ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036168

感想・レビュー・書評

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  • 有名な作品だから、ずっと読みたいと思っていて、やっと読むことができた!
    題名から勝手にイメージしていた内容とはだいぶ違って、哲学的だった。はっとするようなことが所々出てきて、改めて「魅力的な大人」について考えたくなった。
    秀美やお母さんは、間違いなく魅力的なんだよなぁ。他の人とは一線を画すように非凡で魅力的なんだけど、その実体は何なのか、そう感じさせるものは何なのか、私はまだよくわかっていない。それがわかれば魅力的な人になれるのか、そんな簡単なことじゃないのか。……わからない。
    今回はさらっと読んでしまったけど、なかなか出会わない心に響く作品だったので、少し間を空けてもう一度読みたい。

  • 2021.3.11
    改訂版じゃない方のカバーがほしくて古本屋さんを回って買った

  • 他のクラスメイトとは少し違った考え方や完成を持っている時田秀美くんは学校のことや社会の様々なことに対して疑問に思っている。先生の言う通り、じゃなくてこんな高校生もいていいよね、大事だよね、と思って読んだ。

    • workmaさん
      ほんと、そう! 10代で読んだ時も秀美くんに憧れたし、大人になって読み返しても、秀美くんやその周りの人々の考えが新鮮で、憧れます。
      ほんと、そう! 10代で読んだ時も秀美くんに憧れたし、大人になって読み返しても、秀美くんやその周りの人々の考えが新鮮で、憧れます。
      2021/03/14
  • 素敵な本!

    価値観を見直せる!何度か読みたくなる本。
    また少し時間を空けて読みたい!

    作者のあとがきにもあったけど、学生が読むより大人が学生時代を感じながら読む方がいいのかも!

    • workmaさん
      同感です。最初に買ったハードカバーの装丁がすてきで、紙が茶色くなってきても手放せずに、今も時おり読んでます。読むと、懐かしい友人に会えた気が...
      同感です。最初に買ったハードカバーの装丁がすてきで、紙が茶色くなってきても手放せずに、今も時おり読んでます。読むと、懐かしい友人に会えた気がするんですよね。
      2021/03/14
  • 高校生の時に読んで、初めて小説って面白いと思った本。主人公が好きだった。

  • 高校生の時から大好きな本

  • よさがわからなかった。

  • 山田詠美作品 
    「ベッドタイムアイズ」で感じたエロティックな文章表現は無いけれど、高校生で年上のBARで働く彼女がいて、気の合う先生や家族とあっけらかんとSXEの話をする 主人公の秀美。
    きっと学生時代に主人公ほどのドラマティックな経験は無くとも おとなや世間の「高校生らしさ」「健全に育つためには・・・」的な縛りに窮屈感を感じていた読者は、(わかる そう あの頃思っていたのはこんな気持ち!)と納得するに違いない。
    もう24年も前の作品なのに色あせずに 今も読んでいて共感できるのは、まだまだ 気持ちが若い証拠かな?!
    この本の名言集がSNSでも書かれているから ファンも多いのだろう。
    良い言葉も多いけど 若者として実際にそばにいたら(ちょっとクドい!そして めんどくさい!)笑

    現実の大人世界のしがらみに 足を取られているかた 手に取ってみてはいかが?
    けっこう 気持ちよく読めますよ。
     

  • 勉強は出来ないのかもしれないけど、秀美の感性は本当に凄かった。高校生って、一体何だろう。私は、きっとこんな高校生ではなかった。

  • 禿げるほど面白かった。

    私はインテリ層でもなければ、知識もないので難しい言葉を読んでいる自分にひれ伏すような小説よりも、読んでいてエンターテイメントとして没頭できるような小説を求めていたのだろうと思う。

  • おっもしれぇー
    こんな人、まだ出会ったことないなぁと。
    最近思うのが、自分の心で感じること次第で、
    見えれくる世界もだいぶ違うんだなぁーって思いました。

    あらすじ
    ぼくは確かに成績が悪いよ。
    でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ。
    17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。
    勉強はできないが、女性にはよくもてる。
    ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。
    母親と祖父は秀美に理解があるけれど、
    学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ?

    個性的な人物が出てきて、ほんとっおもしろい。
    なんなんだこの世界は?
    って思ってる秀美自身が、実は周囲からすれば、
    大人ぶってる自分に酔ってるおまえ自身一体なんなんだ?って 笑

    秀美の母、自分が身に着けるものにお金をかけるぶん、
    祖父や息子に食事を満足させなかったり、
    いい加減そうな母親に見えるけど、
    『自分は、自分であるってことを解っている人間にしたいの。
    人と同じ部分も、違う部分も素直に認められるような人になってもらいたい。
    確かにあの子はまだこども。
    でも、何かが起こったときに、それを疑問に思う気持ちを忘れて欲しくないのよ』
    と、いつも秀美から鋭くつっこまれる小学校の担任に話してた。
    やっぱり、母親は母親なんだなぁーって思った。
    年下のばぁーちゃんとまだ恋をするじぃーちゃんも、
    『いいかい、他人に可哀相という言葉を使うとき、
    それを相手が望んでいるかどうかを見極めなきゃ。
    たいていの場合、それは、相手をくじけさせる。
    でも、それが気持ち良く心に入ってきて、うっとりすることもある。
    男と女のこととかな。』って。
    じぃーちゃんやっぱ長く生きてるすごいね!
    その通りだと思います!

    この本は本当におもしろくて、
    毎日一ページでもいいから読みたいぐらい。
    個性的でおもしろかった。
    でも、思ったのが、そんな個性的な秀美を個性的でいさせてくれる
    お母さん、じぃーちゃん、彼女、ともだち、先生
    っていう心強い環境が、秀美にはあるということ。
    小学生のときの秀美の話が特に好きだった。

    そして、最後の山田詠美さんの解説

    高校2年のとき、私の担任の先生が私の家に来た。
    物理の試験で二度も零点をとったためである。
    そのとき、お宅のお譲さんは授業態度も悪く、人の話を聞かない、
    授業中に小説を読み、放課後になると男子生徒と寄り添ってそそくさと帰る。
    もうどうしようもありません、
    お譲さんのように自分の世界に入ってしまって聞き分けのない子は、
    将来は作家にでもなりゃいいんです。
    どうしてるだろうか、あの先生は。
    私がほんとに、作家になっちまったことを知っているだろうか。
    物理の零点が、今の私の生活に、なんの影響も与えていないとわかっているだろうか。
    会いたい気がする。
    今なら、私は勉強が出来ない、と開き直れるのだから。

    こんなひとが書く作品は、そりゃぁ~おもしろそうだ♪

  • 自分の高校時代を思い出すような内容でした。

  • 内容難しい。理解できなかった。
    でも自分の中の偏見、片親だと〜、勉強ができないと〜、などの偏見がちっぽけなものだと感じた。

  • 2018年の5,6月に読んだことがあり、手元になかったので古本屋で発見してすぐに再読した。

    当時の僕は世論に対して、自分が正しいと思うことなら一般論でなくとも主張していて、そのことを誇っていた節があった。ちょうど本書の番外編の幼き日の秀美のようだったと思う。

    今でもときどき僕は自分の考えと食い違う意見に遭遇すると、その意見の持ち主に敬意を払わず程度が低いだとか浅はかだとか言って、その人が自分の敵だと思ってしまうときがある。「僕と深く関わったこともないくせに」と、自分に対して心ない発言をしている誰かを認められなかったりするわけだけど、そんなときに僕は敵味方のボーダーラインをびっしりと引いてしまう癖がある。

    そういう僕の欠点を指差して指摘するわけではなく、あたかも僕がひとりでにそのことに気づいたかの如く諭してくれる素晴らしい作品。僕の大切な人に「ぼくは勉強ができない」と同じように諭してくれる友人がいて、この本はその彼らと話しているような感覚になれる。

    実体験的な話かつエゴが過ぎるかもしれないけど、心から時田秀美みたいになりたいと思うし、ぼくは勉強ができないから勉強できることはたくさん詰まってる。

    またふとしたときに読み返したいなあ。

  • 高校生だった私が何度も繰り返し読んだ1冊。
    泥だらけの水たまりに落として、薄汚れてしまった思い出のハードカバー。

  • 高校生の日常を描いた作品で、特別な事件が起こる話ではないのにおもしろいです。
    主人公とその家族(母と祖父)が魅力的。
    時差ボケの話が特に好きです。

  • 主人公の秀美のサバサバ感と率直な感想は読んでいて気持ちがいい。各章のタイトルもその短編の中でうまく消化されている。秀美は山田詠美の投影ではないか?と思う節もある。著者も述べているが、今作は大人が読んだ方がなにかと感化されるのではないか。

  • 家族、恋人、友達、学校の先生を始めとする大人の人達、自分とは違う価値観を持ったたくさんの人と関わっていくことで人生観が形成されていく。他者との関わりの中で人間は最も成長が出来るのだと、そう改めて気付かせてくれる作品だと思います。

    ストレートな表現ばかりで話が展開されていくので、子供から大人まで多くの人の心の中に真っ直ぐに語りかけてくれる作品だと思います。小説の堅い文章が苦手な人でも安心して読むことが出来ます。

    ただ、素敵な作品だとは思うのですが自分にはあまりしっくり来ませんでした。高校生の主人公が終始連発する性に関する発言に若干の嫌悪感を抱いてしまいました。読むタイミングが違ったのかもしれません。いつかまた読んでみたいと思います。

  • 多様性を認める
    画一的な授業からの脱却
    だけど子どもは一人じゃない
    チャイムは鳴る
    指導要領は決まっている

    素敵で面白かったけどそればっかりハラハラしちゃった...わたしに秀美くんと一緒に少しずつ進んでいくことはできるかな...

  • 特に大きな出来事が起きるお話ではないけど日常の中で勉強以外の大切なことを教えてくれるようなお話でした、山田詠美さんというとドロドロした恋愛小説などのイメージが強いですがこのお話は少し印象深いお話も出てきますが基本的に優しく読みやすかったです、大事なことを教えてくれるような本です、是非!!

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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