リーガルーキーズ! 半熟法律家の事件簿 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2023年5月29日発売)
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本棚登録 : 155
感想 : 11
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101045818

作品紹介・あらすじ

法律のプロである弁護士や検事や裁判官……になる一歩手前の「法律家の卵」、それが司法修習生。初々しい新人たちがそれぞれの熱い想いを胸に過ごす、一年間の研修の日々。理想と現実の狭間で葛藤し、恋と青春の苦悩を乗り越え、さまざまな謎を解き明かしながら成長してゆく。さあ明日から法律家デビュー! 元弁護士の著者による爽快なリーガル青春ミステリ。『朝焼けにファンファーレ』改題。

感想・レビュー・書評

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  • この作品、めちゃくちゃ私好みで面白かったです。司法試験に受かっただけでは法律家にはなれず、約1年間にわたり裁判官、検察官、弁護士等のもとで司法修習と呼ばれる研修を受け、二回試験(1日1科目、しかも1科目7時間半!)という過酷なペーパーテストに合格してはじめて法律家になれるそうです。その修習生たちのお話です。
    著者の織守さんも元弁護士の方なので、胸に刺さるセリフがたくさんありました。
    この本が文庫で発売されたのは去年の6月頃。面白そう〜と買いましたが、長らく積読の山のなかにいて。こんなに面白いならもっと早く読めば良かったと。まだまだたくさんある本たち…。仕事柄、本との出会いが多すぎて減るどころか増えていく一方ですが、時間を見つけて読んでいこうと思います。


  • 第1章 人は見かけによらない
    第2章 ガールズトーク
    第3章 うつくしい名前
    第4章 朝焼けにファンファーレ

    法律家として社会の表舞台に立つ前、
    修習期間真っ只中を奮闘する修習生たち
    それぞれの不安や心配、目標や希望、
    等身大の葛藤を描いた物語。

    どんなに優秀な人にだって完璧じゃない、
    悩みもあれば、人を羨む気持ちもある。

    そんな中で、どんな法律家になるか
    心の内と真っ直ぐ向き合う姿が眩しい。

    前向きなエネルギーや元気をもらえる物語。

  • 試験に合格した先は裁判官、検察官、弁護士。でもその間に司法修習がある事はあまり知られていないのではと思う。
    本書は司法修習生達がどの道に進むかを決める一年間をミステリを交えながら描かれている。
    法律を通して自分に真摯に向き合う姿に感動。

  • 元弁護士である織守(おりがみ)きょうやさんの単行本「朝焼けにファンファーレ」を文庫化にあたり改題したのが本作です。
    司法試験に合格して、弁護士、裁判官、検察官になる前の司法修習生たちが登場する連作短編集なので、「リーガル=法律」の「ルーキー」たちという意味で「リーガルーキーズ」というタイトルに改題されたようです。
    表示のイラストは、何だかドタバタしたコメディのような印象もあります。
    改題して、書店で手にしてもらいやすくなったのかもしれませんが、司法修習生たちが登場するのは間違いないとしても、第一章は弁護士、第二章は裁判所書記官、第三章は検察官が主人公であり、少々タイトルと内容には齟齬があります。
    司法修習生が主人公なのは、第四章のみです。
    そして、肝心の内容は、表紙のイラストのようなドタバタコメディではなく、かなり本格的な法律物になっています。
    特に、未成年者が犯罪をした少年事件を取り扱った第二章、殺人事件の裁判員裁判が描かれる第三章は、非常にリアリティがあって、とても面白かったです。
    単純に司法に関わる人々を描くだけでなく、反省するとは、罪を償うとはどういうことなのかを、読者も一緒になって考えていくことができる、とても興味深い作品でした。
    犯罪を扱う小説はたくさんあるかもしれませんが、この作品は、リアリティという面で飛び抜けた作品でした。


  • 端正ではあるが、読み物としてはスクエアにすぎるかもしれない。

  • 司法修習生を通して、修習生自身や被告人に対する勝手な第一印象の思い込みを覆していって、すごく腑に落ちたというか、気をつけようと思った。
    模擬裁判もまた良かった。
    誠実に被害者や被告人と向き合える法律家がたくさんいてくれる世界は、素敵だなと思った。

  • 法律に携わる者の真摯な想いを描く連作短編集 お仕事小説

    とてもテンポ良く読みやすいです

    解説も、また良い。

  • 司法修習生の短編連作。意外と知らない修習生の葛藤など面白かった

  • 4.2

  • 最近こういう落とし所を作るしかない問題に向き合ってどう(主に己の感情の)落とし所を見つけるか、みたいなことばかり考えていたので、出てくる子たちみんな眩し……眩し…………ッッ!!! となっていた。いやめちゃくちゃ面白かったなあ!!!!!
    そもそも法律家ものって全然触れたことがない気がする……、ジャッジアイズとかロストジャッジメントとか……そういうのしか思いつかない。普段ドラマも見ないので……検事弁護士裁判官ドラマは色々とあれどもドラマ見ないので……。
    深く記憶に刻まれる一冊となるでしょう。
    出てくる子達みんなキャラがいいんだ! いい子というわけではなくて。「キャラ」としてのキャラクター性(属性みたいな)のと、ひとりの人間としての思考や感情のリアリティがすごい。とっつきやすくて理解しやすいのに全然テンプレじゃない。凄いなあと思った。
    松枝ちゃんと柳くんが……すきですねえ。藤掛くんもすき。この子たちが一歩踏み出した先で起こる色々なことを見てみたいと思った。いや検事やってる柳くんめちゃくちゃ見たいな……柳くん好きだ……おかしいな、こんなはずでは……。

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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