午後の曳航 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1555
レビュー : 175
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050157

感想・レビュー・書評

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  • 酒鬼薔薇事件が起きた時に、作家仲間の間でまるでこの小説のようだと話題になった、と何かで読んだので読んでみた。

    子どもというのは、こんなにも厄介なものだった、と自分を思い返しつつ大変うんざりした。
    でも私はこんなにまでヒネくれてはいなかった。彼らの50分の1程しかヒネくれていなかったと思いたい。
    男性の方が共感しやすいのかもしれない。
    子どもには未来と可能性があるからこそ、ここまで傲慢で、かつ将来に悲観的になってしまうのだろう。

    ヤンキー漫画でヤンキー達が学校を卒業する時のあの感じ。
    あんなに格好良かった◯◯さんが今じゃしみったれた仕事してるらしい…みたいな。
    今日から俺は!!で、三橋は最後はそりゃー旅に出るしか仕様がないよなーというあの感じ…。(全然違いますかね)

    「彼は自分たちの生殖器は、銀河系宇宙と性交するために備わっているのだと主張していた。」
    「あいつら(父親)は僕たちの母親と交ったことを、世界中にふれ廻る汚ならしい蝿だ。」
    潔癖過ぎるだろー。噴き出してしまった。
    女の子の潔癖は分かるけど男の子にもこんなに潔癖な人がいるのだろうか。

    繊細過ぎる彼らについて行けない。
    もっと健全に育って欲しいと心より願う…

  • 三島由紀夫作品の中で1番。

  • 結末は死を予想させるもので空恐ろしくなりましたが、
    死とエロスを追求していた男が
    大人を拒否していた子供たちによって望みを叶えられた
    とも言えるのではないかと思いました。

    だったらハッピーエンドだ。

  • 三島版「恐るべきこどもたち」を彷彿とさせる。けれど所々とても通俗的。特に流行歌などは必要ない。
    登は母と海の男竜二の情事を隣の箪笥の穴から覗いていた。竜二は海の男だ。現実を敵視し、凡庸を受け入れがたく思う登には竜二は憧れの太陽の香りのする人間だった。その竜二が船を降り母の店を手伝うという。彼は赦しがたい屈辱を覚える。14歳になるまえに仲間と自分の将来の化身に裁きをおこなおうとするのだ。
    現実が挑み少年達の透徹した思いは
    彼らの世界を守るのか?

  • 少年の求める美は海の男にすらなく、少年にとってそれは罪ですらありました。今日の不可解な少年犯罪を彷彿とさせるまでの三島由紀夫の予言的作品です。

  • 三島由紀夫。やはり、こうでなくては。思わずうねるラストシーン。彼の思想が溢れ出る。

  • ようやく読み終わり。

  • 昭和37年に発表された作品だが、今読んでもとても瑞々しい。そして、三島由紀夫の他の作品よりも、本書は比較的読みやすいと感じた。

    描かれている男女の関係、親が子に対して抱く幻想、子供の冷静さや残酷さ、あらゆることが現代にも共通しているように思う。そして、子供が海の男に幻滅していくあたりは、男も一人の人間であり、人間は動物の一種だったことに幻滅しているのではないだろうか。やはりいつの時代も、早熟な子供というのは、とても生きづらいのかなと思う。

    大人も子供も含めた人間の本性が、怖いくらいにとてもリアルに描かれていると思うので、星4つ。

  • 新聞の書評に載っていたので読んだ本。久々の三島作品。破壊的な内容。たまには純文学も読んだ方がいいのかもしれないなあ。

  • とにかく三島由紀夫の文体に触れたいときがあって、たしかそういうときに買ったもの。
    でもよくわかりませんでした…子供世界と大人世界の対立?無邪気って残酷だね、という月並みなことしか覚えてない。後味が悪かった。。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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