小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 923
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101042046

感想・レビュー・書評

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  • 父親の、子どもたちへの深夜の独白。生活感のある愛にあふれている。この後作家が辿る運命を考えるとやり切れない。『生まれ出づる悩み』で貧しさに対してやや感傷的過ぎる点は育ちの良さからなのかも。

  • [小さき者へ]親というものがどれほど子供を愛しているか痛いほど分かる本。自分のオヤジもこう思っているのかと思ったら、一晩泣けた。

  • 有島武郎の顔と作品とのギャップがよく顕れた文庫でした。
    小さき者へは、イメージ通りのインテリなパパ。他人の娘の立場からすると、どんな感想も陳腐というか安くなるというか。
    生れ出づる悩みはカインの末裔寄り。北海道の冬の描写の真に迫ることよ、こんなキレイな顔して…って感じ。
    私はこの作品をひたすら「芸術と生活」というテーマに注目して読んだけど、それを一段引いたところから見ているのが太宰なんかとは違うなぁと感じた。芸術も生活も手に入れた者の余裕というかw
    解説には後ろめたさ、という言葉が出てきていたけれど、労働者と芸術家のギャップという点に絞れば、この2作品はけっこう近いところにあると思う。

  • 生まれたからこそ悩める。死んだら一生悩めない。

  • 実家にある亡き父の本棚から、何となく持ち出してきた1冊。
    偶然にも父の命日に読んでしまい「はっ」とさせられた。
    父さんの子として生まれてこれたことに感謝。
    私のために必要なものをたくさん遺してくれてありがとう♪

  • ≪内容≫
    『小さき者へ』
     幼くして母を失った子供たちへ宛てた自叙伝的小説。
    『生れ出づる悩み』
     優れた画才を持ちながらも、貧しさのために烈しい労働に従事せざるを得なかった若者の葛藤。人の生き方を問う。

    ≪感想≫
     子供たちへの父性愛、歳若き友人への人間愛。重い主題の中でも背中を押してくれるような言葉が処々に見られ、特にそれぞれの終末に書かれたメッセージからは紛れもない人間への愛が感じられると思う。
     大切な者の死や、生き方をめぐる葛藤はどの時代にあっても普遍的なテーマとして存在するのだと気付く。感傷的で独善的に過ぎると笑われるかもしれないが、自己の呵責に真正面から取り組み、葛藤や苦難の中にも僅かな光を見出そうともがき苦しむ姿は、現代を生きる僕達にこそ必要なのかもしれない。
     
     主題うんぬんを語らずとも『生れ出づる悩み』の北国で生きることの厳しさや漁船転覆のシーンの凄まじさだけでも読む価値は十分にあると思う。

  • 小さき者へ
    最近は経済的な理由から結婚し子供を育てるにも大変なため独り身で過ごした方が楽であるというような風潮があります。
    そのような時代の風潮により薄れてしまった父から子へとどう在って欲しいか。傍らにいる子を思って書く文章は涙をさそいます。

    生まれ出づる悩み
    生まれ出づる悩みとはなにか。山の風景を愛し、それと絵をもって表現したいという心と家族の一員として漁夫として常に厳しい海と対峙し生活しなければならないという情熱と生活の食い違いがあると著者は指摘する。(その話自体は作中の私の想像なのだが)

    現代に生きる私たちにもこういう感情をもって生活してる人はいるように見える。時代が変わったからといって通用しなくなるテーマではないのかもしれない。むしろ今のほうが共感できる人間は多いのではないか。

    自然の表現について設定している私(有島自身だろう)がとても丁寧に時にオーバーにその有様を想像し描写していることから、文学者としての自分の葛藤をどこかに組みこんでいるのではないかと思った。

  • これを読んで、また一層有島武郎を好きになった。
    自然の逞しさや優美さを描き出すと同時に、人の心のこころもとない揺れ動きも捉えているからだ。
    世界と自分を結びつける共感のあり方、これについての彼の表現が心にすとんと落ちてくる。

    彼がアメリカ留学から帰国する際の愛読書が「アンナ・カレーニナ」だったことは興味深いなぁ。彼の短編「親子」も読んでみたい。

  • 酒飲みながら号泣しました。そんな本です。

    父親になったら、読んで欲しい。そんな本です。

  • 親は偉大だ

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