潮騒 (新潮文庫)

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レビュー : 837
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050072

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  • 青々と力強い海に囲まれた日本の南の小島“歌島”を舞台に、若くたくましい漁夫・新治と美しい少女・初江が織り成す恋模様。

    初めて目にした時から相手のことばかり考えてしまう初恋の戸惑いや、並んで歩くだけで胸が高鳴り続ける様子など、純朴な青年と可憐な少女の瑞々しく、そして真っ直ぐな想いが見て取れます。しかし閉鎖的で大人の意向が絶対だったこの時代、二人の仲に様々な試練が舞い込むことに…。
    荒れ狂う海を相手に雄々しく向かう新治、彼を案じながらも凛と構えた初江、時に穏やかに時に猛威となる海など、人や自然の持つストレートな美しさが光ります。二人の仲を邪推して割って入ろうとする安夫の分かり易いまでの悪役っぷりが、ますますこの二人を眩しく穢れのないところまで押し上げているように思います。

    三島由紀夫が古代ギリシアの散文作品から着想を得たという本作。
    毒素ゼロ、純愛にして爽やかな風が吹き抜けるような心地よい読後感が残りました。

  • 純愛、ハッピーエンド!

    何故か、夢に三島さんが出てきて私と小説談義をしてて、バッと起きた瞬間に「三島さんを読まねば!」と思って図書館で借りました。初三島作品。

    もっと、どろどろしてて悲しい別れがあったりするのかなあって、思っていたのだけど。なんてシンプルな恋愛小説!出会い→ライバル(男・女)出現→うわさ→親反対→会えない→ライバルとの闘い→勝利→めでたく結ばれる。シンプル!オーソドックス!
    あと、顔見ただけで赤くなったり、純愛すぎてどうしよう、こっちがどうしようって思ったり。

    でも、最後の1文。
    この最後1文で、「ああ、すげえ、三島さんすげえ。」って思った。「上手くいったのはお前のおかげだぜ」の、ただの恋愛小説にしないんだなって、感激。
    あとは、やはりなんといっても描写が美しいです。景色とか、身体とか、ね。

  • 三島初読み。 何か悲しい出来事が起こるか?と思って読み進めたけど、すぅーっとハッピーエンド。でも、物足りなくなく、これはこれで満足。 島の情景描写が素晴らしいですね。目に浮かんできます。歌島、神島っていうところらしいですが、行ってみたいですね。 それから、三島のこの作品も他の作品とはかなり肌色が違うそうなので、他の作品も読んでみたいと思いました。 それから、今まであまり「文学作品」というものを読んだことありませんでしたが、たまには読んでみたいと思わせてもらった作品でした。

  • 初めて三島作品に挑戦。
    思っていたのと違い過ぎる。
    この作品がというわけじゃなくて、三島さんてこんなお話を書くのか!という驚き。

    とある漁村で繰り広げられるピュアな恋…
    ピュアっていうと何だかこっぱずかしいけれど
    これが一番しっくりくる。
    (純愛でいいのかな?)

    ライバルの邪魔あり、身分の差に家族の反対ありで結構な王道ラブストーリーなのだけれど、古くささを感じさせない面白さがあった。

  • この小説を一言で語るとすれば、
    『美しい』という言葉が最適であろう。

    南の孤島で繰り広げられる世界を目の前にありありと描き出すことができる。
    タイトルにもなっている”潮騒”が個々の人物の内面まで潜り込む印象を受けた。

  • 高校の頃読んだ時は、なんて純な恋愛小説なんだと思ったのに、いま再読すると単なる抑圧されたエロの発芽のようにしか思えぬのは、わたしが年を重ねたからか。

  • 2010年5冊目。
    三島作品とは思えないさわやかさに、どんな大変などんでん返しが
    まっているのかとドキドキしながら読んだのですが……
    なんとも、心地よい1冊でした。文章に酔いました。

    「悪意は善意よりも遠路を行くことはできない」という一説が
    大好きです。海が島に要るまっすぐないいものだけを送ってよこし、
    島に残っているまっすぐないいものだけを守ってくれる……
    シビれました~。

  • 読み終わって、神島に行った。
    嵐で、なんとか上陸はできたけれど、帰る船が出航しないかもしれないから、乗ってきた船でそのまま引き返した。
    また、今度。

  • 状況描写の表現力がすごすぎた。
    すごすぎて自分の理解が追いつかなかったけど、雰囲気はつかむことができた。

    前半は初江と新治の恋愛模様の描写が素敵でスラスラと読めた。

    あらすじからしてもっと壮大なオチが来ると思っていたが、スッと終わった感じがした。
    最後ちょっと巻いた感じがした。

  • 三島由紀夫らしい純愛ながら三島由紀夫らしからぬ爽快な文章でした。
    個人的に入りが「豊饒の海」だったので自然と悲恋や苦しい障害の話だと思い読み始めましたが、親の反対という単純明快な障害に阻まれつつも最後には皆に祝福される終わり方で気持ちが良かったです。
    離島という閉鎖的空間での噂や近所付き合いや習わしなどもありつつ、全体的に温かみのある人間関係の描写の中で、海女の健康的な肉体美や夜空と石段と社などの情景描写が美しく、日本の美的表現に於いては流石だなと改めて感じました。

    • くどうさん
      はじめまして。わたしもつい最近〝潮騒〟読みました。本当に三島由紀夫らしからぬ作品ですよね。
      とても爽やかで読後もスッキリですよね‼︎
      はじめまして。わたしもつい最近〝潮騒〟読みました。本当に三島由紀夫らしからぬ作品ですよね。
      とても爽やかで読後もスッキリですよね‼︎
      2018/10/29
    • おこめさん
      くどうさん
      はじめまして。三島由紀夫は何冊か読みましたが鬱々とした恋が多い印象だったので、お互い真っ直ぐに恋をする姿がとても爽やかに感じまし...
      くどうさん
      はじめまして。三島由紀夫は何冊か読みましたが鬱々とした恋が多い印象だったので、お互い真っ直ぐに恋をする姿がとても爽やかに感じました。
      結果的に千代子やお父さんにも良心があり、月並みな感想ですが本当に悪い人というのが居なくて、こういう平和的な優しい物語も描けるんだなあと驚きました。
      2018/10/29
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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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