惜みなく愛は奪う―有島武郎評論集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (692ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101042060

作品紹介・あらすじ

愛は奪う本能、吸引するエネルギーである。-『白樺』創刊に携わり、わが国最初の実存主義者とも言われた有島武郎の生は、近代日本の青春の縮図でもあった。「本能的生活」の追求者、新しい女性論の旗手、広大な私有地の無償解放、婦人記者との心中など、波瀾のドラマのさなかで書き綴られた深い思考の足跡を、文庫本未曽有の規模で収めた、初の評論集大成。

感想・レビュー・書評

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  • 人はみな、自分以外の人々や社会情勢に歩調を合わせて生きている
    エゴを抑え、他者への迎合的な生き方を受け入れることが
    社会人としての成熟と信じられている
    有島武郎もそう信じるひとりだった
    しかし、有島武郎の「内なる個性」は、そういう妥協を認めなかった
    人間の真の成熟は
    内面と外面を一体化させることで成し遂げられるのだと
    内なる声にて有島自身に強く呼びかけたのだ
    しかしそんなものはしょせん
    性善説の前提に立つ白樺派ならではの楽観論にすぎなかった
    その後、理想の楽園を夢見る有島は
    北海道にある自分の農場をすべて小作人に無料開放して
    破産への道をたどったあげく
    愛人とふたり、密室で首吊り心中してしまった
    (相手の旦那に慰謝料せびられたらしい)

    …結局、自然主義の貧乏文士たちに対して
    コンプレックスがあったということなのかもしれない
    それはそれで他者の痛みを軽んずる態度だが
    しかし少なくとも有島が
    自然主義にあって自分に足りないものを認め
    これを掴みとろうとしたことだけは確かで
    それはつまり他者と和解し、自分自身と和解するための
    ひとつの試みには違いなかった
    理想主義のゆえに
    どうしても、己の甘さを認めることはできなかったにせよ

  • キリスト教を棄てた著者が書いた実存主義的宣言。むずかしいが分かるところもある

  • さっぱり分からなかった。いや、言わんとすることが分からないわけではないけど、抽象的すぎで、尚且つ一面的であまり共感できるものではなかった。

  • あ-2-3

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