金閣寺 (新潮文庫)

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レビュー : 1186
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050089

感想・レビュー・書評

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  • うーん、これは面白かった。読んで満足。
    意外と読みやすかったし。

    実際起きた金閣寺の放火事件を題材にしたということで、硬派なものをイメージしていたけど、
    主人公の心理描写が精緻で複雑で圧倒的で、すごい引き込まれました。

    美への執着とか、ものすごい劣等感とか、やたらと難解な屁理屈とか、
    なんかわけわかんないとこも多かったけど
    青春の青臭さ全開で、一つ間違えばただの幼稚なヘタレくんなんだけど
    なんかすごかった。
    緊張感の高まりも、美醜の対比も、罪と許しも、友情も、耽美的な死も悲劇的な死も、
    なにもかも、これが三島文学かぁと。

    最後のところ、感動しちゃったなぁ。
    またいつか読み返したい。

    • kwosaさん
      tiaraさん!

      >最後のところ、感動しちゃったなぁ。

      わかります。
      僕も引き込まれて読んで、ラスト二行に衝撃を受けましたもん。
      ああ、...
      tiaraさん!

      >最後のところ、感動しちゃったなぁ。

      わかります。
      僕も引き込まれて読んで、ラスト二行に衝撃を受けましたもん。
      ああ、読み返したくなりました。
      2013/07/25
    • tiaraさん
      kwosaさんへ

      「人間失格」のとこのコメントでおすすめしてくださいましたよね。
      そのおかげで早々に手に取ることができました。
      ありがとう...
      kwosaさんへ

      「人間失格」のとこのコメントでおすすめしてくださいましたよね。
      そのおかげで早々に手に取ることができました。
      ありがとうございました!

      ドラマチックに一緒に燃えてしまうのかなーなんて思っていたくらいなので、わお!ってなりました。
      いいラストでしたよね。
      2013/07/26
  • う、上手いなあ。
    少年期の、吃りという疎外感と、両親への反抗心。
    それが仏的世界や、もっと大きなモノへの悪意として結実してゆき、行為だけが変革を起こすと頑なに信じる。
    少年革命なんとか、と言ってもいいようなドラマが広がっている。
    以下、ラストシーンのネタバレ含むので注意!




    「物質というものが、いかにわれわれから遠くに存在し、その存在の仕方が、いかにわれわれから手の届かないものであるかということを、死顔ほど如実に語ってくれるものはなかった。」

    父の死に際して、涙を流さなかった「私」の目である。

    「大声で歌いもせず、叫びながら駈けまわりもしない少年は、こんな風にして、自分の生を確かめてみることを学んだ。」

    父と金閣という「絶対的存在」を分かち合いながら、亡くなった父は只の物質であると見做す。
    後に、彼を慕った友人、鶴川が事故死した際には、鶴川の精神が、彼の姿を通じて象徴化される。

    「鶴川はいつもこうして、私の誤解に充ちた解説者であった。が、彼は私には少しもうるさくない、必要な人間になっていた。彼は私のまことに善意な通訳者、私の言葉を現世の言葉に飜訳してくれる、かけがえのない友であった。」

    私の好きな部分。
    自分の悪意すら、誤解をしてくれる善き友。
    そこに恐怖すら覚えるのだが、反転して善に近づけてくれる友人の存在に共感するのだ。

    但し、主人公はその後、悪友柏木との親交を深めて、反転させることを許さない淵へと追い込まれてゆく。

    「いいかね。美というものはそういうものなのだ。だから猫を斬ったことは、あたかも痛む虫歯を抜き、美を剔抉したように見えるが、さてそれが最後の解決であったかどうかわからない。美の根は絶たれず、たとい猫は死んでも、猫の美しさは死んでいないかもしれないからだ。」

    世界を変貌させるのは「行為」だと考える「私」に対し、悪友柏木は「認識」であると考える。
    「美しい「花」がある。「花」の美しさという様なものはない。」という小林秀雄の名文句がどうしても重なってくる。
    観念的な美を、主人公は金閣寺に喩えた。そして、そのシンボルを行為によって象徴的に破壊する。

    カルモチンと小刀は、実際の事件では使われ、この作品の末尾においては使われない。
    生きることを望んだ「私」の胸の内にあったのは何だったのか。
    色々考えつくこともあるのだけど、陳腐な気もするので、もう少し煮詰めてみようと思う。

  • 参りました。ごめんなさい。許してください。
    相変わらず変態。ヘンタイです。
    美しいです。
    好きではないけど…面白い!…うーん。脱帽ですね。


    三島由紀夫さん。
    食わず嫌いの印象論で言うと、余り好きではないのです。

    でも、そこは男児四十にして惑わず(?)、読んでみましょう。
    励みとしては、橋本治さん「三島由紀夫とはなんだったのか」を、いつか読むために。

    と、言う長いタイトルの個人的試みの、第2弾。
    第1弾の「仮面の告白」もそうなんですが…読んでみて。
    「やっぱり好きじゃねえよ、俺」。…と、好みとしては思うんですが…。
    でも、力負けと言うか。

    オモシロイ。

    それは誤魔化しようがないです。



    1950年に、京都の金閣寺(つまり鹿苑寺)が、同寺の若い僧によって放火されて全焼。
    犯人の若い僧は吃音、つまり、どもりの強い人だったそう。
    放火の後、薬飲んで腹に刃物を突き立てて自殺未遂のところ、警察に確保。
    さまざまな心理的な動機があったそう。つまり、判りにくい動機でしかなかったそう(笑)。
    父は僧侶で既に病死。
    母は息子の犯罪を受けて自殺。
    犯人の青年は統合失調症(かつては精神分裂病と呼ばれていましたね)と診断。
    懲役7年。
    どんどん病気が重くなり、服役中の1956年3月に病死したそうです。

    さて、この実際の事件をモデルに書かれたのが、小説「金閣寺」。
    犯人の病死する以前、1956年1月から雑誌に連載開始。
    三島由紀夫さんの創作資料として、金閣寺及び犯人さんの周辺に、執拗に取材した取材ノートがあるそうです(当然取材拒否されまくったそうですが)。

    あくまで、「モデル」ですから。
    実際の事件や犯人とは違うところもあるようです。

    主人公は「私」。一人称小説です。
    裏日本の侘しい寒村。貧しい住職の息子。
    物心ついてから、ずっと吃音。
    その劣等感に苛まれ。
    健康、若さや恋愛、性愛や女性や友情…。と、かけ離れた少年期。
    醜い己。惨めな自分。
    美しさ、は自らの彼岸に常にあり。

    戦時色強い時代に、病の父の希望、鹿苑寺(金閣寺)の住み込み修業僧に。
    父の口癖は「金閣寺ほど美しいものはない」。

    内向的。喜びの無い生活。
    父の病死。母の期待。「いつか金閣寺の住職に」。
    大谷大学に進学も。誰からも愛されず認められず。関心も持たれず。
    ひたすら金閣寺の美に酔い、儚く寒く生きてきた主人公。
    唯一の友人。人生の微かな灯。
    しかし、その友は戦後の混乱期に事故死。

    そして、障害を持つ悪友が出来る。
    この友が、実に純粋なる悪意に満ちて、偽善に満ちた現世を打つ。
    己の障害を糧に、利用し、女を誑す。善意の仮面を剥ぎ、露悪の醜悪を叩きつけ、刹那のみに価値を置く。
    ファウストのような、フォルススタッフのような、ドクターキリコのような。
    影響を受けつつも、そこまで強靭になれない。
    ナイーブな「私」。

    きっかけは、やはり「異性」と「友情」と「職場」と「家族」。
    つまりは「人間関係」。
    友情に見捨てられ。異性への惨めな憧れ。満たされぬ思い。
    それを上回る、汚れた男女関係への嫌悪。
    そして、金閣寺住職が金に倦んで女遊びをしている現実。
    何かが切れてしまう。ぐれていく。反逆する。
    もともとが孤独な青年が、余計に周囲から孤立していく。
    最早、将来、金閣寺の住職、という希望もない。

    そして、母が。自分を見る目が冥い。


    ふっ。 …と、裏日本に出奔のように旅に出る。生まれ故郷の近く。冥い海。寒村。
    そこで、雲から陽が差すように、思いが浮かぶ。

    「金閣寺を燃やさねばならぬ」

    …ここんとこ、超絶です。

    スバラシイ。

    時間が停まり。水際から一斉に鳥がはばたき。タラの夕陽にスカーレットが誓うような。
    四回転ジャンプから何もなかったかのように完璧に着氷するような。
    触れなば斬れん白刃の緊張感。
    その断崖を超えた、無重力状態の恍惚。
    (最近は、フィギュア観戦も愉しんでいるので…)

    もう…たかが紙に文字が印刷されているだけで、コレダケの感情を他人の脳みそに作れるのか。
    ほんとに、スバラシイ。

    一事が万事ですが、文章が超絶です。
    日本語が巧緻です。
    三島さんの本人も、相当に苦心されたようです。
    成程「仮面の告白」に比べたら、硬質、ハードボイルド。

    放火するあたりからの畳み込み方は、息もつけない。
    仁左衛門の油地獄を観ているよう。
    スタンディング・オーベーション。
    拍手喝采アンコールの暴動です。

    …なんだけど…なんなんでしょう、この感じ。
    …若い肉体の饐えた腋臭をコレデモカと嗅がされたような…。
    なぜここまで、複雑にねじれ曲がった不幸を舐めるように憎悪しつつ愛さねばならんねん…。
    かわいそうやねん…。

    異形の彼方の、孤独のパンクロック。
    内臓を抉って豚の腸を投げて、全裸になって糞尿を垂れるような。
    そんな超絶パンクな、ホモで難病のロックスターのコンサートを見せられたような…。

    なんだけど、歌声の澄み具合…美しい…というような。

    正常と日常と安寧と平和と均整。
    そんな僕たちの「普通」の、なるたけ隠したい暗部と陰部と欺瞞の構造的矛盾を、レイプのように暴虐にたたきつけるんですよね…。

    …うむむむ。
    いや、美味しいんですよ。すごい料理人の仕事が詰まった誇り高い逸品です。
    なんだけど…。いや、凄いですけど。
    好き、というのぢゃ、無いのですよ…。

    なんだけど…。
    その語り口。
    その優雅さと無駄の無さ。
    高名な指揮者の忘我の棒振りを見るような。
    フィギュアやバレエの奇跡的な最高得点演技を見るような。
    うーん。
    これが美しさ。文章の芸術と言わなくて、何が芸術なんだろうか?という感じ。

    細かくは覚えていませんが、

    "戦争が人生を私から遠ざけた" (だったかな?てにをはは、自信なし)

    …もう、こんな文章が惜しげもなく乱打されます。
    拾い集めて額に入れたいようなフレーズが湯水のように、ダダ流れ。音色で言えば、エリック・ドルフィーの神がかり演奏のような。

    月並みですが、才気溢れん語り口。
    それに、恐らくは、想像を絶する「努力」と「執念」の人だったのかな…と。
    解説等でも言及されていますが、「金閣寺放火事件」をモデルにしつつ、三島さんは三島さん自身を叩きつけているんだと思います。
    世の中的に言うと、戦中育ちの戦後世代、そして無類の金持ちボンボンとしては、秩序混沌たる戦後の時代に、自らの劣等感と時代の大人たちへの不信感の泥沼を這い回って来たのでしょうが。

    また、そんな観点もおいおいと。

    次は、「潮騒」か「豊饒の海」か…。
    三島由紀夫さん、恐るべしですね。
    実に面白く、美しい。

    なんだけど…なんかキモチワルイんですよね…。

  • ずっと気になっていた本。
    やっと読みました。

    生と死、美と醜、陽と陰、光と影、昼と夜、男と女、正と邪、善と悪、明と暗など、様々な対比を用いながら、主人公が終末へと向かっていく過程を描いているのですが、決定打は足りない印象。
    あえてそうしているのであれば、それはそれで非常に練られた手法だと思います。

    基本的にはロジカルに話が進んでいくように思うのですが、終末へと向かう方法を主人公が思いついた瞬間については、かなり飛躍があるように思いました。
    その瞬間もロジカルに進められたら、完璧だったと思います。
    が、これも狙っていたのだとしたら、その計画性には恐れ入ります。

    表現力については、凄まじいほどの豊かさを感じました。
    これほど奥行きのある表現は初めて見ましたし、それでいて新鮮で、視覚的で、的確。
    日本語そのもののもつ可能性や広がりや深み、そういったものも感じながら、読むことができました。

  • 三島由紀夫といえば、というくらい有名な『金閣寺』。
    このたび新潮社でまっ金の装丁が出たので買ってみました。
    これがすごくウソくさいキンキラの金でとても良い。
    いかにも主人公溝口少年が夢みた美しすぎる金閣のようで。

    あらすじ自体は有名すぎるから必要もないと思うけど、
    仏門に入っている吃音をコンプレックスとしている青年が金閣寺に憧れ、金閣寺に打ちのめされ、金閣寺を燃やさんと決心する話ですよ。

    幼い頃から父に金閣寺の話を散々聞かされ、それはさぞ美しいものなのだろうと想像し続けた溝口少年。
    その父の死によって鹿苑寺金閣寺に預けられることとなる溝口少年。
    この彼の金閣寺に対する思いというのは実に独特で、
    初めて実際に金閣寺を目にしたときに「思ったほどでもなかった(想像上の金閣寺に及ばなかった)」と思った、そこで彼は終わらなかった。
    いや、終われなかった。
    それは金閣寺がそれほど深く彼自身のアイデンティティと結びついていたからである。
    溝口少年は自らの吃音をきらい、自らを醜い闇の化身と感じ、その反動としての対極に金閣を置いていた。
    だから、金閣寺は美の極地になくてはならなかったのだ。
    彼は金閣寺を崇拝しながらも、金閣寺と自分は相容れないのだという気持ちを持ち続けた。
    時代は戦時中。
    いずれはこの京都にも空襲がやってきて、金閣寺も自分と同じく灰塵に帰すであろうことを思うとその美しさはますます神々しく思えた。
    そして同じ運命にあるという意味合いで、彼は金閣寺に対して強い共感を覚えることができたのだ。
    だから彼は空襲を望むほどだった。それなのに空襲はなく日本は敗戦した。
    彼はこの時、金閣寺に決定的に拒まれたこととなる。

    自分の言葉を全て光に変えてくれていた親友の鶴川ももう亡い。
    人間関係も煩わしい。
    坊主など清らかに見えて、その実肉欲を捨てきれぬ俗悪である。
    その思いから溝口少年は和尚を試すような真似を何度もする。

    私が思うにはこれが溝口少年流の「甘え」だったのだが、和尚はいかにも僧籍の人間らしくそれを「なかったことにしてしまう」のだった。
    父親を早くに亡くし和尚に父性を求めていたであろう溝口少年の人格形成において、この和尚を崇拝することも尊敬することもできず、それでいて反発しても反応も得られなかったということは悲劇以外の何者でもない。

    とにかく全てに拒まれた少年は、その衝動を金閣へ向ける。
    金閣を破壊する、という甘い破壊衝動に身をゆだね始める。

    ここに来るまでにこの物語に深く関わるのは、禅の考案『南泉斬猫』である。
    東堂・西堂の僧たちが猫について言い争っていたのを見て南泉禅師がその猫を斬ってしまった、というもの。(ものすごくざっくり)
    その理由を「人びとを惑わせた猫の美」に柏木と溝口が求めているところが興味深い。
    そして溝口は猫を斬り殺した南泉のように、行為者たろうとしたのだ。
    行為することによって自らの人生を変えようとした。
    友人柏木は溝口の覚悟の匂いを嗅ぎ取って、こう忠告を加える。「行為ではなく、認識こそが人生を決めるのだ」と。
    この二人のこの議論はとても面白い。

    相も変わらず三島式の流麗な描写はあるが、それが行き過ぎないように華美にならないようにと抑えられてはいる。
    ただ、主人公流の金閣寺への陶酔の書きぶりは実に見事である。
    金閣寺を焼くにいたる心理の動き、本来ならめちゃくちゃで理解しがたい筈のものを一人の少年の中の問題に収斂してしまっている。
    まさに青春小説。
    金閣寺を焼くことによって初めて溝口少年の人生が始まったのだという、「やっちまった・・」のに、なぜか清々しいラスト。
    名作といわれるゆえんがわかる。

  • どうしたらこんな文章を書くことができるのだろう。決して短くはない話の初めから終わりまで、一時も途切れることなく続く張りつめた緊張感。理知的に構成されつくし、解析されつくした物語を成す一文一文は、驚くほど比喩と詩情に富んでいる。それでいて作者の筆の呼吸やリズムは人間的に乱れることがなく、その語りは読者である私たちを物語の方へ誘い引き寄せはしても、完全に内部へ入り込むことは許さない。「無欠」という言葉はこの小説の為にあるとさえ思える。(だから読んでいて疲れる。)そしてこの異様なまでの「完全性への固執」が、三島由紀夫の生そのものだったようにさえ感じられる。
    いつも思うのだけれど、三島由紀夫の人生は当人によって緻密に計算・構成されつくした「現実世界の小説」で、自決も含めて彼は周到に用意したプロットをただひとつひとつ実行に移していったにすぎないのではないか、と。その証拠に(かどうかは実際分からないけれど)、作中で彼は主人公に述べさせている。「運命というものに、われわれは突如としてぶつかるのではない。のちに死刑になるべき男は、日頃ゆく道筋の電柱や踏切にも、たえず刑架の幻をえがいて、その幻に親しんでいる筈だ。」と。この小説『金閣寺』を読み終えて、そのゆるぎない、欠くところのない非現実的な美しさに、私は畏怖の念といわれのない悲しみを抱いている。

    • すりむさん
      小林秀雄は「なんで最後に主人公を死なせなかったんだ?だから小説として完結してない」と三島に意地悪を言っています。どう思われますか? 三島にと...
      小林秀雄は「なんで最後に主人公を死なせなかったんだ?だから小説として完結してない」と三島に意地悪を言っています。どう思われますか? 三島にとってはこの時点はまだ「刑架の幻」の段階だったのかもしれませんね。
      2011/06/02
    • celineshonagonさん
      コメントを下さっていたのですね!ありがとうございます。私は逆に「なんで主人公を死なせなければいけないんだ?」という感じです。金閣を焼くことに...
      コメントを下さっていたのですね!ありがとうございます。私は逆に「なんで主人公を死なせなければいけないんだ?」という感じです。金閣を焼くことによってしか繋ぎえなった生への一筋の望み……こんなラストほど悲劇的で美しく完成されたものを他に思いつきません。すりむさんはどう思われますか?
      2011/06/30
  • 初めて読んだ三島作品です。
    当時中学生、本の虫でしたがいわゆる文学作品とされているような本はほとんど読んでおらず…
    そんなに読解力があったわけでもなく、全くもって理解できずという感じでした。
    が、最後の金閣が炎上する場面でまるで目の前で見ているかのように頭の中でありありと光景が浮かんで来る感覚。
    初めての体験でその何とも言えない不思議さと感動は今でも鮮明に覚えています。

  • 認識だけが世界を変える。柏木の力強い言葉に、三四郎の広田先生の言葉「日本よりも頭の中のほうが広い」を思い出す。

  • ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。

    http://sommelierofbooks.com/fiction_nonfiction/kinkakuji/

    三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決した事件と言えば、日本人なら誰もが知っている歴史的事件。



    しかし、そんな三島由紀夫の作品を実際に読んだことがある人は、案外少ないのではないでしょうか?



    そんな三島由紀夫作品初心者の方におすすめなのが『金閣寺』。



    この作品こそ、三島由紀夫の心の内を暴露した作品と言えるのではないでしょうか。



    1950年7月2日、『国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧』という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。



    この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み



    ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇・・・



    吃音に悩む若い層が、内翻足の柏木と知り合い、悩みながら、『金閣寺』放火にいたる過程を描いたストーリー。



    この時代を生きたことのない私が、引き込まれるほどの筆致はまさに鬼才三島由紀夫の代表作と呼ぶにふさわしい作品と言えるでしょう。

  • 三島の言葉は芸術だと思った。
    美しくて、鋭くて、甘くて、いい香り。
    ただ、読み手の頭の中が騒々しい時には、まどろっこしくベタベタと纏わりつく悪臭に変わる時もある気がする。

    ストーリーは普通だ。

    悩みを抱える少年が上手くいかない人生に嘆き、それは世の中の「美」のせいだとし、それを衝動ではなく運命として破壊の行動に出る。

    読み終えるのに時間がかかったけど、読めてよかった作品。日本語の美しさの奥行きを垣間見れたような気がする。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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