ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.78
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本棚登録 : 18929
感想 : 2159
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036168

感想・レビュー・書評

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  • こういったタイプの無気力鈍感主人公が苦手なのもあるけど、それよりも価値観が苦手だった。『賢者の皮むき』の女の子の言葉がその通りすぎる。

    「勉強しか出来ない奴ってつまらない」って言葉、当時は衝撃的だったのかもしれないけど、現代から見たら勉強が出来ない人間の負け惜しみでしかない。

    世間の色んな価値観へのアンチテーゼってテーマは分かるけど、自分以外に攻撃的すぎる。
    今は凝り固まった偏見を攻撃するんじゃなくて、色んな価値観を受け入れる時代。だから、私はこの作品の価値観が合わなかったんだと思う。

    でも色んなテーマについて考え直させられたし、日常のふとしたところにいっぱいそういう事あるよねってのが多くて、そこは物凄く面白かった!

  • 高校生の頃に読んで好きだった記憶があり再読したのだが、主人公の特別意識が凄くて疲れてしまった。
    真っ当な事を主張してはいるし、ハッとする部分もあるのだけれど……。
    好みの問題。

  • ワクワクして読んだ割には、途中なんだかぼーっと読み勧めたところもある。
    結構ひねくれたというか、なかなか一緒にいたらめんどくさそうな主人公は小説であんまり好きじゃないタイプ。
    どこにでもいそうな人、あんまり決定力がない人が主人公のほうが私は好きみたい。

    作者の本、いろいろ読んでみたかったけどそこまでこの本は好きになれなかったな。

  • 文章が難しい箇所がいくつかあって、意味が分かる人には深いのかもしれないけど、分からない人には考えても分からない類の難しさだった。
    読む前に想像していた、「かっこよくて個性的な男子高校生の清々しいお話」というのとは、少し違ったように感じる。主人公のかっこよさとか個性とかは、そんなに際立って描かれていない気がした。
    確かに変わり者の男の子だけど、多分誰もが抱える自分の性格とか考え方に対する悩みを、主人公目線でストレートに描かれているという感じで、「変わってるなー」よりは、「分かる分かる」という感じ。
    みんな変わってて、みんな普通で、みんな色々なこと考えて生きてるんだなーと思った。でも、あまり心に響くものはなかった。

  • こんな高校生がいたらどうしよう。
    ある一点を除いては、素直でまともで本質をついている。いや、ある一点も人間の本質か。うーん。
    すっきりしつつも悩む本でした。

  • ジェンダーや家族像など、日本の昭和のステレオタイプな価値観や考え方を問う本。初出は1991年とのことで、当時の日本においては非常に斬新で、先見性のある作品だったのだろう。
    ただ、それから30年以上が経った今、この本の良さは失われていると感じた。ジェンダーや家族像に関する考え方や、教師と生徒の関係も変わっている。主人公の秀美が投げかける疑問も、全てとは言わないまでもすでに社会で共有されてきている状況なので、現代の読者が読んでもあまり刺さらない気がする。「保護者」じゃなくて「父兄」って単語が使われているのも、書かれた時期を考えると仕方がないのだけど、だんだん伝わらなくなっていくだろうし小説の主題に反していて「う〜ん」って感じ。

  • 言葉選びのボキャブラリーが豊富。一度読むだけでは理解できない文章が多々あり、それを楽しむ作品なのかと。紋切り型の良い子を目指し、自分らしさを失う子になってほしくない、子育てに感銘を受けた。

  • なんか主人公の男の子が全然魅力的じゃない。
    こんな高校生おるか?
    高校生が家族の前でセックスなんて言わないし、(この主人公の家庭環境が特殊とは思わないし)
    思春期なりに悩むことはあっても、高校生の時点で人とは〜なんて考えないと思うし…
    急に誰目線?みたいな解説みたいな面倒くさい説明入るし…
    私は全然良くないなーと思いながら読みました。

  • 『世の中を俯瞰的に見れてる俺君』が出てくる話は当たり外れがある。

  • 内容難しい。理解できなかった。
    でも自分の中の偏見、片親だと〜、勉強ができないと〜、などの偏見がちっぽけなものだと感じた。

  • 大人の女目線で理想的な男子高校生を作り上げていないか?
    母親、祖父、桃子、桜井先生も理解ある大人すぎないか?

    人間の価値について、性について、恋愛について、死について、
    主人公は達観し、それでいて純粋な視線で観察している。
    同年代の女子からは大人な存在。母親や年上の恋人からは可愛い存在。

    主人公の悩みや言い分は尤もだが、あまりに達観し過ぎて面白みに欠けた。

    解説について、確かにそのような感想を持つが、褒め過ぎだろう。

  • 2012.100


  • 名作と呼ばれるので、一度は読んでみたい作品であり、期待値も高いかった。
    その分、ガッカリしてしまった。

    まず、世界観に入り込めなかった。
    主人公のキャラクターが好きではなかったのが原因かと思われる。容姿に囚われすぎている印象で共感できなかった。
    先生の性格も好きではなかった。生徒を批判するような描かれ方で違和感があった。

    ただ、印象に残る文章もあったので、それゆえに名作と呼ばれるのだろうと、所以はわかった。

    時間をおいて再読すれば、魅力にきづけるのかもしれない。

  • 主人公の考え方や発言にはハッとさせられるところが多かった。思わず自分の中学生時代を思い出した。(本書は高校の話であるが)
    短編集だということを知らずに読んでしまったため、少し物足りなさを感じた。

  • 最初は主人公のキャラが好きになれなかった。秀美みたいなタイプは魅力的だけど、脇山くん、先生など主人公が嫌いなタイプをただただ悪者にしたて、嫌いで終わらすのもよくない。二元論すぎる。
    それこそ全てに丸をつけろよ。

  • 別に必要ないセックスシーンをわざわざ書く作品は、作者の自己陶酔を勝手に感じてしまいどうしても好きになれない。

  • この本もマコなり先生がおすすめしてたので読んでみた。

    テーマとしては社会のルール(ルールとは言わないまでも普一般的な道徳)に縛られる環境に、違和感を感じる主人公がその葛藤を描くというよくある内容のもの。日本というお国柄、このテーマは普遍的なものなんだと思う。特に昔の年代になればなるほどいまより厳しかっただろうから、より共感も得やすかったのだろう。2000年より前だから少し時代性も感じる。

    文章の節々に共感できる言葉が多々あり、多少は心に刺さる言葉もあったりした。

    終盤の番外編はよかったけど、そこにたどり着くまでの高校生はすこしダレる感じあり。

  • 読んでて価値観をおしつけられるかんじがすごく癪で、なんで私は自己啓発本わざわざ読むのやめて小説読んでるのにこんなイライラするのだろうと感じた。
    ⚪︎をつけよの話はよかった!バツつけてるじゃんって思ったけど

  • 読みやすさ1
    面白さ1
    また読みたい0

  • 国語の先生が生徒たちにオススメする本でよく挙げられる本書。

    だけど、うーん、いまいち。

    主人公の秀美に共感できなかった。リアル高校生の頃に読めば共感できたのか?

    等身大の高校生の話というよりも、大人が書いた高校生の話って感じがした。セリフもちょっと滑ってる感があり…

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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