一晩置いたカレーはなぜおいしいのか 食材と料理のサイエンス (新潮文庫)

  • 新潮社 (2022年1月28日発売)
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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784101037417

作品紹介・あらすじ

一晩置いたカレーはなぜおいしいのか? 子どもたちはどうしてピーマンが嫌いなのか? ワサビがツーンとする理由は? 味、食感、香り、栄養素……すべての謎を解くカギは、食材が生きていたときの姿にあった! 数々のベストセラーを送り出してきた研究者が鋭く考察。料理や食事が楽しくなる「おいしさの秘密」をご賞味あれ。ジャガイモを煮崩れさせない方法など、調理の裏ワザも多数紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 稲垣栄洋『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』新潮文庫。

    食にまつわる科学的蘊蓄エッセイ集。全体的には平凡な内容かな。

    カレー自体の美味さの秘密はそういうことか。そして、一晩置いたカレーがなぜ美味いのかという謎については興味があるが、その理由を読むと新たな謎が。家庭のカレーなら解るが、洋食屋のカレーはなぜ美味いのだろうか。

    食材の色や匂い、味の秘密や栄養素、調理の裏技などが紹介される。

    本体価格550円
    ★★★

  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか。正体は"あの食材"だった 『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』 | BOOKウォッチ
    https://books.j-cast.com/topics/2022/03/17017469.html

    「一晩置いたカレーはなぜおいしいのか」稲垣栄洋著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/302889

    Kanda Yumiko
    http://kandayumiko.com/

    稲垣栄洋 『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/103741/

  • 稲垣栄洋先生はこのようなグルメ方面のお仕事も受けられるのか、と本書を初見して思った。幅が広い。読んでみると、植物専門の筆者ならではの科学本に仕上がっていることに思わずニヤリとしてしまった。構成は、料理(例えばカレーライス)の食材ごと(じゃがいも、にんじん、玉ねぎ)といったカテゴリーに分け連作のように綴ったものである。得意の植物系材料に多くのページが割かれているのはご愛嬌。多くの人が知っている事実から、マニアックな事実まで書かれていて楽しめた。中でも大根の項目が詳しくて好き。インドカリー子さんの巻末解説があるが、こちらも専門的で面白い。グルメ裏ワザ本として読むと、本書は期待外れの部類に入るかもしれないが、食材ウンチク本として受け入れた方が面白くためになる。

  • 他の本を購入するときに手に取ったもの
    タイトルにあるカレーだけでなく沢山の食品に関する知識が書いてあり読みながら「へー」と思っていた
    そして作者の食べ物を大切にする思いも読み終わってからだが伝わってきた
    一つの内容が短く隙間の時間に読むのに向いてる本だと思います

  • 数々の食べ物に関する雑学が載っていて面白い。
    印象に残ったのは、なぜ大根役者と呼ぶか。大根は日持ちする野菜でなかなか当たらないという。そこから、下手で人気を呼ばない役者のことを当たらない役者=大根役者斗呼ぶようになったとか。
    題名の由来。ジャガイモのでんぷんが溶けることによってとろみが生まれ、カレーがまろやかで上手くなるというのは理にかなっているなと思った。

  • 現行の光村国語教科書中1に、ダイコンは大きな根?という説明的文章が載っているのだが、この本からの出典だったとは。知らずに読んでいたので驚き。シンプルで分かりやすい文体。
    食べ物、料理、生物分野に興味のある人におすすめ。ついつい誰かに話したくなる知識満載の一冊。特に、赤は食欲増進の色だから、ファストフードチェーンのマークや屋台提灯に用いられていると知って納得。植物の身が赤く色づくのもアピールなのね。

  • 野菜、魚、蕎麦などいろいろな食材についての雑学が盛りだくさん。
    科学の話だけではなく“なぜ関東では「肉まん」関西では「豚まん」と呼ばれているのか”など歴史に纏わる話もあり、この本を読んでいると自分の豆知識が増えていくようで楽しかった。
    野菜の切り方や卵の保存方法など参考になったことも多かったので、ブクログのフレーズに沢山記録した。
    最後にある印度カリー子さんによる解説も読み応えがあり面白かった。

  • とても勉強になった。面白かった。

    ・レタスはちぎって食べなければならない。
    ・ハネムーンサラダの由来はLet us only
    ・じゃがいもはくき。
    ・タマネギは切る前に冷蔵庫に入れるとしみない。
    ・タマネギはレンチンしてもしみない(これをやってみたら号泣したので実証失敗)。
    ・タマネギをサラダにするときは輪切りにして水にさらす。
    ・タマネギを煮物にするときはタテに切る。
    ・山芋のかゆみは酢水で消える。
    ・山芋は厚くむくとかゆくならない。
    ・山芋はすり下ろして冷凍するとかゆくならない。
    ・とろろにはだ液と同じくらい消化能力があるため、かき込んでもよい。
    ・とろろに消化の悪い麦飯は理にかなっている。
    ・大根の殺菌作用は加熱すると消える。
    ・大根は当たらないので「ダイコン役者」という。

  • あれもこれも美味しい秘密!

    タイトルに惹かれて読み始めた。カレーに始まり朝ごはん、チャーハン、お好み焼きなど人気のメニューを手がかりにさまざまな野菜や肉その他食材の育ち方、栄養素、調理の秘密などが紹介される。知らなかったこともあるし、知っていたこともあるし、そういうことだったのかと気付くこともある。毎日食べるご飯がより美味しくなる本。

  • 果実食のサルはビタミンCを体内で作る能力を失った。
    肉食動物は肉を分解するために人類の20倍の胃酸濃度。腸は体長の3~4倍と短い。
    植物食の人類の腸は12倍、有毒物質が発生しやすい。
    食物繊維が排出し、餌としている善玉菌も増える。

    葉菜類 
     冬を越しやすいロゼット形状 根っこを太らせる 旬は冬から春
    ジャガイモ
     茎が太ったもの 芽が地上に出る時に食べられないように毒のソラニンを生成する
    トウガラシ
     カプラシンを解毒するため胃腸が活性化、 脳内モルヒネのエンドルフィンを分泌
     コロンブスが新大陸から持ち込んだ  インドのカレーの味も胡椒から唐辛子へ
     距離を移動し辛さを感じない鳥のみに運んでもらうために赤くなった?
    カレーを一晩置くと
     ジャガイモのでんぷんが染み出し、舌に残りやすくなるため味が強く残る
     低い温度で加熱するとペクチンが他と結びつき煮崩れしにくくなる
    タマネギ
     サラダには横に切り、水につけると苦みが抜け出る
     炒め物には縦に切り、うまみを逃がさない
    ニンニク
     殺菌作用により、体が免疫力を高めるために活性化する
    大根
     冬を越すための栄養分 消化酵素で分解し成長 食害を受けると防御の辛み 
    赤身と白身
     持久力の赤筋 瞬発力の白筋
    ソーセージ
     ウインナー  =羊の腸 <2cm
     フランクフルト=豚の腸
     ボロニア   =牛の腸 >3.6cm
    蕎麦  関東 濃口醤油 青魚赤魚 鰹だし  寒冷 保存した野菜
    うどん 関西 薄口醬油 白身魚  昆布だし 温暖 野菜の素材を活かす

  • 面白かった!

    もしも、孫に「肉しか食べないよ!」と言われたらコレを言いましょう。

    人間はサルから進化したから、ライオンと体が違うんだよ。
    ライオンは胃酸の濃度も20倍だし、腸の長さも短くて体長の3~4倍しかないんだよ。人間は12倍もあるから、肉だけだとヤバいんだよ、有毒なものが出来ちゃうから早く体から出さないと!
    肉だけ食べて生きていくためには特別な体の仕組みが必要なのよ。

    コレでいこう!

    バナナの減数分裂。
    ヒガンバナ・オニユリ・シャガなど球根を使う植物は、中国から持ってくる時に三倍体の物が選ばれたから、種が出来ない。

    ソバが救荒食なのは、イネ科の植物と違って茎や葉も食用にする事ができるから。

    印度カリー子さんの浸透圧の話が、私には一番すんなり府に落ちました。

    ワサビでは涙がでるけど、唐辛子では出ない

    サツマイモから根がでるけどジャガイモからは芽が出る。

    大根は土から頭が出るけど、ニンジンは出ない。

    ネギの先っぽの緑の葉っぱの裏表は?

    もう楽しい~。家族には迷惑だけど、アウトプットして、はじめて自分の知識になるから
    ボケ防止にね。










  • 『植物はすごい』と併読。どちらも素材である食材について触れており、
    こちらは植物だけに限らず書いているが、一緒に読むとより理解と記憶定着が
    出来て良かった。

  • キャッチーなタイトルに惹かれて購読。

    素材が持つ特性、それによって生まれる栄養素などが分かりやすく説明されています。

    私自身は関東育ちですが、両親は関西出身のためよく使う食材や味付けの地域差については実体験も相まって何度も頷きながら読みました。

    テーマにした料理ごとにいただきます、で締められているのが素敵でした。

    写真におさめるためだけの単純な見た目の綺麗さにこだわるのでなく、素材がもつ特性を活かした彩り豊かな食事が大切だなと再認識しました。

  • やはり食べ物から解説される本は面白い。再読

    日常生活で浮かぶ疑問や分かっているつもりだったことが綺麗に解説されている。
    カロチンってキャロットからきてたとは。

  • レタスとキャベツって似てるけれど、実は全然違う植物なんです。
    キャベツはアブラナ科ですが、レタスは何の仲間でしょうか?
      ① タンポポ
      ② ニンジン
      ③ トマト

  • 498.5

  • 光村図書・中1国語に掲載されている「ダイコンは大きな根?」の著者。本書は「新潮文庫 中学生に読んでほしい30冊」にも選ばれている。「一方で」「つまり」など接続語の使い方が的確で、中学生にもわかりやすい文体でありつつ、内容は専門的で詳しい。見事です。

  • 雑学って知ってて損はないもの、見ちゃうよ。

  • 野菜ばかりでなく、食べもの全般の豆知識がたくさん書かれています。
    今まで知らない知識ばかりだったので、とても面白かったです。でも、この蘊蓄を人に話すとなると、もう少し知識が必要かな。

  • 食や料理の単なる豆知識ではなく、化学的な解説も入っていたのが面白かった。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣栄洋の作品

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