蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 420
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036182

作品紹介・あらすじ

私の心を束縛し、私の自由を許さない美しき親友のえり子。彼女の支配から逃れるため、私は麦生を愛し、彼の肉体を知ることで、少女期からの飛翔を遂げる「蝶々の纏足」。教室という牢獄の中で、生贄となり苛めをうける転校生の少女。少女は自分を辱めた同級生を、心の中でひとりずつ処刑し葬っていく「風葬の教室」。少女が女へと変身してゆく思春期の感性をリリカルに描いた3編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 少女が女になる、この時期の複雑で湿っぽくてナルシストっぽい感性が描かれている。すっごく好き、こういうの!
    登場してくる少女はみな幼くて賢い。でも、誰もが一度は考えて、悩んだ経験のあるものばかり。私も同じようなことを考えていたが、それは中学生だったころだ。
    「みんなはキャッキャはしゃいでて、何にも考えてない。私は違う。私はみんなより全く大人。私みたいに考えたり、感じたりする同級生はいない。みんな子供。早く大人の世界に行きたい。」みたいなこと思ってて(笑)、ナルシストっすね~。今はもう、似たようなことを皆考えてきて、今も同じようなこと考えてるって分かったから、変に気取ったり、軽蔑したりしなくなった。成長したなぁ~(笑)。
    女の子なら必ず通る道だから、読んでて共感しっぱなし。なんか嬉しくなった。

  • 子どもの頃は自分がいる世界が全て。
    ただたまたま同じ地域に住んでいるだけで、気の合う人を見つけられたら奇跡だということも知らず、
    大人たちに当たり前のように仲良しの友達を見つけることを強要される。
    狭い世界で苦しまなくていい。
    世界は広い。
    焦らなくていい。
    ちゃんと自分の場所は存在しているから。
    多感な時期に出会って欲しい1冊。

  • 著者の根底に流れる、呑気な家族への愛。
    安全基地があるっていいよなあ。
    性愛だけでなく、子どもを書くのも上手い。

  • この本は「蝶々の纏足」・「風葬の教室」・「こぎつねこん」で構成されています。

    私は特に「風葬の教室」が印象に残りました。
    1ページ目の始まりは、ん?どういうことだろう?という印象を受けました。読み終わってそういうが言いたかったのかと考えさせられました。

    客観的視点での、主人公の内面とクラスメイトの描き方が見事で読み応えがありました。終盤の姉の言葉から内面の変化が起こっていく様子は鳥肌が立ちました。

    表現の仕方が美しく、多くの人に読んで欲しいと思う良い作品です。

  • すごく面白かった。一気に読み終えた。主人公のの考え方がいいなあと思いながら読んだ。

  • 親友に拘束されつづけた少女が男とのセックスによって意識を開放する過程を感覚的に表現する。

  • 最初に読んだのは中学の頃。当時衝撃を受けた。高校に入り内容を忘れた頃に気軽に友人に貸し、読み終えた友人がなんとも微妙な表情をしていた。

    表題の話はどちらもとても良くできていて甲乙つけがたい。無駄な文章が一つもない。
    蝶々の纏足は両方の人物に共感できる部分がある。カタルシスがあるのでエンタメ小説としても楽しめる。読むたびにこれはこれの比喩になってるんだと新たに気付かされる。
    風葬の教室は小学校の狭い人間関係の中でいじめが発生する過程を丁寧に書いている。吉沢先生は最初読んだ時めちゃくちゃ腹がたった記憶があるが、今あらためて読むと逆に好感を持った。
    心に刺さるのは 風葬の教室>蝶々の纏足

  • 蝶々の纏足
    女子同士の依存関係が生々しかった。
    幼馴染で学生という狭い世界での共依存。
    成長するにつれて、人間関係は変わっていくから、その関係からの別離もあるよねと再認識。

    風葬の教室
    クライマックスが清々しい。
    こんな事言うのは学生のセリフだろうけど、
    先生って何にもわかってない!!笑

  • 美しいと汚いが混ざった稀有な小説だった。主人公の尖った独白から目をそらしたいと思うと同時に、ずっと読んで浸ってもいたいという感情が湧き出る。『蝶々の纏足』は、特にそのような思いを感じた。もっと早くにこれを読んでいたら、わたしは少しでも変われていただろうか。たとえば、もっとわかりやすい「好ましい不良少女」になるとか。

  • 本書に拍手を送る読者は多いだろうから(特に女性)、また拍手を一つ付け加えるだけになるだろうけれど、思春期の少女を描いた小説として、これに勝る小説(集)をちょっと思い出せない。
    本書を一言で言い表すなら「孤高」。
    学校にすら漂う、いや、学校であるからこそ厳然としてある「世間」というものを軽蔑しながら、自分の好きな男を追い求める少女の超然とした態度が何よりもとうとい。
    「風葬の教室」での、死なないという選択をする少女に、身震いするほど感動した。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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