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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101050256
みんなの感想まとめ
作品は、昭和20年代に書かれた短・中篇集で、人工美を巧みに取り入れた独特の表現が魅力です。特に、三島由紀夫の言葉使いや文章の美しさに惹かれる読者が多く、物語の背景だけでなく、文章そのものを楽しむことが...
感想・レビュー・書評
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『女神』とともに収められた10篇の短編集。掲載時期や創作年が不明なものも多く、中には創作ノート的な断片、あるいは発表を意図していなかったのではと思わせる作品も含まれている。しかしどの短編も、小説の結末に至ると、やはり三島由紀夫らしい審美性や残酷さが顔を覗かせる。その片鱗を楽しむことができる一冊。
「女神」
雑誌『婦人朝日』1954年8月号から1955年3月号まで連載。
三島由紀夫は、実際の事件や出来事を取材して小説化することが少なくないが、『女神』は特定の事件を描いたものではなく、戦後日本に芽生えた新カリスマ的存在といった社会現象を背景にした創作。
「女神」と呼ばれる女性は、周囲の人々の欲望や幻想を映し出す鏡のような存在であり、彼女自身もまた「女神」としての役割を生きることを強いられる。その背後には、彼女を「女神」として教育し、信仰の装置にまで仕立てた父親の影が絶えず付きまとう。
物語のラストで彼女が迎える運命は、悲劇のようで一種の回帰とも思う。彼女は「女神」として命じた父の教育の呪縛に戻っていく。それは破滅であると同時に、彼女にとって唯一「自己を肯定できる場所」なのか。三島文学ならではの美的な悲劇性が読める一作。
「接吻」
フランス恋愛小説を思わせる気取った美意識で貫かれている。恋愛の直接的な熱情や感情そのものではなく、芸術を通して昇華された姿で提示されるため、読後感には「美しいけれど、どこかめんどくさい」という矛盾が残る。
しかし、この「めんどくささ」こそが三島由紀夫っぽさ。
「伝説」
わずか五ページほどの短さながら、不思議な読後感を残す。ラストの描写は、これから大きな物語が始まりそうな予感を漂わせるが、三島独特の「終焉」の気配も色濃い。私は、物語が未完のまま途切れたようにも感じた。
「白鳥」
昭和26年『マドモアゼル』に掲載された掌篇
乗馬クラブを舞台に、白馬「白鳥」を介して生まれる淡い恋を描いた小品。筋はごくささやかなのに、場面の切り取り方や配置が実に洗練されており、小説としての収まり方がおしゃれ。
「哲学」
失恋の果てに自殺へ至る思考を「哲学」として語る小品。恋愛の破綻や絶望は通常、情緒的に表現されるものだが、ここでは徹底して理屈。その論理の冷たさが、むしろ死の誘惑。
失恋が辛かったんだね。
「蝶々」
プッチーニの蝶々夫人をモチーフにマダムバタフライと呼ばれた三浦環さんを登場させながら、戦争が引き離した関係を潜めたというような小品。私が、蝶々夫人、三浦環等の知識が薄く、読みこなせていません。
来月、三島由紀夫文学館で三島由紀夫生誕100年三浦環没後80年コンサートが開催されるということです。今年この作品を読んだ意味はあるのではと思っています
「恋重荷」
能に同名の演目があり、そのあらすじも調べるてみるも、モチーフとはしているのだろうけど、設定が違いすぎていてわからないです。
ですのでこちらも読みこなせてないかな。
能に出てくる恋重荷は、非常に重い。
この若き三人の男女の重荷は如何に?
「待童」
美しき少年の策略を描く短編である。人妻が彼に与えるのは、果たして愛なのか、それとも訓戒なのか。二十余ページの小品ながら、三島らしい美と背徳の交錯が鮮やかに収められている。大変よろしゅうございました
「鴛鴦」
おしどりと書いて 三島由紀夫は“えんおう”と中国読みをさせる。
男女ともに小説家の夫を持つ母の胎教によって「小説嫌い」に育てられた二人が夫婦となる、という奇抜な設定の短編である。仲睦まじい鴛鴦夫婦のように見える二人の秘密は、小説嫌い。小説家である三島自身が、小品ながら皮肉とユーモアが効いている。
「雛の宿」
1953年『オール讀物』掲載
三島由紀夫には珍しく、怪奇小説のような趣。舞台となる宿の不穏な空気や、人間の心理が生み出す不気味さが、じわじわと読者を追い詰めます。とはいえ、さすがに最後まで怪異そのものでは決着せず、あくまで人間の感情や関係性の歪みが恐怖の核心。
怪談と人間ドラマの中間にあるような短編で、三島の作品群のなかでは異色。
「朝の純愛」
1965年雑誌『日本』掲載
若いころから美しく、そして年齢を重ねてもなお美を保つ夫婦をめぐる物語。そこへ登場する若いカップルの会話には、当時の流行語が冷ややかに差し込まれ、時代の空気が皮肉に切り取られている。物語はやがて小さなミステリへと転じていく。
本当に短編というより掌編。
それでも小説として収まる趣がある。
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女が注文すべきお酒はその日着ている洋服の色にあった色でなければならぬ。
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三島の作品でも読みやすいものばかり。
登場するのは裕福で若く美しい男女が多い。華やかな美と対象に、老いや死などグロテスクな部分がくっきり浮かぶ。
ミニマムな言葉で妖しく官能的な場面も語られる。
現代に当てはめたら「女神」の周伍はキショすぎる父親だし、時代の価値観そのままに読むことは大事だと思った。
「人間の悲劇や愛欲などに決して蝕まれない、大理石のように固く、明澄な香わしい存在」になった朝子(女神)。
こうありたいものだと思う…
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おもろい、三島由紀夫おもろい。
ミステリーとか読んでいると、文章というよりも、むしろ物語を読んでいる感があるんだけど、この作品とかは文章そのものを読んで、その言葉使いとか表現の巧さとかで楽しんでいる。
だから楽しめるかどうかは文章にかかるところがある。
文章には疎い俺ですが、三島由紀夫の文章は綺麗だと思う。まだ2冊しか読んだことないけれど。
とても繊細。そのきめ細かさが、純粋な恋愛をより際立たせる。
「女神」も面白かったけれど、「恋重荷」「侍童」「朝の純愛」の3作品が特に良かった。
「侍童」中の「目が見上げていないが、唇が星空を見上げている。」という表現がめっちゃ好き。脱帽。
若さへの捻じ曲がった執着を描いた「朝の純愛」。出会った当時の若い姿を頭に描いて接吻する夫妻。愛しているのは今の相手ではなく、若かった時の相手の幻影。果たしてこれは異常と言い切れるのだろうか。 -
文章がとても美しく、うっとりとした気持ちになりながら読むことができた。
女神、雛の宿が特によかった。 -
美の追求、比喩表現の優美さは流石の三島由紀夫である。
男女の物語を綴る短編11集。
一貫して根底に流れ所々に垣間見える、若き美しさと老化への抵抗感はこのころから一貫して根底に流れる作者の最期に通じるものがあると感じた次第。 -
本当に絶妙なモテる男とほっておけない男を書くのが上手だなあと思った。軽妙で美しく賢く完璧なモテる男と、絶対にダメなんだけど惹かれるのはわかる女心をくすぐる感じのほっておけない男。そして美しい女を書くのも上手い。振る舞いの調子とか言葉とかのチョイスがよかった。女神、恋愛を失った瞬間に人間の域から外れたような宗教じみた存在になる、父親はその敬虔な使徒という感じがした。二人だけの宗教になったんだなあみたいな。あと個人的に雛の宿がショートショートっぽい壊れてて不気味な終わりで好きだった。面白い。
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「お嬢さん方、詩人とお附合いなさい。何故って詩人ほど安全な人種はありませんから」
短編集。『女神』が一番好きだけど、心にひっかかったのは『接吻』の台詞。 -
女性を美術品のように育てる男という構図はマイフェアレディお馴染みのピグマリオン神話。ルッキズム社会を生きる身にはなかなか毒のあるテーマだけれど、だからこそハマる設定なのはとても良いのに、結末はうーん…一体何がしたかったのだろうか。私にはよく分からなかった。
他の短編で個人的には「雛の宿」が好きだった。村上春樹ワールド的で、不思議で不気味だった。 -
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朝子は斑鳩や俊二との出会いと惜別を通して、人間の悲劇や愛欲などに決して蝕まれない、大理石のように固く明澄な芳しい存在に化身する。
→これは人間(女)と言う括りの中で最上級の美を求める周伍という父そのものを超越したことと同義である。
『女神』は(老化という)自然と文化との対立構造を描いた作品のように見えるが、その他の短編はあくまで耽美で自然的な男女の恋愛模様を描いた作品のように感じた。
接吻
哲学
白鳥
どのような時代にも、青春の生きにくさは外部よりも内部にある。 -
中編・短編集です。この世の美しさがすべてここに集まったような作品たちでした。
途中まではさくさく読めましたが途中どうしても表現が複雑で断念。
表現がとても好きなだけにめちゃくちゃ悔しいのでいつか再読してチャレンジしたい! -
三島由紀夫が描く「美」。空襲によって顔に火傷を負った妻に代わり、娘の朝子を美の女神へと育て上げる男。しかし、美はやがて崩れ去るのが三島の定石。果たして朝子はどうだったでしょうか。表題作ほか10編。
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収録されている数ページの伝説という短編が非常に素晴らしい
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最初に読んだ三島作品
内容はともかく、女性として望ましい立ち居振る舞いを学んだ。
朝の光、昼の光、夜の光、全てを考慮に入れて服を選んだり、
服に合わせてカクテルを選ぶこと。
ならいつでもウォッカ(透明)でいいやん、と思った時点で失格だわ笑 -
だめ?オレもこうしたい。
だめ?
女を美しく育てる。
でも、とられちゃしょうがないよね。苦笑 -
ここまで女性を美しく描写できるであろうか
ソレと同時に女性の価値とはなんなのであろうか -
表題作「女神」は、妻や娘を美の化身に育て上げる男の執念に戦慄が走った。
生まれていたのが息子だったらどうか?この男は女性の美に対して尋常ならざる執念を持っているので、妻が戦火で火傷を負った時点で、男は廃人になっていただろう。
他の短編も若さと美貌についてのテーマが多く、読みやすい短編集だった。
この本が好きな人におすすめの本
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三島由紀夫の作品
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感想 :

月命日にレビューしてます笑
芸が細かすぎてわからないやつです
月命日にレビューしてます笑
芸が細かすぎてわからないやつです
これも読んでない!良さそうですね!
天才って人の5倍は考えを巡...
これも読んでない!良さそうですね!
天才って人の5倍は考えを巡らせてしまうので、まさに憂国に思いを馳せ過ぎて自害されてしまったのでしょうか…。今の日本を語って欲しかったな。