- 新潮社 (1994年5月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784101036137
みんなの感想まとめ
多様な感情を色彩で表現した短編集であり、各話には象徴的な色紙が挿入される独特の構成が魅力です。登場人物たちは、どこか歪んだ性質を持ち、彼らの心理描写は冷静かつ深く、読者を引き込む力があります。特に、複...
感想・レビュー・書評
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変わった作品があるとの事で、読んでみた。
12編からなる短編集。
それぞれのお話の途中や最後で、その話を象徴する色紙が一枚現れるという、非常に面白い作りになっていました。
どこか歪んだ性質を持った人物たちが沢山出てきます。
個人的に面白かったのは、
•金(陽ざしの刺青)…決して好きになることのない男との関係を続ける女性の心理描写が恐ろしいくらい冷静。
•赤(声の血)…え、結局継母との関係は現実?幻?読後、この話で起きていた出来事が現実だったのか、全てが信じられなくなった。
•銀(蜘蛛の指輪)…長年夫に不倫し続けられていた母が、縁側で蜘蛛の糸を薬指に巻き付けているシーンは、悍ましい光景のはずなのにどこか切なさ、美しさを感じさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
各短編ごとに色が設定され、色紙が挿し込まれている構成に惹かれて購入。
山田詠美はやっぱり好きだな。
買って間違いがない。
水に合う。 -
嫌でも滲み出てしまう劣等感などのほの暗い感情も丁寧に美しく描かれていて、どんどん読み進められた。
同じような感情でも、その感情を抱く人や生まれ育った環境ひとつが違うとこんなにも変わるものなのかと。
誰一人同じ感情を持たないように誰一人同じ色を持たない、決して明るい色ばかりでは無かったけど、文章が繊細だからか不思議と綺麗だった。
人と触れると心は色づく。
装丁がとっても素敵で一話一話読み進めるのにうきうきした。 -
どこから火が出るか分からないライターのような本
どこが上でどこを持って何に向けて付けるのか。
持ち手で出口を塞ごうとも火を放つ。反射たるものでは逃げきれない。危ないものほど惹きつけられてしまうもの。
わたしは、人間と動物を自分の中で区別するのが上手な女だった。本能という言葉は、己を正当化する時に並べられることが多い気がする。争うのでなく、隔てられるものでは無いのか。
押し倒されているのは私だというのに傷ついた表情を浮かべているのは彼。思い出した。いつも傷つけないように大切に大切に身をよじる貴方が、色が残るほどキツく腕を掴み私を見つめていた。恐怖で逃げたいわけでもなく、全身で受け止めるのが心地よかった。
同姓同士が織りなす剥き出しの性欲が羨ましく感じる。それなりに生きてきてそれなりの性について学んだ気がするが、性別を隔てた交わりに対する表現は美しい淫らさをもたらせられない自分がいる。語彙の問題なのか、はたまた欲情の種類に固定概念をはめ込みすぎているのか。固まった鏡餅を叩き割るのでなく、焼き上げた餅の固い部分を剥ぎ取っていく様に山田詠美は私の好む淫らを連ねる。
簡単に燃える方法なんていくらでもある。逃げる方法だって数えられない。己を型にはめ、正当化させることでしか生きられないのなら魔女狩りの如く燃やして欲しい。いや、トースターでも構わない。 -
滑稽で残酷なかんじ
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装丁が素敵で即買い
すごく短い短編で空き時間に1話ずつ読んだ
12人のそれぞれの色のあるストーリー
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12篇のうち多くは、苦手なタイプの話。
ただ1篇、「埋葬のしあげ」がものすごく好きで、人生が変わった1冊を聞かれたらこの本を挙げる。
人と出会うことで価値観は広がるし、自分が本能的に見下している相手すらも、自分には無い思考を持っている。偏見を砕く出会いというものが日常の中にあり、そこに救われることがある。それを信じたくなった。
ほかの短編については、山田さんの作品にありがちな、気まぐれな貞操観念・男に支配されることを悦びとする女性・性だけで繋がる人間関係・不倫の付き合いなどが散見される。そのへんはチョット私には合わなくて読みながらタジタジしてしまう。 -
「あとがき」で著者は、「色を持たない言葉というものを使って、色の世界を描きたいと思った」と述べており、それぞれがテーマとなる色をもつ短編12作が収録されています。
「男のものになることを楽しむという、最も利己的で、精神的な女のお遊び」をたのしむ女性と、そんな彼女の態度に苛立ちながらも彼女から離れられない男をえがいた「陽ざしの刺青」は、著者の作品にしばしば登場するタイプの主人公が登場する一編です。
「黒子の刻印」は、双子の姉妹でありながら、美人の妹とはちがって顔に大きなホクロがあることにコンプレックスをいだく姉の話です。芥川龍之介の作品などに見られるようなテーマをあつかっており、ちょっと背筋の冷たくなるような結末も用意されていて、きれいにまとまった物語に仕立てられています。
一つひとつの物語はかなり短いので、作品世界をていねいにつくり込んで構築された作品といった印象はありませんが、ドラマティックな設定やある程度わかりやすいキャラクターを配して、ときにブラック・ユーモアを利かせた内容もあって、たのしんで読むことができました。 -
明るいところに人は集まる。光と影なら光。ポジティブで笑顔で幸せな色は他人を惹き付ける。本当にそうだろうか。貴方は自分の幸福の色を知っていますか。その幸せは、他人の不幸に慰められ感じているものではないの。私じゃなくて良かった、私より幸せじゃなくて良かった。心のパレットを真っ黒に塗り潰してしまえば、そこから貴方は何色を作り出せるの。大丈夫、ちゃんと自分で変えることが出来るのだから。いつの間にか心は青く澄んでいた。貴方はまだまだ泳いでいける。金槌な私は緑を感じ歩けばいいの。それでも進めないのなら歌う。
音に言葉に感情が揺さぶられるまま透明な滴がすべて流れ乾く頃には、鼻を赤く染めて笑う、何よりも美しく白い貴方がいるかもしれません。 -
山田詠美の短編集。心の奥深いところをナイフで切りつけて、さらに奥をえぐってくるような小説で、最初は一話目を読んだだけで本棚にしまってしまったけれど、改めてチャレンジ。相変わらずの甘ったるい暴力性と、親しみやすさのある詩的な文体にうんざりしながらもぐいぐい引っ張られて、結局最後まで一息に読んでしまった。物語にそぐわないパステルカラーの色紙が意地悪。嫌な小説だと思った。「蜘蛛の指輪」は好き。
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初山田詠美。友達と本を勧め合いっこした。
その時に勧められた本その1。
おおおおおおおう、これはちょっと、エロい。
不適切な表現だと思って類語辞典で検索したけれど「スケベ」とかしか出てこなかったから仕方がありません。ええと、なんていうか、ちょっと性的。悪い意味じゃなく。
いやしかし、「私だって捨てたもんじゃないはず」とか、「いい人でいると楽」とか、「夜中に世界で一人ぼっちになるような気分」とか、共感できる感じ。そして女性が怖い。生々しい。妙にリアルで、今でいうところの「肉食系」と言うやつなのか、アグレッシブで虎視眈々とした、怖い女がいっぱい出てくる。
それにしてもとにかく文体が好み、とても読みやすかったです。
所々作品テーマカラーの色紙が挟んであるのもいい感じ。
他に勧めてもらったのも読むぞ-! -
短編集なのも手伝って、読みやすかった。
各章にそれを象徴する色のページが綴じこまれていて、不思議な小説だった。
一番怖いなと思ったのは黒子の章。不幸の種を蒔いているのは自分なのかもしれない。
でも、自分では気付いていないから、自分でもどうしたらいいか分からなくて、
黒子をとってしまったりするのだろう。それが原因だと思てしまっていて、
他にどうしていいかわからない。
だけどどうやったら彼女は、自分で不幸を招き寄せることをやめられるのだろうか?
黒子が彼女のコンプレックスで、嫌なものであることには違いない。
傍からどう見えようとも、彼女は苦しんでいる。
苦しんでいるのは彼女。
他人事ではないな、と思った。 -
話の流れや構成は陳腐なのに、言葉の選び方がとんでもなく簡潔で的確で舌を巻いてしまいます。
非常にクレバーなお方だなぁ、この話は好きじゃないけど素直に凄い。
・・・・・・と思ったのも最初の4話まで。
「病室の皮」からはそれすら無くなってしまいました。
順番に並んだアルファベットとか等差数列とか、そういう普遍で分かりきったものをつらつらと並べられている感じがして非常に退屈でした。読んでいて楽しくないのです。ハッピーエンドじゃないからとか、事件が起こらないからとか、話が暗いからとかでは全然なくて、私はむしろそういう話が好きなのですがしかし、小手先で小説書いてる感じを強く受けてしまったのが原因なのでしょう。
作者が器用すぎる。それが逆に私を冷めさせてしまいました。
09.08.04
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加害者側の被害性と、被害者側の加害性が混ざり、それぞれの物語の色を放つ。自分とは程遠い内容のようで、登場人物たちの人間臭さはびっくりする程共感してしまう。強烈でした。
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屈折した登場人物が多い。劣等感とか優越感とか人間の汚い所が多く出てきて、全体的に暗い感じ。
白熱電球の嘘(橙)が印象に残ったかも。 -
色をモチーフにした「陽ざしの刺青」「声の血」「顔色の悪い魚」「高貴なしみ」「病室の皮」「草木の笑い」「白熱電球の嘘」「ヴァセリンの記憶」「雲の出産」「埋葬のしあげ」「黒子の刻印」「蜘蛛の指輪」の12編の短編を収めている。
いずれもきらりと光る鋭利さをもって胸に迫ってくる作品で、息をつく暇もなく夢中で読んだ。 -
改めて10代の屈折した心情を表現するのが上手いなぁーと思った。どれも数ページの短編なので余計に彼らの心の闇が鋭く突き刺さってくる。
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短編集の中でも特に好きなやつと思う。手放しちゃったのが残念
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12の短編。
ひとつひとつカラーがあるようで
途中でカラーが1枚ついてました。
どれもこれも、人の考えのひとかけら
ひとつの日常。
とはいえ、まったくもって共感するものはなく
へぇ…というものでした。 -
賛否両論あるけど、私は山田詠美の繊細さが好き。
詳細な情景描写に唸ってしまう。
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著者プロフィール
山田詠美の作品
