美しい星 (新潮文庫)

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レビュー : 186
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050133

感想・レビュー・書評

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  • この人の表現は、常人では一生到達出来はしないのだろうとしみじみ思った。ちょうど核廃絶を訴えた広島の方がノーベル平和賞を受賞し、タイムリーな内容で楽しく読めた。考えが非常に鋭く現代でも十分通用することに感服した。

  • 宇宙人の達観した立場から人間を評価する重一郎と羽黒。重一郎は、人間の愚かだが愛おしい性質を、美しい言葉を並べて語る。羽黒は人間の愚かで醜い性質を、醜い言葉を話す2人と共に語る。個人的には羽黒のいう3つのゾルゲ(事物へのゾルゲ、人間へのゾルゲ、神へのゾルゲ)がしっくりくると思ったのだが、それは私がひねくれているからだろうか。三島先生の真意はどこにあるのだろうか。曉子の平凡な妊娠と、癌告知時の重一郎の平凡な落胆は、「美しい星」に生きる重一郎側の負けを表すように感じたがどうなんだろうか。しかし最終的にUFOは来た。

  • 銀色のアラザンをちりばめたやつ。

  • 読む人によって、「この一家は宇宙人なのか?それとも、ただの狂人なのか?」が分かれそうだ。
    「そんなことは些細な問題だ」という人もいそうだし、私もそう思いたいのだけれど、最後の場面が、どうしてもそうさせてくれない…

    『潮騒』に『金閣寺』、そしてこの『美しい星』。
    文体だけ見れば同じ三島先生の作品なのだけれど、純愛に退廃にSF…と並べてみると、本当に同一人物の作品なのか、怪しみたくなるほどの、天才ぶりだなあ。

  • 大杉重一郎の主張する希望と羽黒真澄が主張する絶望の対比。
    現実に照らし合わせてみるといつの時代も希望に向かうスピードよりも絶望に向かう方が速いように思えてくる。そのため人類が良い方向に向かっていると信じたとしても、次の瞬間にはより絶望に近づいている。これが書かれた50年前と変わらず原爆の恐怖がなくならないのは、絶望に向かっているということなのだろうか。

  • 核兵器に対する人類への警鈴と共に、凡庸な生活を送る人間の営みこそ素晴らしいのだ、という主張が込められた三島由紀夫流の人間賛歌。
    終盤の仙台の三人組との対決には引き込まれたし、宇宙人というSF設定を鳥瞰的視点で人類を語るために用いたのも上手い。
    人生の節目に思い出してまた再読したいと思わせる一冊。

  • 人間に対して同じ評価をする二人の宇宙人の、対立する人間に対する関わり方の違いに関する激論。一気に読ませるが、ふと、いつだったかのウルトラマンも地球と人間に対する見解の違いから対立していたなぁ、などということを思い出した。勿論、この小説の終わりはあのウルトラマンほど楽天的ではなくシニカルだ。

  • 斬新な小説。滑稽みがありつつ、一方で、超越的な視座から人類を語ることへと真剣に誘惑してくる。
    人類を超えたはずの超越がいくつもあることで、超越がずいぶん人間くさく思われる。超越が超越であり続けることの限界?

  • たとえば昔の富野だと、イデが発動して、星になっちゃえ〜と言ったところを、三島はちょっと違うんだなぁと。三島なりの美学だったり斜に構えた物の見方が窺える。

  • 宇宙人だという自覚で生き生きとしてくるのがおもしろくてこれが信仰なんだとおもう それも自分自身の生とか幸福を超えた人間賛歌である

    しかしクライマックスの議論を小さく納めなければならなかったのが映画版の痛いところだったな、内容の濃さは5%くらいしか残っていなかった、残念。 その他の奇矯さやオモシロさや暁子の美しさなどは200%表現されていて最高でしたよ

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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