことそのものに善悪はなく、大事なのは我々人間という種が生き延びていること。その上で、後世に残す世界としてどこもかしこも荒廃して砂漠みたいになった世界より、緑が残ってて人に飼われていない動物も住んでる世界の方がいいとわたしは思ってる。
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「新しい環境問題の教科書」3
著者 池田清彦
出版 新潮社
p114より引用
“「私たちがCO2排出を止めなければ、地球は大変なことになる」
などということを喋り続けるテレビのニュースキャスターは、自
身が本気でそう考えているのなら、テレビ放送をやめたらいい。
”
生物学者である著者による、環境問題の問題について記した一
冊。過去同社より刊行された、「ほんとうの環境問題」「正義で
地球は救えない」の著者執筆部分の合本加筆修正版。
ゴミとリサイクルについてから人口問題についてまで、皮肉の
効いた文章で書かれています。
上記の引用は、地球温暖化についての新聞やテレビの動きにつ
いて書かれた項での一文。計画停電が実施されていた時も、テレ
ビを消しましょうとは言われてなかったように思います。
著者の意見が全て正しいかはわかりませんが、自分に必要かど
うかをよく考え、無駄なエネルギーを使い過ぎないようにした方
がいいのではないかと思います。
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環境問題を通して、世の中の嘘に飲み込まれないための視点のひとつとなる。読みやすい。
多角的な情報から本質を見極めたい。
著者プロフィール
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