美しい星 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050133

感想・レビュー・書評

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  • 前半は退屈。SFというが、UFOとの邂逅を信じて宇宙人を自称する家族という設定にリアリティがなく、淡々と過ぎていく。しかし後半に差し掛かると他の宇宙人(?)との論争を通じて人間の本質を問う仕組みになっていた。水爆を弄ぶ人類を滅ぼすべきなのか、それでも人類を救うべきなのか。人類の3つの欠点と5つの美点。三島が探求した人間の哲学が垣間見えるようである。

  • 数多い三島作品の中でも、個人的にはこれが一番の異色作だと思っています。UFOを見たことで、自分たちは宇宙人だと思い込みはじめる家族の話。真面目なSFを書こうとしたわけではないだろうけど、SF的に解釈することも可能だし、何もかも妄想だと笑ってしまうこともできる、でも書かれていることは真理だなあと思いますね。

  • …どう捉えていいやら…ああ、三島だ。異色と謳われているけど、三島文学以外の何ものでもない。

  • 自分達は宇宙人だと思い込んでいる一家のお話。三島さん、この設定はちょっと・・・?という印象だけど、読み進めていくうちに、思想的なものになっていく。
    SサイエンスFフィクションならぬ、S思想Fフィクション!!!
    ぶっとんでいて良いです。

  • 羽黒の一行が出てくるまではワクワクしたが、そこからは下降線だった。

    美しい文体と堅いストーリーで仮面を被せて、
    しょーもないコンプレックスを描くところに三島の面白さがあるのだとしたら、
    冗談みたいなストーリーで真剣に社会問題を描こうとした本作は、
    意欲的ではあるが、あざとい感じがして入り込めなかった。
    しがない市井の人びとに(宇宙人?という設定はあるが)、
    あんなに真面目に語らせちゃ、興ざめだ。

    政治的な興味で三島を読もうという人にはいいのかもしれないけど。

  • 「ふん、これだから金星人は…」みたいなやりとりに厨二心をくすぐられたのを思い出します。
    途中で放棄してしまったので、今度はちゃんと読みたい。

  • 異種作だとは言われてるものの、一方で三島らしさが表れている作品だと思う。最後の押し問答のくだりには、硬派三島のプリティさを垣間見ることが出来、オチはさすが三島さん、というところ。

    三島読まず嫌いにお勧めしたい本。

  • 三島由紀夫の長編。

    「自分は宇宙人である」という確信を得た一家族が、地球人に平和をもたらす為に活動する、という話。
    実際にはもう少し複雑な話であるが、しかし実際には主人公である大杉一家は紛れもない地球人である。
    なぜなら、彼らはそれぞれが火星人、金星人、水星人、木星人であるという信念を抱きつつ、人間らしい生理的現象の数々を体験する。彼らにとっては「地球人の体を借りているから」という言い訳が成立しているが、読み手からすれば滑稽な言い訳である。
    小説としては、人間という存在が地球に対して実際にどのような影響を与えているのかを「宇宙人」という鳥瞰的な存在から語らせることにより、非現実的な設定と現実的な内容を包括した、かなり斬新な仕上がりになっている。
    三島の作品にしては珍しい、宇宙人や空飛ぶ円盤を取り扱った作品ではあるが、その実非常に厳格な修辞と冷静な社会風刺が盛り込まれた作品であると感じた。

  • 各人がこの世の「虚構」をどう受け止め どう 対処していくか

    三島由紀夫の思う究極の美について
    また、人間くささ 世の中のしくみ 政治 思想などを SF的手法を用いることによって自由且つ痛烈に描いている。

    「本質」の突き方はとにかく痛烈。

    精神的、物的、宗教的 そのすべてにおいて 「本質」を問いかける。
    根幹を揺るがしかねないもの。
    本作品を読むタイミングは選ぶ必要がある。

    これだけ俯瞰的に物事を見れて 「対話すること」を知っている人が
    後に一方的な手段をとるに至った経緯とは。
    疑問が後引く

  • 2011年の大震災があり、今また読んで欲しい作品。

    火星人の父、木星人の母、水星人の兄、金星人の妹。
    見えない啓示の中で、進められてゆく話はSFではなく純文学……というか一種の家族小説でもあると思う。

    人間は救われるべき対象か、救われざるべき対象か。
    その考察も面白いのだが、そうして人間とは一歩距離を置いた存在であるはずの彼等もまた、人間的である。

    信じられることは幸福であり、信じられないことは不幸だ。

    三島由紀夫を読み終えられない私としては、こういう奇抜な話からしか入れずに誠に申し訳ない(笑)

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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