放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 839
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036151

作品紹介・あらすじ

大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々-。背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。好きな人のいない放課後なんてつまらない。授業が終った放課後、17歳の感性がさまざまな音符となり、私たちだけにパステル調の旋律を奏でてくれる…。女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 私の恋が終わろうとしている、まさに今のタイミングで読んだからなんだろうけど凄く凄くひびいた。し、今の恋にあきらめがつきました。今、私のもやもやした言葉に出来なかった感情を全部言語化してあってすっきりした。中学生の時には、エロイなあってしか思わなかったんだけど・・・やっとこの本の登場人物たちに追いつけたかな。

  • 忘れもしません。
    高校3年生の夏休み、大学進学を選ばなかったわたしは、猛勉強する友人の中でひとり、やることもなく、読書に没頭していました。
    そのとき出会ったのが、この本。
    初めての山田詠美先生の作品でした。
    オムニバス形式で読みやすく、主人公の周りの恋愛模様が、繊細に描かれ、映像が頭の中に鮮明に思い浮かべられた、そして、何より、わたしも恋がしたいと胸がきゅんきゅん、ときめいて、読み終わった後の充実感が素晴らしかったことを、随分経った今でも忘れることが出来ません。
    読み返したいのだけれども、実家でどこにしまったのか分からず、行方不明、図書館で借りてでも、また何度でも読みたい作品、何年経っても色あせない、そんな1冊です。

  • 「トキメキがほしい。恋がしたい。」
    そう言った私に、会社の先輩が教えてくれた本。

    この物語の主人公たちが高校生だと考えると、
    なんとませた女の子たちなんだ、と思う人もいるかもしれない。
    実際、高校生だった自分自身が、こんなのあり得ない!と敬遠した記憶がある。

    ただ、なんてもったいないことをしたの!当時の私!と言いたい。

    ここに描かれているのは、
    とても素敵な女の子たちの物語。
    読んでいるだけで、甘い匂いが香ってくるよう。
    全8話。一話読み終わるごとに本を閉じ、物語を噛みしめながら読み進めた。

    恥ずかしながら、今30代だけど、
    この小説を読んで、こう感じるようになれただけ、
    高校生の自分よりは成長できているのだろう。

    解説の堀田あけみさんの言葉にも、背中を押される。
    「この物語に心を震わせることのできる素敵な人である限り、順番は巡って来ると思います。」

    毎日を大切に生きていこう。
    今は、恋に落ちる準備をしよう。
    いつでも恋に落ちることができる、その自信をつける時間なんだ。
    そう思える作品です。

  • 0007
    高校の時に読んだが、今読んでもこの子たちに憧れる。大人びてても少女だしホッとする。

  • 読み終わって、思わずため息が出ました。このときの私の胸中を表す言葉はとても綺麗で良い言葉ばかりだったと思います。また、それによって心が満たされたという表現がぴったりに思いましたし、そういう言葉に似合う感情の湧き上がりが止まらなくて、その溢れを吐き出すという意味を持って、ため息が出ているようにも感じました。
    この本を読んで学べたことや感じたことをうまく吸収できれば、きっと女の子としても、女性としても、その人自身の「品」が上がるような作品なんだと思いました。
    登場人物の年齢もあって、山田詠美さんの小説は、高校生のうちに読んでおいてよかったと思わせるものが多いなと、つくづく思いました。

  • 中学校の頃に図書室で読んでから今まで、
    もう本当に何度も何度も読み返した本です。
    好きすぎてたまらないです。
    読むたびにうっとりしています。
    この本に出てくる女の子って、みんなとっても魅力的なんです。わたしもう25歳なのに、気持ちはいつも初めて読んだ中学生のときのまま。だから今読んでも彼女たちに憧れちゃいます。
    これについて語ったら止まりません!
    読後抱きしめたくなるような、とっておきの本です。

  • これまた大人になる話。
    文体が読みやすく、高校時代に戻った気持ちになった。旅先で読んだのだが、戻ってすぐに作中に出てくる香水1000(ミル)を買ったのはいい思い出。

  • 村田沙耶香さんが高校生のとき何度も何度も繰り返し読んだほど大好き、と聞いてからずっと読みたかった。
    大人でも子供でもない、もどかしくてままならない女子高生たちが全身で恋をする姿を描く短編集です。
    背伸びして海外のティーンズ小説を読んでいた頃の高揚感を思い出してちょっとくらくらした。

    分かったような気持ちで男を愛そうとする、愛を信じようとする彼女たちがあまりにもキラキラと瑞々しくてたまらなくなりました。彼女たちをそんな目で見てしまう私は、やはりもう大人になってしまったのだと寂しくなりながら。
    17歳。17歳のときが私にもあったのだ。

    これがもう30年以上も前に刊行されているのが驚き。
    ちょっぴり刺激的だけど、いつか娘にも読んでみてほしい。でもきっと親に勧められてこの本を読むのは嫌だろうから、さりげなくさりげなく置いておこう。

    Body Cocktail
    「そうね、お酒のカクテルみたいなものかもしれないって近頃、思う。一種類のお酒だけじゃ、強くて飲めないけど、色々甘いのやら、苦いのやらを混ぜると、おいしいカクテルになるでしょ」
    そう言って、カナは自分のおなかを指差して、「ここ」と言った。私は、彼女の細い腰の周辺に目をやった。
    「ここに、今、あるのよ、おいしいカクテルが。私、まだ、それを捨てたくない」

    Brush Up
    淡々とセックスについて話をする雅美より、彼女たちの方が、ふと嫌らしいんじゃないかと思ったのだ。何だか、彼女たちの体からは、甘酸っぱい匂いが漂っていた。発酵しきれないもどかしい匂いが体の中にぎゅうぎゅうに詰っているような感じがしたのだ。私、何かを知らなくてはいけない。漠然とそんなふうに感じていた。それは、男の体とか、そういう具体的なものではなかったけれども。

    Salt and Pepa
    言葉のない内緒話。何を囁くのだろう。溜息だけで、愛を語り合うことができるのかしら。音を持たない筈の気配が、私たちに伝わるように、人を愛すると、言葉を持たない愛情が耳や口に流れ込む。

  • あのこもこのこもみんな恋してた。

    ちょっと目立ってたり、
    勉強ができたり、
    かっこよかったり。

    恋してる自分に溺れて、
    恋してる友達をばかにしたり。

    今思えばあれが恋って言えるのか
    中高生の頃の恋って、
    すごく曖昧なものだった気がするけど、
    すごーく苦しかったなぁ。

    「無駄づかいをしないと良い大人にはならない(文中より)」

    その通り☺︎

  • 大人と子供はざまの女子高生。
    香水に、足首で揺れる華奢なアンクレット。
    放課後に訪れる繊細で甘い時間17の少女たち

    自分ではない、友達や先輩が恋をし大人の女性になっていく過程を見つめている主人公。

    現実にこんな素敵な言葉で話す人もいないし
    もし、誰かに話したら「えっ?」ってなるだろうな。
    この本に出てくる女の子と同世代だけど、こんな
    素敵な恋をしてる子いないのが悲しい。

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著者プロフィール

山田詠美

一九五九年東京都生まれ。八五年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞、作家デビュー。八七年『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』で直木賞、九一年『トラッシュ』で女流文学賞、二〇〇一年『A2Z』で読売文学賞、〇五年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、一二年『ジェントルマン』で野間文芸賞、一六年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。『賢者の愛』『つみびと』ほか著書多数。

「2020年 『愛してるよ、愛してるぜ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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