アニマル・ロジック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1090
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036199

感想・レビュー・書評

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  • 前から一度は読みたいと思ってたんだけど、
    長くてなかなかふみきれなかった本。
    ちょっとだらだらしてる感じもあるけど、読み応えはある。


    山田詠美のこのテのテーマはよく見られるけど、これが最も真摯に向き合った作品なんだと思う。

    人種
    貧富
    性癖
    病気
    人を分ける様々な要素。
    日本でこの時代に生きてきたあやには、にわかには実感がわかないくらいに、その要素で人を嫌いになれる人がいる(みたい)。

    でも人間という動物としてみたとき、ハードをとりさったとき、
    残るロジックは同じ。
    人間社会で生きていると、そのロジックは本当に小さくてゆがみやすいものだけど、
    忘れかけそうなときにはそのロジックを見直したい。


    そのロジックのひとつに、愛し愛される、同類の仲間を作ることがあるんじゃないかなと思う。
    いくらヤスミンが自由でも、ソウルが必要だったように。

  • 実力発揮、必読書。

  • 2016/12/10読了。
    彼らは血液の中にいる、なにか。
    住処であるヤスミンは最初20pごとに色々な男と関係を持っていて、なんてビッチなんだろうか、と笑
    すごく独特な作品だったと思う。
    人種差別は単一民族の日本ではなかなか身近なものではなく、世界の中のリアルさがわかりにくいけど、この作品でなかなかにリアルなものを見ることができたように思う。
    それにしても、ヤスミンを蝕んだ病気はHIVではなくなんだったんだろう?

  • まさに分類不能。読んだことの無いタイプの作品だった。
    ヤスミンが純粋にかっこいい。
    まったくぶれない。
    読んでいて自分も背筋がしゃんとするような・・・

    人種差別、死、などいろいろな軸が据えられているが、
    何か説教くさい感じというのはまったくなくて、ヤスミンの視点を通してすごくシンプルな物事の見方が語られる。そこには人にどう見られるかなんか気にしない、すごく毅然とした態度があって、ともかくかっこいい。これは作者の価値観なのか?!
    他の作品もすごく読んでみたくなった。

  • 山田詠美と聞くと、やはり恋愛小説を考えてしまう。
    もちろんこの「アニマルロジック」もその一つなのだが、

    私は、恋愛小説というものがもともとあまり好きなほうではなかったので、自分からこの分野の本を読もうと思うことはまずなかった。

    しかし、知り合いに「読め!!」と渡され、必死に読みました。
    めっちゃ分厚い文庫本。

    だけど、読み終わった後の気分は、悪くない。

    色々考えされる本。読むたびに様々な刺激がありそう。

  • 昔の自分には厚かったけど、すとーんと読んだ。
    ピクミンみたいなイメージだけど全然違うかも。

  • 山田詠美さんの文章は、美しい文章の中に、彼女の一貫とした考えがつら抜かられていて、大好き。
    この本は彼女にしては珍しく、私達が認知してないものについて書かれているけれど、それを人の世俗的なものと、上手く絡み合わせることができるのは、凄い。

  • いつもカテゴリに悩んでしまう。ファンタジーっぽいけどでも違う・・・。山田詠美さんの価値観がとても好き。登場する女性も素敵です。

  • 山田詠美はこの作品を失敗だって言った。だけど凄い。彼女の本は短編集がたくさんあってそれぞれ女が迷ったり悩んだり、この本は長編でいろんな悩みがいっぱい出てくる。人種差別についてとか、HIVとか、だけど途中からほんとの愛って何っていうのを考える。ヤスミンは変な人だしひどい人間かもしれないけど、すごい。私はすき。内容が濃い。

  • 自由ってなんだ。
    考えさせられる一冊。

    文章はリアリティが強く、いつもの美しい言葉回しは少なめ。
    他の作品より、人種問題等の社会問題をシリアスに書いているように思う。
    それも軽快な文章で重くなりすぎない。流石。

    肌の色、生まれや育ち、皆それぞれ違う。
    同じ人間なんかいない。だけど皆、同じ人間だ。
    なんて当たり前のことをさらりと書いてあれだけの説得力があるのは何故だろう。

    山田詠美の価値観に改めて共感。

著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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