老妓抄 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101040028

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んでいる間、なんども電車を乗り過ごしそうになった。題名が作品を表していて、しかも予想と違う話ばかり。小説はおもしろいと心から感じさせてくれる一冊だった。

    好きなのは「蔦の門」。孤独な者同士が牽き合い、孤独でなくなる話。気にかけていい存在があるからこそ、やさしい人になれることはあると思う。

  • 小説の力もすごくて驚いた

  • もっとドロドロ系かと思っていたので、意外とツルッといけてしまい、逆に不安。商売に身を費やしてきた小そのさんは観客席であって、プレイヤーになるつもりはハナからないという読み方をしてしまったんだけど、なんか見落とした??そのうちまた読み直し。「食魔」のほうがウゲーな人物で印象強い。

  • 理由もなくエキセントリックな印象があったけど、落ち着いた安定感のある文章に驚いた。特に鮨がとても気に入りました。

  • 初 岡本かの子。老女中と茶屋の娘が孤独なもの同士、素直ではない心の通わせ方を見せる「蔦の門」。極端に偏食(潔癖)な子供のために母が目の前で寿司を握って食べさせるシーンがキラキラしている「鮨」。当時評価の高かったという「老妓抄」は、現役を退いてからの老妓の生き方が肝が据わっていて背筋がピンとしています。老妓の短歌「年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり」かっこいいですね。奥深さにシビれます。

  • 著者の身の上話し?結構しんどい

  • 短編9作。明治の女性のどろっとした生き方が生々しい。文体が古めかしく、読みづらかった。15.5.15

  • 老境の芸妓の心境を描く老妓抄、どじょうなべを毎晩無心に来る老人の話、鮨をきっかけに偏食を克服した紳士の話。失われた明治の東京の街並みと人々の暮らしを、輪郭のある筆致で描いた短編集。風景や部屋のしつらえの描写が視線の移動や構図を考えてあるかのようで情景が見たこともないのに浮かぶよう。食べ物の描写が何気ないのにとにかく美味しそう。

  • 岡本かの子に興味を持ったきっかけで題がわからなかった話が収録されててラッキーというか何というか。(家霊)
    表題作は20代も黄昏時に差し掛かりモヤモヤしてるころに読んで妙に胸のすく思いがしたのでした。他の作品も寂しさの底に明るい身軽さの様なものを感じて、読後は不思議に爽快です。
    その後が気になるのは「越年」かなあ...堂島め!

  • 岡本太郎のお母さん、小説家なんだ!と知って読んでみた。
    今は老いた、芸者さんの世界にいた女性が主人公。
    美しく華やかな世界の裏側にある哀しみ、寂しさが、上品で美しく女性らしい日本語で書かれている。でも、嫌みとかなくて、サラッとしている。
    その世界観が、特別で、すごい人だと思った。

  • 文の流れが綺麗。例えば稲妻のように掠れ合う

  • 初かの子。

  • 岡本かの子さんって、育ちの良い人なんだな。と感じ入る短編集でした。嫌味とかそういった他意は一切含まず、純粋にそう思います。心地よくて、力強さみたいなものを感じる文章に気持ちが潤いました。一番好きな作品は「家霊」です。『何で人はああも衰えというものを極度に懼れるのだろうか。衰えたら衰えたままでいいではないか。人を押し付けがましいにおいを立て、脂がぎろぎろ光って浮く精力なんというものほど下品なものはない』この言葉がずっと頭に残ってしまって。

  • 言わずもがなではあるが、岡本太郎巨匠の母上。

    小説は時代を切り取って、その時代を表現する言葉を
    利用した芸術だろうと思う。
    本書は、まさに作者の生きた時代を表現し、
    読者の前に見事に現出させる言葉の魔術師だ。
    彼女にしかできないやりかかたで、きっちりと
    その時代の風景が見えてくる。
    そんな作品群を鑑賞して、在りし日の日本に思いをはせる。
    心の贅沢が得られる良書である。

  • 岡本かの子「老妓抄」読んだ。http://t.co/OuV1ClLk 苦労無く万事充たされると人は鬱屈して現実逃避したくなるのか。社会保障が充実している国の自殺率が高いこととか、バラードの小説にもちょっと通じる(つづく #金曜読書会 最近読書会に参加できてないなあ

    柚木は、漠然と絵空事に遊ぶだけでそれを実現する能力も真剣味もないし、かといって緩んだ日々に疑問や焦燥を感じない貴族的な精神を持ってもいない。努力もヒモも無理という小者で情けない。散々苦労して人の表裏を見てきたはずの老妓は、柚木のどこを見立てたのかなあ。 #金曜読書会

    いや柚木のそれが案外「まとも」ということなのか。老妓は自分の人生や半端なみち子には無い堅気の要素を柚木に見透かして託したかったのかも。老妓は柚木の逃走に妙に艶やかな気持ちになるけれど、最後の句を読むと全部織り込み済みという感もある。それこそが欲しいものというか。 #金曜読書会


    最後)みち子の自意識と子供っぽさは読んでて鼻につく。こういう人いるなあ、男も女も笑。「当てっこ」にはげんなりだ。無言無動でも異性を惹く人間に早くなりなさいな。あと内容からは離れるけど、今回は紙面の黒白配分というか字面の佇まいが気持ちよかった。こういう本を読みたい #金曜読書会

  • 下町の女性に焦点を当てた名短編。一つ一つの語彙をかみしめれば女性の苦しみが少しずつ味わえます。どんな味がするのでしょう。男の僕には想像もできません。

  • 太陽の塔を見る前に準備。

    期待せずに読んだのだが意外と良かった。

  • 食べる事と生きる事。
    生々しい生きる力を表面に押し出すのではなく、
    裏に隠しながらも溢れ出すように感じられる短編集。
    イメージ的に破天荒な作品が多いのかなあ、
    って思ったけど、そんな事はなかった。
    鮨、食べたくなりました。

  • ハードボイルドおばあちゃん。

  • 日常の贅沢さ、豊かさを実感する。
    家霊が最も胸に響き、それは歴史という大きな枠組みでは決して語られない地味でちっぽけなやりとり、
    そこに潜む人間の美しさをあぶりだし、多分に他愛を語っている。

  • 短編集。芸術的、そして美しい日本語で書かれた文章が美しい情景を想起させる。
    人と人との関わりの描写が面白い。登場人物はなにかを諦めた人たちだ。しかしその上で幸せをみつけていこうとする情熱的な様が愛しい。
    文章にも登場人物にも生命力が漲っているように感じられた。
    「鮨」で湊の母が握るすしがとても美味しそう。

  • 読みにくさはあるものの、惹かれるものがある。
    今の時代にはない、強さがある。
    悲しさも憎さも、今の数倍強い。
    だからこそ、明るさも光っている。
    本の中の人物が、生きている。

  • 5本の指に入る短編集。食べ物の描写が抜群によい。

  • 『家霊』と合わせて、ちくま文庫に入っている金魚のお話。金魚繚乱??を途中まで読んだ。

    鰌を無心に来たじいさんの手つきや金魚に超越的なものを見出しているようです。
    それが独特の言葉でえががれていて、味があります。

  • どの作品も何となくいいのだけど、何かが足りないという思いが最後までぬけない。
    それでも文章が読みやすく、江戸情緒の残る雰囲気は心地よい。


  • 心の内に潜んでいる孤独の哀しみや生きることへの情熱が
    垣間見えて、心震える瞬間が一篇一篇に秘められています。

    (2009.06.26)

  • お-3-1

  • 真綿で首をしめてるようだ・・・・。

  • 収録『食魔』,話としても大変面白いが,なんとまあ料理の描写が素晴らしい。食べたい・・・。この時代にこれだけの料理を描けるかの子ってスゴイ!フランス時代のたまものだろうか。葱とチーズを壺焼にしたスープやベリグリットソースのサラダって,どんなのだろう。

  • この雰囲気。大好きです。引き込まれて行く作品です。
    微妙で繊細な空気を表す文章が感動的でさえありました。
    日常のふとした瞬間にこの作品の情景が浮かんでくるようでなんだか不思議な気分になります。

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著者プロフィール

東京都生まれ。跡見女学校卒。1906年与謝野晶子に師事し「明星」に投稿。のち「スバル」同人として活躍。1910年画学生岡本一平と結婚、翌年太郎を出産。1929年から7年間渡欧。帰国後、1936年に芥川龍之介をモデルとした『鶴は病みき』で作家デビュー。以来、短編を中心に多くのすぐれた作品を残した。1939年没。

「2019年 『越年 岡本かの子恋愛小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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