放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 823
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036151

作品紹介・あらすじ

大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々-。背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。好きな人のいない放課後なんてつまらない。授業が終った放課後、17歳の感性がさまざまな音符となり、私たちだけにパステル調の旋律を奏でてくれる…。女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 2019/8/16
    17歳、18歳の女の子たちの8つの物語。ただ単純に人を好きになって、恋愛的な展開があってーというものではなく、どこか黒さを含んだような話が続く。
    あとがきの人はこれを
    たくさんの甘さが詰まっているがそれは少々痛い甘さである。でも、彼女たちの物語は読み手を悲しくさせません。
    と書いてあって、そういうことだと思った。
    最後は素敵な恋をする話で締めくくられているが、そこまでの7つの話も短編とはいえ読み応えがある。
    恋愛をすると人生が楽しくなるものだと考えるもの、そんな風に楽しくなるものだと考えることが甘いのだというもの、恋愛について考えることで楽しくなるどころか苦悩する人など、10代後半の女の子の心情をかなりリアルに表現しているような気がしました。大変なんだなー。
    高校が共学ではなかったから、本の内容のような状況は身の回りではなかったけど、恋をして人を好きになることっていうのはどの年代でも自分について考えたり人について考えたりするキッカケをくれるから面白いものだなーと思います。

  • これまた大人になる話。
    文体が読みやすく、高校時代に戻った気持ちになった。旅先で読んだのだが、戻ってすぐに作中に出てくる香水1000(ミル)を買ったのはいい思い出。

  • 舌に残る甘さ、後味は爽やか。ウブで大人な女の子たちが愛おしい。こんな恋がしたかった。記憶に残る香りのする恋を。

  • 村田沙耶香さんが高校生のとき何度も何度も繰り返し読んだほど大好き、と聞いてからずっと読みたかった。
    大人でも子供でもない、もどかしくてままならない女子高生たちが全身で恋をする姿を描く短編集です。
    背伸びして海外のティーンズ小説を読んでいた頃の高揚感を思い出してちょっとくらくらした。

    分かったような気持ちで男を愛そうとする、愛を信じようとする彼女たちがあまりもキラキラと瑞々しくてたまらなくなりました。彼女たちをそんな目で見てしまう私は、やはりもう大人になってしまったのだと寂しくなりながら。
    17歳。17歳のときが私にもあったのだ。

    これがもう30年以上も前に刊行されているのが驚き。
    ちょっぴり刺激的だけど、いつか娘にも読んでみてほしい。でもきっと親に勧められてこの本を読むのは嫌だろうから、さりげなくさりげなく置いておこう。

    Body Cocktail
    「そうね、お酒のカクテルみたいなものかもしれないって近頃、思う。一種類のお酒だけじゃ、強くて飲めないけど、色々甘いのやら、苦いのやらを混ぜると、おいしいカクテルになるでしょ」
    そう言って、カナは自分のおなかを指差して、「ここ」と言った。私は、彼女の細い腰の周辺に目をやった。
    「ここに、今、あるのよ、おいしいカクテルが。私、まだ、それを捨てたくない」

    Brush Up
    淡々とセックスについて話をする雅美より、彼女たちの方が、ふと嫌らしいんじゃないかと思ったのだ。何だか、彼女たちの体からは、甘酸っぱい匂いが漂っていた。発酵しきれないもどかしい匂いが体の中にぎゅうぎゅうに詰っているような感じがしたのだ。私、何かを知らなくてはいけない。漠然とそんなふうに感じていた。それは、男の体とか、そういう具体的なものではなかったけれども。

    Salt and Pepa
    言葉のない内緒話。何を囁くのだろう。溜息だけで、愛を語り合うことができるのかしら。音を持たない筈の気配が、私たちに伝わるように、人を愛すると、言葉を持たない愛情が耳や口に流れ込む。

  • 色んな感情を経て女の子から大人になる話。
    母が不幸を選ばざるを得ない恋愛でいなくなったことで、恋愛とは狂気であり無垢であり憧れるものであり、そして諦めるものであるという価値観が植え付けられたように感じる。
    そこから数多くの女の子の話を聞いて、自分も失恋を経験することで大人になっていく中でも、結局最後に残るのは純粋な気持ちであるような気がする。

  • 初めて読んだ山田詠美。村田沙耶香さんの『私が食べた本』に何冊か山田詠美さんの本があったので興味を持って読んでみた。

    この作品を選んだのは単に本が綺麗だったからだが、50歳のオヤジとしては選択ミスだったか…

    女子高生が主人公だからか、ジェリービーンズの様にカラフルな文章。これが一人の主人公で繋がってるとは最後の話ではじめて気づいた…

  • 永久にわたしのバイブル 16歳の時に出会えて一番よかった本かもしれない

  • 再読?忘れてる…

  • 似たような関係性が続くのと、未成年に手を出す大人が美化され過ぎているのに、うっ…となったが、十代で読んだら少し頭の中の逃避先に出来たのかも知れないなと思う。
    文章は読みやすい。

  • 2016.01.19 朝活読書サロンで紹介を受ける。複数の出版社から出ていて、この本ではないかもしれない。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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