美しい星 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1760
レビュー : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050133

感想・レビュー・書評

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  • シュールな話だったが、なかなかいい話だった。
    仙台三人組と重一郎との対面ではなかなか読みごたえのある議論が展開される。
    しかし、どうやってこんなシュールな話を収拾させ、終わらせるのだろう、とちょっと心配しつつ読み進めたのだが、なかなかいいラストだった。
    やっぱり三島由紀夫は天才だ。こんな話も書いていたなんて驚き。
    途中、「三島由紀夫の「鰯売恋曳網」」が出てきたのには、ちょっと笑った。、

  • 再読。数ある三島の作品の中でも異色作という点では、これが随一だろう。なにしろ、本作は惑星人たちを主人公にしたSF仕立てなのだから。もっとも、あれだけ様々な小説作法を試みた三島のことを思えば、あるいはむしろ当然であったのかも知れない。物語後半の外惑星人との人間観をめぐっての論争は多分に観念的だが、底流には三島のニヒリズムが強く感じられる。なお、ライト・モチーフの入会権は、法学部の学生時代の三島の研究テーマ。また、自作の歌舞伎『鰯売恋曳網』を登場させるなど、こんなところにも珍しい一面が見られる。

  • まさかのオカルト。

  • 渇きに三島。特効。速効。言葉の泉が湧き出ている。

  • 三島作品のなかでも1番好きな本。
    宇宙人としての意識に目覚めた家族という設定からしていい。
    そして、自分が宇宙人であるということを証明する手段がないところもいい。
    自分だけが本当で、他の家族は目覚めた気になっているだけなのでは、他に目覚めた同志達は…そんな自意識と客観性、世間と理想、宇宙人と地球人に置き換えられることによるアイロニーと人間愛。
    これが書かれた時代背景に思いをやりながら読むとまた美味しさニ倍。ラストもじんわりくる。

  • 帯と内容が一致しないと思ったというのが、素直な読後感。

    宇宙人が人間の姿を借りて、人類の将来を憂う、その中での家族愛など見所は多い。三島らしい問答や自問自答のシーンもある。面白い。冷戦真っ盛りに書かれた小説であり、時代背景を知っていた方がいいかも。

  • 三島由紀夫にしては異色の小説に思えた。
    まず、相変わらずの美文だが、これまで読んできたものほどは難解ではない。だから、かえって現実的に感じられた。

    大きな軸としては、
    大杉宇宙家族⇔羽黒白鳥座集団
    というものになるのだろうが、羽黒集団の方は戦後日本の精神性を表しているのかと思った。
    大杉宇宙家族は美的な感覚的世界に留まっているように思えるが、最後は家長の大杉が病という極めて人間的なものを目の前に屈してしまう。このような結末を用意したことで、三島作品には珍しく美的世界に留まるのではない小説が完成したのではないか。

    羽黒集団では羽黒だけが話しているのが少々気になった。

    大杉VS羽黒の討論はもう一度読み直しても良いのではないかと考えた。
    あれこそが作者の世界認識であり、この小説の核であるはずだから。

    最終的に新党の顧問になってしまった羽黒、病に倒れた大杉、どこか独善的で人間的な羽黒集団、人間的感情を忘れられない大杉の妻...など登場人物の結末をみるとどれも大きく宇宙的には思えない。
    これが、最終的には現実に絡めとられてしまう現代の思想を表しているのか。

  • 一番面白いところにたどりつくまでに随分時間かかった気がする。

  • この人の本の中で最も好きな作品のうちのひとつ。
    ひとことで言ってしまえば「電波なファミリー」の話。

    でも登場人物くらい、何かを信じて生きてみたい

  • SF?なのか?
    だとするとSFって初めて読んだかもしれない。
    結局全て虚言妄言なのか、でも実際に円盤現れてるしなあ。謎…
    中盤の政治的な話をする長ぜりふはさすが三島先生の熱の入りようが尋常じゃなかった。人類をあれだけの高さから見渡したことが書ける時点でやっぱり普通の人じゃなかったのだな。普通じゃない死に方したしな。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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