学問 (新潮文庫)

著者 : 山田詠美
  • 新潮社 (2012年2月27日発売)
3.58
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  • レビュー :128
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036267

作品紹介・あらすじ

東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。4人は友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。一歩一歩、大人の世界に近づく彼らの毎日を彩る生と性の輝き。そして訪れる、それぞれの人生の終わり。高度成長期の海辺の街を舞台に4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぐ、渾身の長編。

学問 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 山田詠美の主人公って、いっつも、すごい共感を取りにくるけど、実際は絶対こんなやついないって思うから、なんか近いふりして見下ろされてる感じで、思い出して嫌いになるタイプだ。

  • 性と生きることはひとつのものなんだろうと思う。
    山田詠美の本は、いつもそこのとこ突きつけてくる。
    いやらしいとか、何言ってるの? あたりまえのことなのに? って。



    7歳の主人公たちが出会って、心が通って、大きくなって、
    小学生になって、中学生になって、高校生になって。
    その一瞬一瞬どれもが、いつかどこかで経験したようなことなの。

    よくぞここまで、幼少期の感性を、大人が思うよりもずっと見えていた世界を、
    こんなに綺麗な文章で描けるなぁって。
    ただただ、感嘆。



    わたしたちって、
    自分中心の一対一の関係しか目に入らない幼い頃があって、
    大勢の中での自分、多人数の中での力動が中心の思春期がきて、
    それから、自分にとってのひとりを見つけて、また一対一の関係に戻ってく。

    でも、この本の主人公たちは、
    どの子もどこかで、一対一の関係につながれたままのような感じがする。
    幼い頃から解き放たれないままで。
    なんか、そこがあやうくて、緊張感をあおる感じ。



    「まっとうに死んだ人間が好き」 っていう言葉が出てくる。
    なんだか、それもドキドキするような台詞だ。

  • 静岡県の架空の町、美流間市に東京から引越してきた
    仁美。
    美流間市に住む
    カリスマ的存在の心太、食いしん坊の無量、眠るのが好きな
    千穂。
    四人は、友人というには長い時間濃密な日々を過ごし
    大人に近づいていく。
    仁美が無意識のうちに性に関心を持つと同様に
    三人の幼馴染もそれぞれの性に目覚めていく。
    なじんだ土地への愛着と、幼馴染への複雑な絡み合う気持ち

    ずっと心太に心を繋がれていた仁美は、
    最終的には結ばれない人生のようだけど二人が幼馴染がだけではない関係で終わりそうもない物語の最後が良かった。

    ただ、二つ引っかかるところがあった。
    一つ目は、心太と千穂が肉体関係を持ったところから
    なぜか仁美や無量までもが
    安易に関係持つ様になった様な気がします。
    これが、大人になるってことかも知れませんが・・。

    二つ目は、遠州弁?の様な方言が「だら」や「だに」
    が多すぎて私は静岡で生まれ育ったので
    最初違和感を抱いた。

  • 海辺の田舎町で幼なじみの男女4人が織り成す、キラキラした生と性の物語。
    幼い心を通して初めて感じる性の感覚がとても共感できた。
    登場人物みんなが感情移入できるほどよく描かれていた。
    2015/03

  • 固いタイトルと、性愛の目覚めをメインとした内容のギャップ。一人で読むべし。電車では読む勿れ。

  • 何よりタイトルが良いなあ。ある意味『僕は勉強ができない』と対になっているかのような、見た目の意味は正反対のようで、テーマは同じというか、ざっくり簡単にまとめてしまえば、学校で習う勉強だけが学問じゃなくて、人生そのものが学問なんだよってことだと思います。うん、良かった。

  • 小学生の時、親の仕事の都合で美流間という田舎町に越してきた仁美。そこで知り合った同じ社宅のチーホと学校でも町でも一目置かれている心太、食べることが大好きなムリョ。主にこの四人の子供らしい仲の良さや何気ない遊びの中に見出せるきらめきを描いている。でも、いずれも大人から観た子供像という枠を出ない。性の目覚めについても描かれているけど、性の目覚めを赤裸々に描くこと自体がもう定型化しちゃっているから今更山田詠美でこんなの読むとはな、と期待はずれ間を抱いて読み勧めていた。
    ところが突如間欠泉みたいに沸きあがる心太の僻みっぽさとかむなしさが出てくる(三)あたりから夢中になり、すっかり子供じゃなくなった彼らのやり取りに夢中になり。そして語られることがない冒頭の死と最後の死の間に横たわる関係。気になる。でも、気になったままでいいかなと思う。「ずっとついていく」と決めた仁美の言葉だけで十分だ。人の一生をこんなふうに語ることも出来るんだな。

    山田詠美を読んだのは3年以上振り。デビュー作から順を追って貪るように読んでいた頃とは違うときめきを味わえた。

  • 少年少女4人の青春物語。小学生から高校生ぐらいまでの時間が語られる。

    詠美さんの作品は本を読みだした頃よく読んでいた。わりと久しぶりに読んだけど、ストレスなく物語を読むための言葉の配置とか持っていきかたが上手くてこれは天性のものだなと思えるようなところがある。

    詠美さんなので性の芽生えとか、そういったことが物語の大きな構成要素になっている。「このエピソード他の著作にも似たようなのがあったな」と思ったけど思い出せなかった。なんだったろう。

    「他の人を心理的に支配してしまう」心太という存在がとても興味深い。こういうのを読むと人と人との関係で対等、ってのは幻想にすぎないんじゃないかと思ってしまう。どんな関係にも少々のずれがあるんじゃないだろうか。

    詠美さんの異性の捉え方がずっと印象的だ。どの小説か忘れたが「こういう時に男は便利な存在だ」「セックスで埋まらないところを埋めてくれる」というような意味の一節があって、どこかで詠美さんの作品を思い出す時に常にひっかかっているのである。この作品でもそれが出てきた。『ベッドタイムアイズ』の「スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい」というフレーズが輻輳する。

    この本の解説は村田沙耶香さんが担当している。村田さんもご自身の性体験からのこの本および詠美作品への接し方を語っていたのが印象的だ。村田さんのものは『授乳』しか読んでないので2作目を読む時に念頭に入れようと思う。

  • こんな話を最近ちょうどしていたので、なんというか…人生ってタイミングだなぁ。

  • 山田詠美の世界

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