宴のあと (新潮文庫)

著者 : 三島由紀夫
  • 新潮社 (1969年7月22日発売)
3.54
  • (92)
  • (148)
  • (320)
  • (16)
  • (3)
  • 本棚登録 :1451
  • レビュー :140
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050164

宴のあと (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • Ti

  • 何故か家にあったので、初めて三島由紀夫に挑戦。切腹した人だよな…という微妙な予備知識しかなかったんだけど、そこから思ってたイメージとは全く違った作品だったので、ビックリした。まず情景描写が恐ろしく繊細で美しい。耽美な感じ。あんだけ細かく書いたら冗長に感じそうなものだけど、それが全然無いのが凄い。あと女性が魅力的に描かれている(男性については時代背景とかもあってよく分からない)。しかし、政治が絡む人間関係の機敏というのがイマイチピンと来ない。あと個人的には、一人称ではない文章は読みにくいなと思ったり。でも全体としては思ってたより読みやすくて気に入りました。

  • 舞台は政界、主役は50歳の女と60歳の男、
    それにもかかわらず、あるいは、だからなのかもしれませんが、
    ストーリーは美しく、どこかロマンチックですらあります。

    都知事選という狂乱に突き進むことで浮かび上がる、
    それぞれの考え方の違い、周囲の変化、熱狂と動揺、
    そして宴のあとの虚無感と、そこからの再スタート。
    いいですね。こういう小説好きです。

    わりかし普遍的なテーマであるため、
    三島由紀夫のクセのないところだけ美味しく頂ける、
    そんな小説として楽しむこともできるかと。

    テーマだけでなく、表現も比較的大人しいため、
    コアなファンはパンチに欠けると思われるかもしれませんが、
    さほどのファンでなかった私にとっては、
    いいじゃん、三島由紀夫、と再確認させられる小説でした。

  • はじめての三島由紀夫。
    美しい文体かはわからないけど、面白かった。
    するする読めた。飽きさせない感じ。
    でもいま深い感想が残っていない。残念。言葉で語れないならすぐ忘れてしまうんだろうな。結局よくわかってないんだろうな。

    わからない言葉も沢山あって漢検の勉強がしたくなった。的確な言葉を知っていたら気持ちいいはずー

    かづの豊潤な肉体の魅力が羨ましかった。
    いつも色や柄や小物に意味を込めて着物を着るのがよかった。着物って面白い。ファッションってこう楽しむべきなんだな。

    政治とは?

  • うーん「潮騒」のようなインパクトは無いなあ。

    機械的で理想主義者の政治家夫と、熱情的でリスクラバーな獣系妻が協力して選挙に挑むというストーリー。

    「政治とは、倫理や志ではなく、結局はカネだ」という“政治とは何ぞや”に対する答えに、本職の夫よりも早く、妻が理解してしまうのが何とも切ない。

    より痛烈に。読んでる側が気持ち悪くなるくらい、徹底的に人間の内情を描写する三島はやっぱスゲーと思う。また、女性描写もさすが三島。50歳過ぎの熟れた女性の艶を見事に表現している。

  • 訴訟問題でも有名な、三島由紀夫の代表作。特に物語中盤から終盤にかけての盛り上がりが秀逸。
    説明的過ぎる文体が気に障るが、読む人によってはそこが「美しい日本語」と捉えられるから不思議である。

    しづという人物に対して、私は一種の扇動家のような印象を持った。天性の人懐っこさと激情、そして恵まれた肉体を武器に、次々に周りの人間を巻き込んでいく様は、どこか恐ろしい。純粋に自然とやっているから、尚更タチが悪い。その犠牲者とも言える野口がただただ哀れである。その後、しづはどのような最期を迎えたのだろう。

  • 太田光さんのラジオを聴いていたら、太宰ファンの彼が三島由紀夫を薦めていた。そんなとき他方面から三島作品を薦められたのは、今は三島を読めという天の啓示か。リズム感が良くて物語が生き生きと進んでいく。大学時代に読んだ「孔雀」という短編集がやけにオスカー・ワイルドに似ていて、改めて彼の来歴を読めば一時期ワイルドに傾倒していたとのことだが、とにかく全く印象が違う。主人公かづの情熱は、さながら山崎豊子の作品に出てくる女性のようだが、この日本の政治を皮肉たっぷりに描き出した作品、金と選挙活動、理想と現実。まさに野党が勝ってしまった後に読むと感慨深いが、しかしながら民主党はこの山崎のようには負けなれていない人たちだからこそ勝ったのかもしれない。そうなると、ますます野党も与党も似たり寄ったり的な三島の指摘が新鮮なのかも。

  • 政治の世界とは、国の方針を定める深い話し合いの場である
    と同時に
    覇権をめぐって権謀術数のうずまく闘争の場でもあるのだった
    闘争が精神をたかぶらせるとき
    脳内麻薬の作用で人は若返るものらしい
    それゆえ、民主主義における無血闘争、すなわち選挙というものは
    祭りや宴に例えられることもある
    「宴のあと」は、日頃おだてられて少し勘違いした成金の中年女が
    亭主の選挙活動に魅了されてしまい、首を突っ込む話
    手段と目的が逆転しているのならば
    いずれ全てを焼き尽くすか、自分自身を滅ぼすまで終わらないだろう
    世界を飲み込む自己陶酔
    民主主義とファシズムの関係性をここに見いだすこともできる
    1960年の作品
    それは浅沼委員長襲撃事件をへて
    社会党がポピュリズムに目覚めはじめた頃のこと

  • 三島由紀夫が生きていた時代を思えば、政治的な皮肉も含まれた作品であろうことは想像に難く無いのだけれども、そういった内容的な面白さより、三島由紀夫の人間の洞察の鋭敏さと、それを極めて的確に表現しきる描写力と語彙量がまず目立った。併せて、季節のものや自然のものを色鮮やかに表現しきる叙述力がとにかく凄まじい。二人の恋路も選挙も、どこか俗っぽく、特に野口の語る理念から程遠いところの対比が人間臭い。決して古臭い感じがしないことにも驚く。

  • 読了後の余韻が凄まじい。
    薄い本のはずなのに、大作を読み切った後のような感傷がある。

全140件中 1 - 10件を表示

三島由紀夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
坂口 安吾
三島 由紀夫
フランツ・カフカ
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印

宴のあと (新潮文庫)に関連する談話室の質問

宴のあと (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする