犬も食わない (新潮文庫)

  • 新潮社 (2022年12月23日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784101044514

作品紹介・あらすじ

派遣秘書の福は雇い主と出かけた先のビルで、廃棄物処理業者の大輔とぶつかった。ろくな謝罪もない舐めた態度に激高した福は罵詈雑言の限りを尽くし、大輔は一言でやり返す……そんな最悪な出会いから始まった。ベッドの半分を占める体は邪魔だし、同じシャンプーが香る頭は寝癖だらけ。他人の「いいね」からは程遠い、喧嘩ばかりで格好つかない恋愛の本音を、男女の視点別に描く共作小説。

感想・レビュー・書評

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  • しんどい恋愛。本当にタイトルの通り、犬も食わない男女の喧嘩、すれ違いが描かれている。めんどくさい女、癖の強い女が出てくる小説が大好物な私にとって最高の一冊。

  • だらしなくてだめな男と、めんどくさい女の喧嘩ばかりの恋愛の本音を描いた作品。
    男側:尾崎さん、女側:千早さんが描かれている共作ですが、物語の空気感や温度が同じで違和感なく読めました。
    尾崎さんは初読みでしたが、大輔の不器用さを上手く描かれていますね。千早さんはさすがで、福の心情がとてもリアル。別れることを考えたときに、『1人になりたかったのではなく、期待しないという状況が楽だったのだ』という一文に、しみじみわかるなぁと感心してしまいました。
    千早さんの作品をまた読みたくなりました。

  • 恋愛小説を読みたい気分だけど、純愛とか感動系じゃないんだよなぁ…ってなった時、積読されたこちらをふと思い出してなんとなーく読み始めた。
    ぴったりだった(笑)
    特別夢中になる場面があるわけでもないのに、最後までしっかり読めて、誰もがどこかで共感できる所があるような。
    たぶん、すでに長く付き合ってる人が居るとか、同棲中だとか、あと夫婦とかね、そういう人達に響くと思うなぁ。

  • 文庫になって、共著2人の対談の付録付き。

    この対談で、連載されていた読者の感想が切れ切れに話されてて、まさに私もとそれそれと思うところがいっぱい。

    巻末対談を読まなかったら、ちょっとイラっとしたままかもしれないけど、思うつぼにならなくて良かった(笑)

  • タイトルの犬も食わないがぴったりなお話でした。恋愛のドキドキ感みたいなものは書かれてないのですが、もっと日常に隠れてしまった愛のようなもののストーリーです。男女の考え方の違いが段々出てきて、楽しく読めました。
    筆者が入れ替わっていくのですが、他の方が書いたストーリーを繋げていけるってすごいなと感心してしまいました。

  • タイトルが秀逸だと思った。
    派遣秘書の福と、廃棄物処理業者の大輔の話。
    尾崎世界観さんと千早茜さんの共作。
    どちらの書く文章もリアルでちょっと笑えて面白かった。
    読みやすく、映像を観ている感覚でスイスイ読めた。

  • いただき本

    なんかよく分からない。
    千早茜さんと尾崎世界観さんの共作、恋愛小説?
    ラジカセ犬がインパクトあった。

  • 男女の生活を2人の作家が、
    それぞれの視点で描く。
    タイトル通り勝手にやってろ。
    いい意味でそれ以上の感想なし。

  • めちゃめちゃ面白かった…というか、興味深い!
    それぞれの視点を別の人が描く-そりゃ面白いよ。だって実際別の人間のぶつかり合いなんだもん。
    しかも。偶然にも自分が風邪ひいて寝込んでいる時に読んでしまったもんだから、第三回で感情が一気に乗ってしまった。
    もちろん福側の言い分には首もげそうな程同意してしまうし、大輔の思考パターンには何か新しいものを感じてしまう…。
    このタイミングで手に取ったのは運命だったのかも。

    犬も食わないんだよね。分かってる。
    期待するからこの気持ちになるって事も分かってる。だいぶ手放せてきたつもりだけど、今回寝込んでまた同じ気持ちになったのでまだまだだ。でも、それすらなくなる時はきっと違う関係だ。

    文庫化記念の対談も興味深くて面白かった。

  • 恋愛小説では逆に珍しい?

    出会ったきっかけは覚えていても惹かれ合った理由は覚えていない。
    いや、正確にはちゃんと惹かれあって確認して始まったわけでもないので思い出せる部分が無いのかもしれない。

    始まりが燃え上がって始まった訳ではない不細工な恋愛は散り際が一番、色濃くなったりもする。

    二人のだらしがない恋愛のような感情には、類似する経験をした事があり、どこにでもあるリアルな恋愛ってこうかもな。
    と時折り共感しながら読み進めることが出来た。

    ---------
    カップルの変哲もない日常を男性目線(大輔)と女性目線(福)で書かれる尾崎世界観と千早茜の共作の作品。

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著者プロフィール

1984年、東京都生まれ。ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル、ギターを担当。作家としても活動し、これまでに小説『祐介』、日記エッセイ『苦汁100%』『苦汁200%』(いずれも文藝春秋)、『犬も食わない』千早茜との共著(新潮社)を上梓。

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