小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 924
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101042046

感想・レビュー・書評

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  • 『小さき者へ』は、妻を失った子供へ書かれた、筆者の複雑な心境が描かれている。
    『生れ出づる悩み』は、芸術家として生きる決心がつかず、遂にはその夢を諦めたある漁師の、芸術に対する苦悩が描かれている。

    どちらも中々暗いテーマを掲げているにも関わらず、文章に悲痛さを感じない。悩みや苦しみの中から、ほんの少しの希望を見出そうとする姿勢。人間が、自分の弱さの中から強さを見出す瞬間の苦悩が鮮やかに描写された作品であると感じた。

  • 子どもの頃に読んで心がざわついた1冊。
    「小さき者へ」の父親の目線から自分の子どもたちに宛てて書いた
    手紙のようなお話しがとても切なく、
    しかし強く背中を押してくれているのを自分の両親と重ね合わせて、
    子どもの時でも親に対する暖かい気持ちと
    切なさとが混ざり合った気持ちになって、
    長らく個人的なベスト1になっていた大切な本です。

  • 語り方が好き、魂が言葉になって表現されていた
    有島武郎という作家が好きになった

  • "人間愛"がテーマと言うとちゃっちく聞こえるけど、人間愛をしみじみ感じる二編。著者はキリスト教徒で複雑な人生歩まれてるけど、そういうの抜きにしてもいい本だなあと思う。しかし「生まれ出づる悩み」の海難シーンの描写は日本文学史上に残るでしょう。まじやばい。

  • ひょんなことから読んでみたんだけど正解だった。芸術について、家族についてそれぞれ作者視点から描かれている。しんみりと読んだが良かったと思う。思ってることが小説に書いてあると励まされるような気がする。そういう感じのしたいい作品だったかな。

  • 文章が美しいと思います。「生まれ出づる悩み」は主人公の置かれた状況とか悩みにすごく共感した。

  • 大正時代に書かれたハナシ。
    人間愛、自然愛に溢れた2つの作品。
    私には子供がいないので想像でしか分からないが、子供がいる人には心を締め付けられる話かもしれない。小さき者へ。
    もう一つの生まれ出づる悩みの方が私にはツボ。
    絵を書く人、芸術に携わる人にはグッとくる場面がかなりあるはず。
    主人公がどうなるのか、半ば心配しながら読み進めていった。
    君と問いかけるように紡ぐ文が素敵。

  • 青空文庫。
    Eテレの「にほんごであそぼ」の「小さき者よ」の歌に心を打たれ、これが出典だと知って読んでみました。まず、自分の親に感謝の念がわき、そして自分はその親の子として、またわが子の親としてしっかりしなくてはいけないと思いました。一生懸命働こうと。
    「小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れないものの前に道は開ける。 行け。勇んで。小さき者よ。」
    「小さき者へ 十分人世は淋しい。私たちは唯そういって澄ましている事が出来るだろうか。お前達と私とは、血を味った獣のように、愛を味った。行こう、そして出来るだけ私たちの周囲を淋しさから救うために働こう。私はお前たちを愛した。そして永遠に愛する。」

  • [小さき者へ]親というものがどれほど子供を愛しているか痛いほど分かる本。自分のオヤジもこう思っているのかと思ったら、一晩泣けた。

  • 酒飲みながら号泣しました。そんな本です。

    父親になったら、読んで欲しい。そんな本です。

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