真夏の死―自選短編集 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050188

感想・レビュー・書評

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  • 090921(n 不明)

  • 三島さん自選の短編集

  • 自選短編集の2つ目。
    表題の『真夏の死』が巧い。あと『サーカス』は朗読のテープ買ってしまったほどに好き…。

  • 2010/1/19購入

  • 三島の初期短編策の詰まった一冊。

    『翼』は『美しい星』あたりを彷彿とさせるようなロマンス。
    爽やかな若者の拙い恋愛と夢想がとても美しくてうっとりさせられます。
    『真夏の死』は表題作だけあって一番面白くて読み応えがありました。
    この短編集は三島由紀夫自身が解説をばっちり書いているのでそこを抜粋します。

    『この全く理不尽な悲劇からいかなる衝撃を受け、しかも除々たる時の経過の恵みによっていかにこれから癒え、癒えきったのちのおそるべき空虚から、いかにしてふたたび宿命の到来を要請するか、というのが一編の主題である。或る過酷な恐ろしい宿命を永い時間をかけて、ようやく日常生活のこまかい網目の中へ融解し去ることに成功したとき、人間は再び宿命に飢えはじめる。このプロセスが、どうして読者にできるだけ退屈を与えずに描き出せるか、という点に私の腕だめしがあった。』

    あと本文からも一部抜粋。文章が、綺麗だ。

    『沖には今日も夥しい夏雲がある。雲は雲の上に累積している。これほどの重い光りに満ちた荘厳な質量が、空中に浮んでいるのが異様に思われる。その上部の青い空には、箒で掃いたあとのような軽やかな雲が闊達に延び、水平線上にわだかまっているこの鬱積した雲を瞰下ろしている。下部の積雲は何ものかに耐えている。』

    まだ余分な文も多い気もしますが美しい三島文学の雰囲気が感じられます。
    悲劇と回復、そして戻る日常に落ちる一筋の影。
    この主題はすごく好き。
    人間が内に秘めるこういう自然の陰影が三島文学には多く見られる気がします。
    三島作品の登場人物はどこか何かを超越していてだからこそ魅了されるのかもしれません。
    自分の中にある人間らしさと、文学の持つ荘厳さがないまぜになっていて。

    書いてて三島が読みたくなってきました。

  • 三島由紀夫の自選短編集です。『煙草』『春子』『サーカス』『翼』『離宮の松』『クロスワード・パズル』『真夏の死』『花火』『貴顕』『葡萄パン』『雨のなかの噴水』を収録。のちの作品を連想させるものもいくつかあり、三島入門本としては最適です。中でも好きなのは『真夏の死』『雨のなかの噴水』シュールな作品です。『真夏の死』は最初と最後が同じ場面なのですが、物語を最後まで読んで初めてその意味が分かります。ある意味恐い作品でした。最初の部分を読むと子供達と海で遊んでいる普通の家族、最後を読むと・・・海へ来た本当の理由が見えて来ます。同じ場面なのにいきさつを知るのと知らないのとでは印象が全く違い、作品そのもののイメージまで変わってきます。

  • 短編集。

  • 三島の美少年描写は素敵。

  • 三島由紀夫の短編集。中でも「煙草」がお気に入りです。
    秘密を持つこと、いけないことをしているという意識、そういった不道徳が甘みをもって、読んでいるこちら側にまで伝わってきます。秘密を共有しているような、私までいけないことをしているような、なんともいえない胸の高まりにページをまくる手が早まります。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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