- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101036274
作品紹介・あらすじ
不倫? 倫理が何かは自分で決める――。35歳の和泉桃子は当代随一の料理研究家・沢口喜久江の助手を務めつつ、彼女の夫・太郎と付き合っている。「人の夫を寝盗ること」を趣味とする桃子だったが、喜久江を心から尊敬してもいる。一方の喜久江は、太郎の女癖を受け流すのが常だったが……。“lover”と“wife”と“husband”三者の視点で語られる「危険な関係」の行方は。極上の詠美文学!
感想・レビュー・書評
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引っ越しをする中で、ずっと積読のままであった本書を読みましたが、登場人物たちの何とも形容しがたいエゴイスティックな感じが個人的には好みではなかったです。ある意味、不倫してる人ってこういうエッセンシャルで利己的な感覚なんだろうなっていう感じです
本書のテーマはズバリ不倫。料理教室の先生である喜久江とその旦那である太郎、その料理教室に通う桃子の三角関係を描いております。各チャプターで語り手が変わり、それぞれの主観で、この三角関係を捉えるというような構成。
昨今のワイドショーでは、毎年、芸能人の不倫騒動が取り上げられており、世間的にも関心が高い中でのテーマだったのですが、「倫理に反すること」を具体的に捉えすぎてて、あまりそれがピンとこなかった感じはありました。
ラブアフェアをテーマにした作品は割と読む状況や環境によって左右されると思うので、まぁ今回読んだタイミングでは合わなかったって感じです。ただ、山田詠美さんのなめらかで特徴的な表現力はすごいなぁと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初読み作家さん、新作のコーナー?にあり手に取るも、、、私には合わなかった、、
初読みで失敗すると2冊目遠のきます(涙)
夫、妻、愛人(夫の)
妻と愛人料理研究家と助手の関係。
それぞれの視点で章ごと進むけど、
心の中の考え方が書かれてるが、物語自体は進まず、ダラダラ感を感じてしまい、、
途中から読み飛ばしてしまいました。
結局この本の面白さを把握できないまま終わり。
山田さん申し訳ありません(◞‸◟)
あー、、本との相性ありますね。。
伊坂さんの777
伊岡先生の残像
新刊今週かな、楽しみに待とう( ˊ̱˂˃ˋ̱ ) -
不倫というドロリとした三角関係のはずなのに、軽快で、なんておもしろい人たちなの。
平和な不倫関係ではあるけれど、それが事を余計にややこしくさせていて、だから更におもしろい。 -
不倫のお話ですがドロドロした描写はなくて、lover、wife、husbandと当事者目線で語られるので淡々と読み進めることができました。自分が当事者だったら喜久江のように受け流すことはできないけど、最後の結末には作品のタイトルが回収された感じで作品として楽しめました。
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普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。
山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした! -
不倫の話なのに軽快で淡々としている。
lover、wife、husband 三者の視点で語られ、不愉快になったり共感したり様々な感情が入り乱れた。 -
不倫の真っ只中にいる3人の男女の視点切り替え方式が、なんだか法廷に立ったような感じで色々と自分なりの論理や言い分を遠回しにこちらに投げかけてくるようなものを感じて面白かった。
ドロドロしていて、辛い。
同じ女としては、奥さんである料理研究家の先生がどうか報われて欲しいと1ページ1ページずつ捲っていた。悲劇ではない不倫、だとしても、夫である男性はなんとも罪深いとも思える。桃子にしたって。立派な共犯関係であるのだから。
そしてきっと桃子ちゃんはこれからも人の男を何食わぬ顔して掻っ攫って食い尽くすと思うな。誰と居ても。知らんけど。 -
「人の夫を寝盗ること」が趣味という桃子。
彼女に悪気はない。
そんな桃子の恋の相手は、尊敬する料理研究家の沢口先生の旦那で、売れないイラストレーターの太郎。
そんな3人の視点で話が展開される。
今までの旦那の浮気相手とは違う、自分の身近にいる女。
危険な三角関係ではあるけれど、内2人には悪気がなくて…なんだかね…
ちょっと普通では考えにくいかも…
2024.10.14 -
不倫を扱った小説なので、人間関係における泥臭い部分が見えると期待していましたが、予想以上のものを見れたと思います。三角関係にあるそれぞれの主観が各章で見れるため、面白いですし、何よりユーモアが溢れていると思いました。
桃子の考え方や会話の返しなどが非常に面白く、解像度の高い描写が多く、予想外の所で楽しませて頂きました。
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久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。
言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。
やはり私は作者の作品が好きだと思った。
著者プロフィール
山田詠美の作品





