仮面の告白 (新潮文庫)

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レビュー : 591
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050010

感想・レビュー・書評

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  • 読後の第一印象は、三島由紀夫は難儀な人だな〜だった。
    以下、彼が同性愛者で、仮面の告白が自叙伝的作品であると仮定して感想を書いていく。
    まず、三島が今の時代に生きていれば、彼はきっとこんな作品を描けなかったのではないかと思った。もちろん、性的指向が周りの人と違うのでは?という苦しみ、自分は普通じゃないという気持ちそのものは、変わっていないかもしれないが、そういう人も自然にいる、否定されることじゃないと声をあげる風潮がでてきた変遷の時代が今だと、わたしは考えている。三島の生きた時代は(自分が生きていないのでなんともいえないけど)、彼のような性的指向は異端とみなされて排除されてきた時代なのではないか。とくにエリート一家に生まれた三島にとって、家庭環境もものすごいプレッシャーになっていたんじゃないかと想像できる。時代と環境が三島を苦しめ、その結果として仮面の告白のような作品が生まれていることは、読む側には僥倖、本人にとっては地獄のようなもの。傷つき苦しんだ経験をひとつの作品としてまとめるとき、三島がどんな思いをしていたのか考えると少し切なくなる。
    仮面の告白を書いたとき、自分のことを客観視したかったのか、本当の自分を知ってほしかったのか、それとも開示することで自己否定をしたかったのか…どちらにしろ自虐的で胸が締め付けられるような気持ちになった。
    文体そのものは細かい心理描写美しく、理屈でなく感覚でわかるような、心にスーッと泌みるような表現だった。
    語り継がれる名作には、語り継がれるだけの理由があると感じた。自らが何かにおいて異端なのではないかと思っている人にも、そういう人の気持ちを察せられない人にも、ぜひ読んでみてほしい作品だった。

  • 他の人とは違う性的指向をもつ『私』の自伝的作品。
    今でこそ社会はLGBTを受け入れられつつあるけれど、この作品が発表されたのは戦後間もなくということで、当時はどれほどの衝撃を人々に与えたのだろう、と思う。
    複雑な主人公の心の動きが綿密に綴られていて、三島由紀夫の表現力の豊かさに驚いた。
    将来再読したい

    メモ

  • 仮面劇、人は皆それを演じながら生きているのだと思う。
    他者に対してだけでなく、自らに対しても。
    そうしなければ生きていかれないから。

    私はこの主人公の行動、考え方、全てにおいて理解できると思った。
    全てが自分の中にもある。
    初めて読んだのはもう大分前で、その頃はそんな風には思わなかった。
    きっと当時の私は自分も仮面の存在を被って生きていることに気付かずにいたのだろう。
    いや、仮面の存在は認識しながらも、今のように、仮面を被っていることも含めて私という人間だということを受け入れていなかったからかも知れない。

    それにしても、この文章の完璧さ。
    心の中に確かにあるけれども、複雑でほとんど矛盾に思えるような心の動きも的確に表現されていて、怖いくらい。
    三島由紀夫が神となってそのような人間の心のありようを作り出したのではないかとも思えるほどに。

  • 読了後の切ない気持ち
    難解な言葉、それでいて美しい表現
    三島由紀夫の死生観、愛情

  • LGBT小説として名高い本作。
    これはゲイを主題にした作品だが、BLとするにはあまりに違う。
    「もしかしたら普通の恋が出来るかもしれない」と意気込んでは見たものの、キスをしたところで何も感じない主人公が切なかった。

  • 三島由紀夫を読むのはこれで二作品目になるが、今回も面白かった。三島が二十四歳の頃に上梓された半自叙伝的小説。時代の寵児。選ばれし血族と才能に恵まれた男の人には決して言えない苦悩。全て分かった上で俯瞰的に作品世界を描いている感じがこれがいわゆるナルシズムなのか?頭脳明晰さ知識量を前に圧倒される。YouTubeなどで残ってる映像を見るといわゆるみながイメージするあの三島の姿だが、ボディビルに目覚めたのは30歳を過ぎてかららしい。この頃のおそらく生白くてひょろっちい"受け"の頃の三島も見てみたい。これ読む人によってリトマス試験紙的にそれぞれの男性性に興奮するのか女性性に興奮するのか自分の割合が分かりそうな気がする。自分の中にも少しだけ反応するものがあったが三島がそうなら嬉しいと思わせる。それほどのカリスマ性。また別の作品も見てみよう。

  • 三島由紀夫の半自伝的小説? 主人公は他人と自分が違うことを意識しながら、それを隠して生きていく。園子に対する気持ちは人としての愛だったのだろうか。三島の文章は美しく、日本語のすばらしさを感じさせます。半面、レトリックが多いので読みにくいと感じる人もいるかもしれません。

  • どエロい。びっくりした。

  • 園子に打ち明けて欲しかった。

  • 何と言ったら良いのか、良い意味でも悪い意味でも滑稽ですなぁ。と言うか幸せなお方ですなぁ、という感じ。
    どこまでも自分に酔えるってある意味才能だと思いますが、まぁあんまり好みではありません、当方の。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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