遠野物語 (新潮文庫 や 15-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101047041

感想・レビュー・書評

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  • やなぎた大先生。

  • 数千年来の常民の習慣・俗信・伝説には必ずや深い人間的意味があるはずである。それが記録・攻究されて来なかったのは不当ではないか。柳田の学問的出発点はここにあった。陸中遠野郷に伝わる口碑を簡古かつ気品ある文章で書きとめた「遠野物語」

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00195051

  • 遠野に伝わる話の数々。一つ一つが短いので文語体が苦手でも読みきれました。改めて現代語バージョンとか読んでみたいです

  • 冒頭の説明に、「願はくば之を語りて平地人を戦慄さしめよ」とある。
    ゆるふわな妖怪と人間が共存しているイメージだったのだが、どうやら違うらしい。
    古文が得意ではないので、本書を読む前に水木しげるの漫画版を読んだのだが、恐ろしい雰囲気がばっちりだったと思う。

    本書は、こういうことがあった、と本当にあったとは思えない山男や山姥などの妖怪の類にまつわる話がただつらつらと書かれているだけで、だからどうした、ということはない。本当にあったかどうかもわからない。

    本当だとしたら遠野はあまりにも不思議でおもしろい。
    本当じゃないとしても、どうしてそんな話が伝わったのかと考えるのがおもしろい。
    どちらにしても、遠野はおもしろいところなんだろうと感じる魅力的な物語である。

  • 何かが繰り返される。ひとにしろ、ものにしろ、書かれた物語にしろ、記憶と肉体を持ち合はせた人間の場合、ずつと止まり続けることも、流れ続けることもできない。
    口承で繰り返された物語は、他の事物と異なり、どうしたつて残りにくい。しかしそこには、書かれたものにはない、ひとびとの生活と信条に溢れる何かが繰り返されてゐた。
    どちらかと言へば閉ざされた集落。山と海に通じるこの集落には、不思議な物語がたくさん語られてゐた。山からやつて来る者。山へと消えてゆく者。死んだ者の呼び声。動物たちの働きかけ。
    形がないものだからこそ、語られなければかうした不思議な存在は消えていつてしまつただらう。GPSや司法、行政が張り巡らされたこの頃、山人に連れて行かれて行方不明になるひとはまず少ない。狐は駆除や収容の対象にされ、死人は灰となつて区画整理された墓に埋められる。
    遠野のひとびとに、これらの物語がどのやうな意味をもつてゐたかはわからない。戒めや規範、ある種の信仰の一助になつてゐたかもしれない。けれど、さうした観念的な何かに限らず、季節の行事や毎日の営み、あるひは隣近所との共同生活とも手を取り合つてゐたに違ひない。どちらが先かはわからない。さういふ生活があるから語り続けられた物語なのか、それともさういふ物語がある種の生活を形作るのか。おそらくそのどちらも正しく、また不十分であらう。
    本来なら消えたかもしれないこれらの物語を文字として残したことは、学問をする上で大きな活路だつたと思ふ。しかし、ただ物語を集積することがこの遠野物語ではない。話すひと、それに耳を傾け、時に促したり質問するひとの影響があるからだ。口承を物語にする力、それこそ民俗学といふ学問の力ではないか。編集にあたつて泣く泣く切り落としたもの、伝へきれなかつたこともたくさんあつたはずだ。柳田先生の旅人としての側面が描かれる中、集めた語りをじつと読み返し、書きなおす姿もまた、この物語のひとつの姿だと思つてゐる。

  • 懐かしくて楽しくて、少し怖くて哀しくて、時々シュールなお話たちはどれも生きた感触があります。

  • この作品は、著者が岩手県の遠野付近を旅しながら書かれてた作品です。

  • 遠野の旅には、やはりこれを携えて行ってよかった。

  • 遠野が旅行先候補に出たので読んでみた。先入観で、難しい本かと思っていたけど全然そんなことなかった。「日本昔ばなし」みたい!というか途中でそう思ったらもう、遠野の人々も動物たちも妖怪らしきものも神様らしきものも全部あの「日本昔ばなし」イラスト風の絵で頭に再現されてしまって大変可愛い感じになってしまった。民俗学とかちっとも知らないけど、遠野物語を読んだ後だと後半の解説その他もふむふむ本と思って気軽な気持ちで読めた。おもしろかった~。

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著者プロフィール

1875年生。民俗学者。『遠野物語』『海上の道』などの著作により民俗学の確立に尽力した。1962年没。

「2022年 『沖縄文化論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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