豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)

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レビュー : 181
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050232

感想・レビュー・書評

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  • 1、2巻で唯一自覚的に輪廻転生を見守ってきた本多が主人公となった1作。1巻で松枝清顕として登場した『生』が、勲を経て、今回はタイのプリンセス ジン・ジャンとなって本多の前に現れる。
    仕事の報酬として大金を手にいれ、余裕ある生活を送るようになった初老の本多の、理性というのか、それまで自身の核であった意思の壁のようなものが崩壊した姿が無惨で、哀れに感じた。露悪趣味と思えてしまうほど、どんなに些細な醜い心のうちや弱さ、慾望まで光を当てて曝け出していて、この作者のように美学が強い人ほど、醜いものにも強く感応してしまうのかなと思った。
    長く挿入されている仏教哲学も内容もあまりに深くて難解で、私はきちんと理解出来ていないと思う…。ただ、読み終わって、何か大きな力(阿頼耶識というものだろうか?)の中にいて無力な人間の儚さを感じた。
    それと、この小説を書き終わった後で割腹自殺をした三島が、何かひどく壮大なことを考えながら執筆していたのだろうことは、ヒシヒシと感じられた。

  • 輪廻転生を題材にしている。まさか、舞台がタイのバンコクから始まりから度肝を抜かれた。月光姫がまさか松枝清顕の生まれ変わりであった。

  • 登場人物の誰にも感情移入ができなくて読み進めるのが辛かった。『春の雪』『奔馬』が良かっただけに残念。

  • 清顕の転成やインドの物語には興味を持つものの、本多ののぞき趣味は最後まで共感できず。。。ただ、三島が何を書こうとしていたのかが知りたくて、読了。うーむ。

  • 正直に...ロリコンおやじじゃん。と思うけど。。。。
    たぶん、そんなに浅はかではないのだろう。
    でも、今の私には理解できない。

    金持ちになったらこんなになってしまうのだろうか?それを利用する人もいるはわかる。

    この度の物語は、三島の真骨頂なのではないか。とおもうけど私には理解できない。

    いつか、もう一度読み返したい本である。2013.11.13読破

  • タイのお姫様ジン・ジャン(月光姫)がとても魅力的。

  • 豊穣の海シリーズ第3作。
    起承転結の転に相応しく,また難解でもありました。

    ここでこうリンクしてくるかと,天才だなー言葉奇麗だなーとか思いながら読了。
    とりあえず文学者は猥褻なシーンを猥褻じゃなく書くのがウマいですな。

  • 豊饒の海4部作、ここでちょっと破綻しちゃってる気がします。
    唯識について仏教用語もまじえて膨大なページが割かれていて、少々辛かったです。

  • 前半はインド仏教、後半は老醜に起因する少女愛?


    本多の冷酷さと明晰さ。
    ジンジャンの純粋さと脆弱性。片言の日本語。

    やっぱり三島は美少年は描けても美少女はだめだなんだなぁ。

    インド仏教の記述はよかった。

著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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