放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036151

感想・レビュー・書評

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  • 女の子がキーワード。

    少女が大人になる、もしくは大人として独立するってこんな感じなんだな。

    「僕は勉強ができない」以来の読本だが、30年も前の小説と思うと、色褪せないな。

    本って、言葉って偉大だ。

  • 大好きな作品。この作品をきっかけに山田詠美さんのファンになった。あまりにも美しい言葉と比喩に鳥肌が立ってしまう。この本そのものが香り付けエッセンスの香水のよう。引き出しの中に大切にしまうのも良し。持ち歩くのも良し。とにかく読むだけでワンランク上の女性になるんじゃないかな?大人になりかけの少女の感情を繊細に描いてるので、大人になってから読むとまた、恋することはロマンチックで素敵なことなんだと思い出させてくれる。

    • workmaさん
      10代の頃、詠美さんの書く世界に憧れて、つけもしない香水を買って、にやにや妄想していました… ハードカバーの装丁が好きだったから、文庫の新装...
      10代の頃、詠美さんの書く世界に憧れて、つけもしない香水を買って、にやにや妄想していました… ハードカバーの装丁が好きだったから、文庫の新装版はどうもいただけないです…
      2021/03/14
  • 「私、恋愛って、継続するものだと最初から思ってないのよ。一瞬一瞬の積み重ねだと思うの。」

    「他人同士があやういもので結ばれてるのってすごく繊細なことだと思うの」

    「素敵!!宝物箱に煙草の灰を落とすなんて!大人と少女が微妙に混じりあってるって感じね」

    無口な男の子は、女の子の好奇心をくすぐる。その男の子が何も喋らないくせに瞳に色々な感情を溶かしこんでいるとなおさらだ。

    自分の全然知らない世界。もしかしたら気付かないように自分でこっそり隠してた感情がまっすぐ心に届く。いや、心に届くなんてちゃちい言葉じゃなくて胸に染み込むような、そんなもの。17歳はすぎたけれど、そこからたいして成長してないのかもしれない。

    私を私だって認識させてくれる香水に出会いたくなった。

    女の子向けだけど男子が読んだらどういう風な感想を抱くのか気になる。

  • すごく好きな人にオススメしてもらって読んだ本。高校の教室が似合わないような大人びた女の子にまつわる短編。文章があまりにも美しすぎる。

    • workmaさん
      文章…美しいですね
      文章…美しいですね
      2021/03/14
  • 0007
    高校の時に読んだが、今読んでもこの子たちに憧れる。大人びてても少女だしホッとする。

  • 読み終わって、思わずため息が出ました。このときの私の胸中を表す言葉はとても綺麗で良い言葉ばかりだったと思います。また、それによって心が満たされたという表現がぴったりに思いましたし、そういう言葉に似合う感情の湧き上がりが止まらなくて、その溢れを吐き出すという意味を持って、ため息が出ているようにも感じました。
    この本を読んで学べたことや感じたことをうまく吸収できれば、きっと女の子としても、女性としても、その人自身の「品」が上がるような作品なんだと思いました。
    登場人物の年齢もあって、山田詠美さんの小説は、高校生のうちに読んでおいてよかったと思わせるものが多いなと、つくづく思いました。

  • 中学校の頃に図書室で読んでから今まで、
    もう本当に何度も何度も読み返した本です。
    好きすぎてたまらないです。
    読むたびにうっとりしています。
    この本に出てくる女の子って、みんなとっても魅力的なんです。わたしもう25歳なのに、気持ちはいつも初めて読んだ中学生のときのまま。だから今読んでも彼女たちに憧れちゃいます。
    これについて語ったら止まりません!
    読後抱きしめたくなるような、とっておきの本です。

  • 主人公同様17歳のときに読んで、五年経った今再読しました。


    私が山田詠美さんを好きになったきっかけを与えてくれた作品です。


    8編の物語が収録されてますが、物語の中で、主人公は大きく成長していきます。


    それにしても、彼女に影響を与える女の子たちは、年齢的には女の子だけど、精神的にはとても大人だなー。

    22歳の私なんかより。

    私にも小道具はいくつかあったけど(勝負なんちゃら的な)

    不特定多数を意識したあざといもんだったかも。


    あとがきで詠美さんは無駄遣いをしないといい大人にはなれないっておっしゃてます。
    なあんにも考えずに、恋や友情にうつつを抜かしてほしい。


    私の放課後たちはどれも大切なものだったんだね。
    少しは大人になったのかなあ。

  • 小学生のころ読んで以来、約15年ぶりに読み返した。

    女の子たちのコソコソ話を耳をそばだてて聞いている感じ。小学生のころドキドキしながら読んだのを強烈に覚えている。話の内容も思った以上に鮮明に覚えていてびっくりした。

    すこし背伸びをした女の子の恋愛話は、大人になっても秘密の宝箱を開けるかのような美しさがあった。一方で、音楽の先生と恋愛する生徒の話は、「大人の恋愛」と思ってたけど、今読み返すとマジでキモいし、高校生に手を出す男なんて本当しょうもないと思う。

  • 姉の本棚から借りて読んだ。姉は山田詠美をそんなに好きにならなかったけど、代わりに私がファンになった。
    大学生になって、作品に出てくるシャネルの赤い口紅を友達にプレゼントしてもらったのはいい思い出。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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